コメント欄が「打ち止め」に到達した某所には、後半になるとホロコースト否定論で有名な「命令書の不在」論法*1が出てきたことはすでにご報告したとおり。南京攻略戦の展開についてある程度の知識があれば「命令書」なんてはなしにはそもそもなりようがないわけだが、なにせ歴史教科書には詳しい記述がないものだから、「へぇ、そうなのか」と思ってしまう人が出てきてもおかしくはない。コメント欄で書き込んだことを転載・補足しておく。 まず当たり前のことだが、中支那方面軍の目的は「南京の攻略」であって「南京事件を起こすこと」ではなかったのだから、「南京事件の命令書」などというものはもともと存在するはずのないものだ。これを前提として「命令」という観点から南京事件を分析すると、この事件は「命令の不在」「命令違反」「命令(の実行)」とが絡みあって起こった事件だということができよう。 ※命令の不在 日本軍が「中国兵の捕虜を殺