昼食が終わった午後1時過ぎ、職場のトイレの洗面所で歯を磨くビジネスパーソンをよく見かける。虫歯や歯周病の予防とも思われるが、意外にも「口臭が気になるから」という人も多いようである。 口臭は、口から発生する悪臭のことで、敏感な人もいるが、他人に指摘されるまで気がつかない人も少なくない。他人に不快感を与えるほど異常なにおいは、虫歯、歯周病、口内炎など口腔内の病気によることが多い。 しかし、胃酸過多、慢性胃炎、胃潰瘍、食道がん、胃がんなどのほか、慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎、慢性咽頭炎などによっても口臭は起こり得る。また、他人には感じないのに、口臭があると思い込む心因性のものもある。こちらは特に、20歳代から40歳代の女性に多い。 口臭の原因となる病気がある場合には、それぞれの病気の専門の医師と相談して、治療を受けることが先決である。 漢方医学では、口臭は胃に熱があるため、あるいは胃腸が“虚し