例えば「フォント」はそれに当たるのではないか。もちろん動作OSに合わせてデータとしての構造は変わるかもしれないが、タイプフェイス、いわゆる書体としてのデザインは、あと50年経っても残るものは多いだろう。 欧文の活字というのは、15世紀グーテンベルクによる活版印刷の発明に前後して、系統化されていったと考えられる。その一方で東洋では、11世紀の中国で活版印刷がすでに発明されていたという説がある。 いずれにしても、書体で古いものは、著作権が切れているというか、著作権なる概念が誕生する以前から存在するものであり、これは人類共有の財産であると言える。だがこれが「フォント」という形でソフトウェアになった場合、新しい著作物として著作権が発生する。 したがって我々はこの著作物を購入して利用することになるわけだ。フォントというのはただ存在するだけでは役に立たないので、それらを使って表示したり、あるいは作品を