車のスピードが速くて確認しずらいが、駐車場の誘導員が踊っているのだ。 何で? 以前からずっと気にかかっていたので、踊る誘導員のいるパチンコ店「吉兆東名川崎店」に問い合わせてみた。 (text by 住 正徳) ーー「そちらの駐車場で踊ってる人がいると思うんですけど」 吉兆「ええ。踊ってますね」 ーー「いつも踊ってるんでしょうか?」 吉兆「ええ。毎日踊ってます」 ーー「何でですか?」 吉兆「詳しい事は警備会社の方に問い合わせてください」 駐車場の警備は別会社に委託しているという。踊っているのは吉兆の店員さんではないのだ。 警備会社の担当者をご紹介いただき、実際に現場で踊りを見ながらお話を伺った。対応してくれたのは、株式会社エスピーユニオン・ジャパン、営業本部の村山さんだ。
3日目に、ICUから一般病棟に移された。重傷であることもあって、ナースステーションに近い、モニターカメラが付いた個室が私の病室となった。この部屋が、私にとって、自らの再生をかけた当面の「戦場」となる。 そしてこの頃から、私が事故車両に遺してきた遺留品探しも本格化した。私の勤めている会社の人たちが、JR尼崎駅近くの引き取り会場と、病院との間を奔走してくれて、いくつかのものが戻ってきた。 まず帰ってきたのが鞄であった。家族が買ってくれたばかりの、まだ真新しかった黒い鞄は、外側だけでなく、中まで血だらけで、すでにカビが生えていたとのことであった。そんな状態であったから、中身だけ抜いて、すぐ家族が廃棄し、私は鞄そのものは見ていない。 だだ驚くべきことに、鞄の角には、なんと「肉片」がついたままであったという。これでは、事故に直接あっていない人までもが、PTSDにかかってしまう。これくらいJRも考慮し
すでに救急車が待ち構えていた。救急車の乗るのは生まれて2回目だ。その後部ドアが閉まった瞬間、車内の救急隊員に、相変わらず涙ながらに叫んでいた。 「現場でのレスキュー隊員たちに、ありがとうと礼を言ってください」 「わかりました」 この救急車に同乗している救急隊員からすれば、僕を助けてくれたレスキュー隊員たちが、どこの誰だか知る由もないはずであるから、そんな伝言が果たせないのは頭では判っている。それでも、相変わらず感謝の言葉を発せずにはいられない自分がいた。 車が動き出す。しかし、それにしても乗り心地が悪い。後輪のばねが、跳ねているように感じる。自分の体は、しっかり固定されているために、ストレッチャーから転げ落ちるようなことはないのに、いつの間にか体に力が入っている。この救急車が旧型で、サスペンションが、商用バンのような板バネなのだろうか。もしも私が金持ちならば、もっとサスペンションのいい救急
やがて、男性が車内に入ってきた。医師だ! 彼は、僕とほかの3人の男性の脈や瞳孔を、丁寧に調べはじめた。そして、ひととおり調べ終わると、レスキュー隊に対し、僕を最優先に救出すべしとの助言を行った。あとで知ったことであるが、これはトリアージといって、今回のように多数の傷病者が発生した場合に、傷病の緊急度や程度に応じ、治療や搬送の優先順位を決めるという、災害医療における重要行為である。トリアージは人の命に直接かかわるので、慎重になるのは私にもわかる。 しかしこの判断は当然だ。ほかの男の人はすでに亡くなっているし、レスキューの方々は、ここ何時間かは僕を救出するためだけに、一生懸命作業をしてくれているのだから、と思った。と同時に、医師がもし私を最優先に、と言ってくれなかったらどうしようと、不安になったことも確かだ。このとき、酸素マスクもつけてもらったような気がする。 この医師がいったん引き下がった後
なんとなく目が覚めた。というより、目が開いたといった感じであろうか。あれから、どのくらいの時間が経ったのかはわからない。車内は、薄暗いせいなのか、それとも埃が漂っているのか、なんとなくもやっとしている。 目の前は、世界から色が抜けてしまったような、彩度の低い瓦礫の光景が広がっている。やはり進行していた方向からみると、私は後ろのほうを向いているらしく、視線の先には少しばかりの空間があるのがわかる。そして、上下の感覚がどうも変だ。そう、目に見えている世界自体が横倒しになっているのだ。 しかし、異様に静かであった。いや、もしかしたら音はしていたのに、その記憶がないだけかもしれない。 そして、もやっているのは、目の前に広がる光景や音だけでなかった。自分の意識もである。あまりにぐちゃぐちゃな、これまで見たことのない光景に、なんだか現実でないように感じる。 もしかしたら、昨日までの疲労のために居眠りを
昨年11月、このページを書籍化した本が発売されました。 「福知山線5418M 一両目の真実」(エクスナレッジ刊、1,470円 ISBN-13: 978-4767805962 ASIN: 4767805961)です。 このHPに掲載している文章をもとに、加筆・修正しています。 (著者印税は交通遺児のために全額寄付させていただいております)
スイスが永世中立国なのはわりと有名な話です。しかしスイスが軍隊を持っていることはご存知でしょうか?スイスは「軍事力の放棄」ではなく、「軍事力を保つ」ことによってその独立と平和を守っているのです。しかもそれだけではありません。常に独立と平和を守れるように、ここで紹介する「民間防衛」を、スイス政府自らが編集し、全スイス国民に配布していたのです。 この本の範囲は、戦時中の避難方法から、占領された後のレジスタンス活動方法まで非常に多岐に渡ります。しかし、このサイトではその一部「戦争のもう一つの様相(P225~P272)」を重点的に取り上げてます。なぜなら、最近の日本と周辺国(中国、韓国、北朝鮮)の状況が、この本に記述されている「敵に武力以外による攻撃を受け、破滅へと導かれる状態」と非常に良く似ているためです。私は日本の独立と平和に脅威を感じたため、この本の内容を広く読んでもらえるよう、このサイトに
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