殺人罪等についての公訴時効の廃止に反対する: 法と常識の狭間で考えよう

公訴時効については、2004年4月19日から7月30日までに法制審議会刑事法（凶悪・重大犯罪）部会が開かれて審議され、死刑に当たる罪についての公訴時効を、それまでの15年から25年に延長するなどの改正案が諮問され、同年秋の臨時国会で刑事訴訟法改正案（刑訴法250条の改正）が可決・成立し、2005年1月1日以降に発生する犯罪について新たな公訴時効が適用されている。 ところが、それからまだ数年しか経過していないにもかかわらず、昨年の秋以降、被害者遺族の中から公訴時効の撤廃を求める運動が起こり、2009年2月28日には、国内外の16事件の遺族20人が参加して、「宙（そら）の会」を結成し、時効制度の撤廃・停止の実現などを求める運動を開始し、マスコミでも大きく取り上げられた。 法務省は、2009年1月から、「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方に関する省内勉強会」を開催し、同年3月末に中間とりまとめを行

[world3]

５０年前のアリバイをある日突然求められても困るよね、という話。たしかにそういう側面はあるでしょうね。

[ken-kataoka]

時効をどうするかは難しい問題。ただ、このブログ主の言われていることは、「時効よ、とまれ」と言っている毎日新聞の記事と比べると、はるかに含蓄があるように思える。

[moronbee]

勉強になった。

[udy]

"公訴時効制度は、被疑者の防御権を保障する制度"　この視点全くなかった。勉強になりました。

[ROYGB]

この考え方だと現在の時効でも、５年前とか１０年前のアリバイ証明などは難しいので冤罪を産む危険性があるとなりそう。また、時効の停止の制度についても同様だが、それらについてはどうなんだろう。

[Guro]

おおそうか。捜査リソースの適正配分、だけではないのだな。経年により容疑者が犯人でないという証拠も薄れるのだったか。私も反対する。

[zu2]

良エントリ。なるほど。

[junun]

公訴時効の概念。不勉強だったな、反省

[I11]

自分だけは捜査対象にならないという前提を持つ時効廃止論者の主張に違和感。

[B-eyes-13]

資料の扱いとかどうなんだろ日本の役所だし

[ryokusai]

一定年数経過した以降の証言は証拠として採用しない等の措置があれば公訴時効の撤廃には反対しない。単に時効制度が複雑化するだけとは思ふが。

[suzu_hiro_8823]

『最初から「犯人」と決めつけた上で、「逃げ得」を許さないということから被疑者側の利益や立場を一切考慮しなくても良いという論理は極端であり、破綻していると言わざるを得ない』

[arrack]

ID:uni-donさん　まず前提として「被疑者＝犯人」じゃないので。全力で擁護するのは当然のことです。単純な話30年前の事件で自分が疑われたときどれだけ反論できるか想起してみるといいです（アリバイとか）

[bogus-simotukare]

後でいろいろとよく考えたい／なお、この件で不思議なのは多くの人間が「刑事時効」延長・廃止ばかり騒いで「民事時効」がスルーなこと。おかしくね？（被害者がかわいそうって言うんなら民事は？）

[false_alarm]

被疑者である点がポイント。起訴された人＝犯人ではない。

[zyugem]

「被疑者の防御権」まったくだ。時効廃止の議論を見ていると，国家も被疑者も刑事訴訟では対等な当事者同士だって事を忘れた議論になってるよね。

[mahigu]

結論は賛成ですが理由付けは被疑者の擁護に傾きすぎて反対。廃止反対の理由は，公訴時効延長が捜査機関の能力を未解決事件に割いてしまい，結局新規事件の解決能力が落ちるように思われるので。