日韓併合条約の発効から100年の節目の日を迎えた。韓国に過度に配慮した菅直人首相談話の効果もあって、現地の反日ムードは下火になっているというが、一時的にすぎない。謝罪すればするほど日韓関係は悪化してきた。国が違えば歴史認識は異なるという基本に立ち戻るしかない。 菅談話の検討を仙谷由人官房長官が明らかにしたのは、先月16日だ。その後、複数の民主党有力議員が訪韓し、青瓦台(大統領府)幹部らに「どのような首相談話を希望されるか」と尋ねる一方、韓国側もさまざまなルートで要望を提示してきた。 主な要望は、(1)併合は韓国人の「意に反して行われた」との言及がほしい(2)文化財返還も談話に入れてほしい−の2点だったとされる。菅内閣はこれを受け入れ、鳩山由紀夫前首相らの意見も盛り込んだという。 しかも、その中身を国民に知らせないばかりか、与党・民主党の政策調査会でも十分な議論を尽くさず、閣議決定を強行した