F-35に対する批判的な意見をよく見かけるが、その多くは「スピードが出ない」「機動性が良くない」といった、一言で言えば「ヴィークルとしての良し悪し」を問うものである。なるほど、最高速度も加速力も旋回性能も基本的な水準は満たしているが、図抜けてすごい戦闘機とは言えないのかもしれない。 しかし、F-35の本質は別のところにある。この機体はステルス化によって被探知性を下げた上で、優れた「眼」と「耳」を持っている。 F-35の神経線となるCNIシステム CNIとは通信(Communications)、航法(Navigation)、識別(Identification)の頭文字を取ったもので、CiiNiiとは何の関係もない。F-35のCNIシステムは、ノースロップ・グラマン社が手掛けている。 一見したところ、この3種類はまるで無関係の機能に見える。しかし、通信は無線の送受信を行うものであり、航法でも電
