YouTubeがブームを牽引 まず最初の疑問は「なぜ今、日本の過去作が再注目されたのか」である。その大きな要因となっているのは、やはりインターネットだ。おもにYoutubeをはじめ、米最大級の音楽データベース「Discogs」などが、日本産音楽の情報源として機能している。また、2010年頃にネット上で広まったブーム「Vaporwave(ヴェイパーウェイヴ)」(注1)で日本のシティポップが数多くサンプリングされたことも過去作の発見に一役買ったようだ。 注1:2010年代前後、ネット界隈で生まれたカウンターカルチャー的ムーブメント。昔の音楽、ゲーム、商業コマーシャルなど、リアルタイムを知らない若者にとっては新鮮でローファイなコンテンツを使い、再アレンジされた音楽ジャンル。80年代の大量消費時代を皮肉っているともいわれ、その後アート方面にも広がりを見せた。 新世代アーティストたちの影響も 多くの