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能力と池田信夫に関するcastleのブックマーク (62)

  • 日の丸検索エンジン - 池田信夫 blog

    先週の「シグマ計画」についての記事には多くのアクセスがあり、1日のページビューが1万を超えた。今週の『サンデー毎日』にも「国策検索エンジンは300億円をドブに捨てる!?」という記事が出ているが、当事者以外から肯定的な評価はまったくない。「日の丸検索エンジン」が成功する可能性は、客観的にみてゼロに近いと思われるが、むしろ興味あるのは、そういう失敗がなぜ繰り返されるのかという問題である。当ブログは経産省でも読まれているようなので、少し専門的で長くなるが、これを経済学的に考えてみる。 こうした「産業政策」についての実証研究としては、三輪芳朗他『産業政策論の誤解』、マイケル・ポーター他『日の競争戦略』などが知られている。いずれも「産業政策は最初から失敗の連続であり、日で成功した産業は政府が放置した部門だった」という結論を出しているが、これはいささか疑問である。終戦直後の日の製造業のように、

    castle
    castle 2009/07/06
    「IT産業では供給側の設備コストは低いので、需要や技術革新の不確実性が問題」「プロジェクトをモジュール化する手法~技術をモジュールに分割して多くの「実験」を平行して行い、失敗したモジュールは放棄する」
  • ウォークマン、30歳 - 池田信夫 blog

    メディア・パブ経由で知ったが、ソニーのウォークマンが1979年7月1日に発売されてから、ちょうど30年を迎えた。NYタイムズやTelegraphやグーグル公式ブログまで、それを祝う記事を書き、T3マガジンは「この50年間に生まれた最大の音楽イノベーション」だとしている。ベスト10は次の通り:Sony Walkman MP3 format Apple iPod 1st Generation CD Napster Dolby DAB radio Boombox Sonos Multi-Room Mu...

    castle
    castle 2009/07/06
    「ジョブズがソニーを訪れた時、盛田昭夫社長が初代ウォークマンをプレゼントすると、ジョブズはそれに魅入られ、その場で分解して部品を一つ一つ見て、それがどのように作られ、組み立てられたのかを調べたという」
  • パロール・ドネ - 池田信夫 blog

    くだらない雑用で頭が窒息状態になったときは、書のような人類の数千年の営みに思いをはせるを読むのが精神衛生にいいかもしれない。書は20世紀最大の知的巨人の30年以上にわたる講義の内容を要約したもので、その膨大な業績を一望するには便利だが、それを400ページ足らずの訳に圧縮することは不可能なので、彼の著書を読んでいない人には難解かもしれない。 全体として描かれているのは、冷たい社会の人々が謎に満ちた世界を理解し、社会の存在する意味を見出す努力の跡である。圧倒的に巨大な自然の闇の中で微小な存在でしかない人間が、そのささやかな秩序を守るためにつむいできた神話や親族構造が、詳細に分析される。それを通じて見えてくるのは、荒々しく不確実な自然の中で、人間の築いた文化がいかに無力で壊れやすいものかということだ。 しかし人類は、いつからかこういう静的な秩序を守るのをやめ、自然を征服して不確実性を

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    castle 2009/06/29
    「人類は、いつからかこういう静的な秩序(神話や親族構造)を守るのをやめ、自然を征服して不確実性をなくすテクノロジーを開発するようになった」「彼らも結局は、生きる目的を見出せないまま、自然に帰る」
  • 日本の経済学者はなぜ無視されるのか - 池田信夫

    きのうの松さんの記事に関連して、私も経済学について似たような印象をもっています(経済学が科学だとすればですが)。日政治家も官僚も、経済学者の話を審議会や「研究会」などで聞くけど、それが政策にまったく反映されない。渡辺喜美金融担当相は「経済学は1冊も読んだことない」と公言していたし、3月に行なわれた「有識者会合」は見ていて寒くなりました。 これに対して欧米の経済政策を動かしているのは、バーナンキにしてもサマーズにしてもローマーにしても、超一流の経済学者です。この違いの原因は、先日の記事でも書いたように、日経済学者にもありますが、最大の問題は、日政治が政策論ではなく「政局」的な人間関係で決まるので、専門知識が役に立たないことだと思います。麻生首相の「政局より政策」という口癖が、それを逆説的に示しています。 官僚の政策立案には少しはロジックが通用しますが、彼らは学者より自分たち

    日本の経済学者はなぜ無視されるのか - 池田信夫
    castle
    castle 2009/06/21
    「日本の政治が政策論ではなく「政局」的な人間関係で決まるので、専門知識が役に立たない」「(官僚にとっては)審議会等も「事務方」の案を御用学者を使ってオーソライズする場にすぎない」「意思決定ができない」
  • 安心ネットワークと信頼ネットワーク - 池田信夫 blog

    3年ぐらい前からFacebookのアカウントはもっていたのだが、海外友人にメールを出すときぐらいしか使っていなかった。しかし最近、Gmailのアドレス帳にある全員をFacebookが自動的に招待する機能ができ、私がうっかりそれを承認してしまったため、多くの人に招待状が届いたようで、申し訳ありません。 おかげで一挙にたくさん日人のFacebook friendsができ、日語と英語のメッセージが混在するようになった。比べてみると、日英のコミュニケーションの違いがわかっておもしろい英語のメッセージは、オバマ政権の批判などの意見が多いが、日語のほうは圧倒的にmixi的な日記だ。 またプロフィールをみると、欧米人は100人とか200人とか友人がいるのに対して、日人は10〜20人。これはもちろんFacebookが英語ベースだという理由があるだろうが、友人の概念に違いがあると思う。欧米で

    castle
    castle 2009/06/21
    「日本のような安心社会では「一見さん」を仲間に入れないことが重要なのだ。しかしこれはネットワークを広げる上では不便なので、まず相手を信頼して取引し、裏切り者は法的に処罰するのが欧米型の信頼社会である」
  • 経済学者のバイアス - 池田信夫 blog

    昔、経済学史のワークショップに出たことがある。学説の解説ばかりで退屈したので「経済学はself-interestを扱うのに、なぜ経済学者だけは私利私欲なしに真理を探究するすることになっているのか。実際には、みんな学界で出世するのが目的じゃないのか」と質問したら発表者が絶句してしまい、根岸隆氏が「おっしゃる通り経済学者もself-interestでやってるんだが、それを論じると社会学になってしまう」と助け船を出した。 昨今の経済危機について経済学者が何もいえないのも、こうしたバイアスが影響している、とSteven Levittは書いている:In my opinion, the fundamental problem is this: from a modern academic perspective, the sorts of skills that accompany having a

    castle
    castle 2009/06/04
    「本質的な問題を解くほうが、数式だらけの論文を書くよりむずかしい」「普通の経済学者にとっては、厄介な(しかし重要な)問題を避け、計測可能な数学的スキルに特化することがアカデミックに出世する上で合理的」
  • 霞ヶ関の権威と権力 - 池田信夫 blog

    民主党の鳩山新代表の公約をみて驚いた。最初にかかげられている最重点項目は「霞が関から市民への大政奉還」である。もののたとえだろうが、21世紀の政策にこういう儒教思想が出てくるのは、彼の官僚機構についての認識の甘さをうかがわせる。 大政奉還という言葉は、勤王派の「王政復古」の思想に対応する。儒教では「王道」に対して、武力で政権をとる「覇道」を邪道と考え、特に日では万世一系の天皇が征夷大将軍を任命したと考える。いわば天皇がプリンシパルで幕府はエージェントだから、後者が前者の意に沿わない場合は解任するのは当然、という発想だ。ここで「奉還」されるのは天皇から委任された権力であって、鳩山氏が想定している国民主権ではない。 これは単なるワーディングの問題ではない。このようにして奉還された天皇の大権が、明治以降の官僚機構のよりどころだったからだ。鳩山氏がこのような日の官僚機構の儒教的な性格に無自

    castle
    castle 2009/05/18
    「日本の官僚は西洋的なテクノクラートではなく、科挙以来の伝統を受け継ぐ儒教的な知識人」「科挙は、特定の専門的な成果(performance)を問う試験ではなく、任意の問題を処理する能力(competence)を問うシグナリング」
  • 長期連休の池田信夫先生ウォッチング - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    一応お約束ということで(笑)大型連休以来ごぶさただった池田信夫先生のブログもまとめ読みしてみました。見てないときに限って(笑)労働問題に積極的に提言されています。かなりの数なので、簡単にコメントしていきたいと思います。 5月2日「終身雇用という幻想を捨てよ」 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/bd13735ee5e9dfbda0f5855a522a8016 これは一昨日このブログで取り上げたNIRAのレポートですね。「元同僚から送ってもらったNIRAの緊急提言は、よくできている。内容はおおむね経済学者のコンセンサスだが、長期雇用だけを「正規雇用」として転職を悪とみなす労働行政を変えるべきだと明確に提言し、flexicurityの理念を掲げたことは注目に値する」ですかそうですか。私としては、これは一昨日のエントリに書いたとおり労働研究者でない経済学者のコン

    長期連休の池田信夫先生ウォッチング - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)
    castle
    castle 2009/05/12
    「全然自衛策になりませんって。起業は成功するより失敗するほうがずっと多いんですから、自衛になるわけがありません」「これは企業は福利厚生をやめて、福祉は国が全部やるということ(大きな政府)でしょうか?」
  • 「勤勉革命」を超えて - 池田信夫 blog

    この不況で問われているのは、日人の働き方だと思う。日企業が戦後の一時期、成功を収めた一つの原因は、農村共同体が解体したあと、その行動様式を会社に持ち込んでコミュニティを再構築したことにある。その労働倫理の原型は明治期より古く、江戸時代に市場経済が農村に浸透してきたころに始まるといわれる。速水融氏は、これを産業革命(industrial revolution)をもじって勤勉革命(industrious revolution)とよんだ。 イギリスの産業革命では、市場経済によって農村が工業化され、資集約的な産業が発達したのに対して、日では同じころ逆に市場が農村に取り込まれ、品質の高い農産物をつくる労働集約的な農業が発達した。二毛作や棚田のように限られた農地で最大限に収量を上げる技術が発達し、長時間労働が日常化した。そのエネルギーになったのは、農村の中で時間と空間を共有し、家族や同胞のた

    castle
    castle 2009/05/10
    「(日本企業は)農村共同体が解体した後、その行動様式を会社に持ち込んでコミュニティを再構築した」「勤勉革命:個を犠牲にして共同体につくす贈与だった」「(非正社員増加問題は)グローバルな分業構造の変化」
  • 1枚の図でわかる世界経済史 - 池田信夫 blog

    以前の記事でも少し紹介したGregory Clarkの"A Farewell to Alms"を読んでみた。第1章は「16ページでわかる世界経済史」と題されていて、このPDFファイルだけ読んでも概要がわかる。中でもポイントになるのは、下に掲げた「1枚の図でわかる世界経済史」と題した図である。これは紀元前1000年から2000年までのひとりあたり所得を図示したものだが、1800年ごろの産業革命期を境に急速に所得が上がっている。これをどう説明するかが、西欧文化圏が世界を制した原因を考える上で最大の問題である。 これまでの通説とされているのは、オランダやイギリスで財産権(特に特許などの知的財産権)が確立されて市場経済が成立し、技術革新が進んだとするNorth-Thomasの説だが、著者はこれを批判する。財産権は、世界の他の地域でもっと早くからみられる。知識を財産とみなす制度が確立したのは、産業革

    castle
    castle 2009/04/24
    「アジアでは労働生産性の高い階層の出生率が低かった」「それに対して、イギリスでは生産性の高い階層の所得が上がり、彼らが多くの子孫を残したため、人口も急増して市場も大きくなり、産業が発達した」米欄も面白
  • コンプライアンスと法令遵守 - 池田信夫 blog

    小倉秀夫氏はこう書いている:建築基準法を改正せず,「粗悪な建築がなされ,大震災のときにはあっさり崩壊するような建物が建つかも知れないけど,それって自己責任だよね」ってことで放置しておいた場合に,「よくわかんないけど,地震で倒れたらその時に考えればいいや。数千万円から数億円の買い物で色々考えるのは面倒くさいから,買っちゃえ!」という消費者がそんなにたくさんいただろうかと考えると,それも楽観的にすぎるのではないかという気がします。彼は建築基準法に違反すると「大震災のときにはあっさり崩壊する」というメディアの宣伝を素朴に信じているらしいが、これは郷原信郎氏のいう実質的なコンプライアンスと形式的な法令遵守の混同の典型である。 建築確認は木造の建物の安全性を確認するためにできた制度で、現在の複雑な建築物の耐震性を図面だけで確認することはできない。実際の問題の大部分は、手抜き工事などの施工段階で起こ

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    castle 2009/02/21
    「役所やメディアが攻撃するのは、実質的な安全性ではなく手続き的な違法性」「違法ではないが重要な問題が放置され、どうでもいい違法行為が摘発され、企業が思考停止し、形式的な法令遵守に多くの労力がさかれ」
  • [中級経済学事典] 評判メカニズム - 池田信夫 blog

    最近の雇用問題や天下りをめぐる議論をみていると、「派遣切りはかわいそうだ」とか「天下りはけしからん」といった事後の正義によって政策が決まる危険を感じる。こうした問題の根的原因は、日企業の成功を支えた長期的関係(会員権)に依存した評判メカニズムがうまく機能しなくなったことだ、というのが拙著の主張である。これは私のオリジナルではなく、Krepsによって理論的に明らかにされ、Greifが歴史的に実証したもので、ゲーム理論業界ではおなじみの古い話だ。個別に説明するのは面倒なので、厳密な論証は拙著の第5章を読んでいただくとして、ここでは霞ヶ関の人々が公務員制度を考える際の参考になりそうな部分(pp.90-94)を、少し長くなるが丸ごと引用しておく:いわゆる日的雇用慣行の特徴をなすのは,終身雇用,年功賃金,企業別労働組合の3 要素であるといわれる.これらは個別に見ると必ずしも日に固有ではなく,

    castle
    castle 2009/02/04
    「多くの企業が一致してこのような慣行をとるかという合意の強さ(事前確率)に依存するという意味で戦略的補完性を持つ」「近視眼的な正義感による雇用規制や官僚たたきは、冷静な制度設計の邪魔になる」
  • 「天下り禁止」のまやかし - 池田信夫 blog

    麻生首相が「年内に天下りを禁止する」と表明したことが大きなニュースになっているが、これはまやかしだ。当ブログで何度も説明したように、もともと改正された国家公務員法では、再就職等監視委員会が承認しないかぎり天下りはできないので、監視委員会が発足できない以上、天下りは即時禁止にするのが当然だ。それを官僚が政令で「内閣総理大臣が代行する」という規定を入れて法律を改竄してしまったのだから、天下りを年末に禁止するのは「前倒し」ではなく、1年遅れである。 さらに大きな問題は、天下りだけが槍玉に上げられ、公務員のキャリアパス全体の改革が放置されていることだ。民主党は「ハローワークで職探しをしろ」というが、彼らはハローワークへ行ったことがあるのだろうか。50過ぎて給与の高い管理職が、ハローワークで職を見つけることはまず不可能だ。民間でも、50過ぎた経営者が転職するのは、企業の系列関係を利用する「天下り」

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    castle 2009/02/04
    「天下りは、役所の許認可権をバックにしているから成り立つ」「補完的な制度は、全体を整合的に変えなければならない」「キャリアパスも、外部労働市場で通用する技能を蓄積するように変える必要がある」
  • ハイエクのジレンマ - 池田信夫 blog

    Marginal Revolutionで、ハイエクをめぐる議論が盛り上がっている。この記事(のリンク先のエッセイ)もおもしろいが、コメントの水準も高い。これを読むと、アメリカのブログがアカデミックな議論の場になっていることがわかる。 ここでTyler Cowenが提起している「ハイエクには意味があるか?」という問題は、自由主義の将来を考える上で重要である。ハイエクは、社会主義を否定して市場の自生的秩序を賞賛したが、彼の主張には致命的な矛盾が含まれている。社会主義も、それ自体が政治的な進化の結果、成立したという意味では自生的な秩序だからである。 資主義も、ハイエクの想定するような自生的な進化の結果うまれたものではない(そうであれば地球上のすべての文明圏が資主義になっていただろう)。資主義は、財産権や絶対主義などの西欧に固有の法・政治的な制度によって生み出された特殊な経済システムであ

    castle
    castle 2009/01/29
    「バーク的な保守主義によれば、現状は過去の進化の結果なので、伝統を守るべきだということになる。これはこれで合理的な考え方で、現状はひとつの局所解だから」「問題は、現状が全体最適になっているかどうか」
  • 致命的な思いあがり - 池田信夫 blog

    雨後のタケノコのように出る「大恐慌」を立ち読みしてみると、ほとんどが「アメリカ金融資主義の破綻」→「新自由主義は終わった」→「思い切った景気対策を」といったお手軽な論理展開で、これなら池尾・池田も製品差別化できそうだ。書を読めば、そういう「ネオリベ批判」がいかに下らないかがわかるだろう。 書はハイエクの最後の著作だが、これまで邦訳が出ていなかった。それは書がどこまでハイエクの著作なのかについて疑問があったからだ。ハイエクは健康を害していたため、彼が書いたのは未完成の草稿(未公開)だけで、それをW・バートリーⅢ世が編集したのだが、このとき編者が大幅な改変を加え、しかもそれを明記しなかったため、どこまでがハイエクの著作かよくわからなかった。ただ最近の研究では、大筋ではハイエクの了解を得ており、それほどひどい改竄は行なわれていないとされる。 内容の完成度は高くないが、90歳に近か

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    castle 2009/01/29
    「無神論者のハイエクが「コミュニティを存続させている道徳や価値の人格化」としての宗教の価値を認め、こうした精神的統合が可能かどうかに「われわれの文明の生き残りがかかっているのかもしれない」と結ぶ」
  • 幸せって何だろう - 池田信夫 blog

    経済学では100年以上、人間の幸福(効用)は財の消費量の増加関数だと仮定してきたが、この命題は一度もシステマティックに実証されたことがない。そもそも一意的な(合理性の公準をみたす)効用関数が実際に存在するというデータさえない。行動経済学の実験は一致して、そのような効用関数は存在しないと証明している。20年にわたる大規模な医学データも、他人の幸福が自分の幸福に大きな影響を及ぼすことを示している。 書によれば、BBCは「幸福とは何か」というシリーズを2度も放送し、経済学が幸福の基準にしているGDPは、個人の心理的な幸福とまったく一致しないという多くのデータを紹介したそうだ。これは以前の記事でも書いたように正しい。GDPは、他に広く使われて信頼できる指標がないから使われているだけで、特に情報財についてはミスリーディングな指標である。 たとえばNTTの固定電話収入は1996年には5.7兆円だ

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    castle 2008/12/08
    「医学データも、他人の幸福が自分の幸福に大きな影響を及ぼすことを示している」「GDPベースではマイナスだが、消費者は幸福になる。だからGDPとは別の指標を考えないと、情報社会の幸福を計測することはできない」
  • 資本主義という奇蹟 - 池田信夫 blog

    また磯崎さんからのTBをネタにして恐縮だが、「個が確立していない社会で市場経済をやるというのは、結構キツいんじゃないか?」という問題を、私もいま講義でテーマにしている。特に重要なのは、人類の所得が産業革命以後、わずか200年で1万倍以上になったのはなぜか、という謎だ。ちょうどその講義ノートを書いていたので流用すると、これには古来、多くの答があるが、私はこの資主義という奇蹟は、17〜8世紀のイギリスに一度だけ起こり、他の経済的に成功した国は、それを輸入したのだと思う。その要因として有名なのは資蓄積(Marx) 近代的個人の成立(Weber) 財産権の確立(North-Thomas) 法の支配(Hayek) 科学と技術の融合(Mokyr)こうした要因がすべてそろったことが近代西欧の成功の要因だったが、このうちどれを重視するかは人によって違う。かつて重視された1は、現在ではあまり問題

    castle
    castle 2008/07/11
    「資本主義の要因:1.資本蓄積(Marx)/2.近代的個人の成立(Weber)/3.財産権の確立(North-Thomas)/4.法の支配(Hayek)/5.科学と技術の融合(Mokyr)」「(不可欠な資本主義のコア)神の前で孤独な個人というキリスト教的な自己意識」
  • いい加減さの最適化 - 池田信夫 blog

    今月の『月刊ASCII』に書いた原稿について、磯崎さんからコメントをもらった。彼の批判は、要するに「日のVCは、質量ともにそんなに悪くない」ということだ。資金量がベンチャー企業1社あたりだと日のほうがむしろ多いというのは、そうかもしれない。VCと銀行を一緒くたにした私の書き方にも問題があった。しかし彼はもっぱら「貸す側」から見ているので、「借りる側」からみると、かなり違う姿が見えてくる。 私も複数のベンチャーの設立にかかわったが、日のVCの敷居はかなり高い。収益の見通しがいい加減だと貸してくれないので、自己資金は縁故で集め、残りは地銀や信金やその系列のノンバンクで、というパターンが多い。この場合、貸してくれるかどうかの第1の基準は社会的信用で、第2に担保だ。担保というのは不動産に限らず、大企業がバックアップしているといった資金源で、最悪の場合は個人保証になる。しかし融資は定期的に返

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    castle 2008/06/28
    「シリコンバレーのベンチャーは他人の金でやるギャンブルであり、失敗しても会社を解散したら終わり」「ただイタリアのように極端にいい加減だと、逆に投資が回収できないので、いい加減さの最適化が必要」
  • ジョブズの頭の中 - 池田信夫 blog

    一時は「グーグル」が流行したが、最近は「アップル」があふれている。しかし私の読んだ限りでは、"iCon"が読み物としておもしろかったぐらいだ。特に日人の書いたものは、ウェブの2次情報の切り貼りとジョブズ礼賛ばかりで、何の参考にもならない。 その中では、Wiredの編集者が書いた書は、ジョブズ自身へのインタビューを含めて、新しい情報がある。"iCon"など、これまでのアップルは内部抗争のゴタゴタ(確かにおもしろいのだが)ばかり書かれていて、肝心の経営戦略について書かれたものがほとんどないが、書は「スティーブの頭の中」をさぐることによって、その戦略を分析している。 ・・・といっても、常識的な意味での企業戦略とかマーケティングが解説されているわけではない。「アップルには戦略チームというものがないんだ。マーケティングリサーチの予算もない」と同社のエヴァンジェリストだったガイ・カワサ

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    castle 2008/05/28
    「ヒットをマーケティングの成果として説明するのは、ただの結果論だ」「ポラニー:科学の理論が帰納から生まれるのではなく科学者の直観から生まれる」「イノベーションを生むのも統計や分析ではなくcoolな才能」
  • 知財創出 - 池田信夫 blog

    経済学の分野で、いわゆる知的財産権を研究している研究者は少ないが、著者はその一人である。書の原著は4年前に出たもので、この分野のスタンダードといってもよい。中心は特許で、アメリカの混乱した特許制度の改革が重要なテーマだ。この点については米政府も最近、審査の厳格化や先願主義への転換で「パテント・トロール」を駆除するなどの方針を決めた。 書の重要な指摘は、財産権モデルは創作を促進する唯一の手段ではないということだ。歴史的には、重要な発明に国王が賞金を出すしくみのほうが古く、多くの文明圏で採用されてきた。現代でも、Kremerの提案のようにそういうシステムは可能であり、実験も始まっている。また科学研究への政府助成は、賞金システムの一種だ。 かつて農業社会では、あらゆるものが生物をモデルにして理解されたように、工業社会ではすべてのものを工業製品=私有財産をモデルにして考える。これは認知コス

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    castle 2008/04/28
    「工業社会では全てのものを工業製品=私有財産をモデルにして考える。認知コストを節約する上では合理的だが、情報という財産モデルに合わないものを工業社会の枠組みに押し込もうとするバイアスが問題を引き起こし