CNET Japan Blog - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点：新聞が背負う「われわれ」はいったい誰なのか

新聞の＜われわれ＞とはいったい誰か ジャーナリストの玉木明氏は、オウム真理教事件の直後に刊行された「ニュース報道の言語論」という本で、新聞記事の主語は、実は文面にはいっさい出てこない「われわれ」であると書いている。たとえば、次のような記事の文例を見てみよう。「強引とも言える捜査は、小さな山村の集落の住民を相互不信に陥らせ、人のつながりを壊した。警察への憤りも広がっている」（二月二十三日、鹿児島県議選買収無罪判決の記事から）。この記事で警察に憤っているのは、誰なのか。ここで憤っているのは、実は書いた記者個人という「わたし」なのだが、しかし記事の文脈では「私が憤った」とは書かれていない。あくまでも社会全体の「われわれ」であるというスタンスを取って書かれているのだ。玉木氏は前掲の書籍で、以下のように書いている。 ある特定の観点を＜われわれ＞の観点とみなすこと、特定の主張を＜われわれ＞の名において

[webmarksjp]

web

[mlhshino]

日本社会の変化により、共通の「われわれ」はいなくなった。激しく納得。もはや新聞やテレビといったメディアに社会の総意は存在しない。

[shike]

佐々木さん良い動きだと思う。だけど、読んでいて気持ちは重くなる一方だ。新聞紙面における「わたし」「われわれ」の分離は可能なのだろうか。

[kagawa3]

いまや社会には無数の＜われわれ＞が存在する

[s_shisui]

よい記事。

[as365n2]

読む…つもりが読めなかった。

[mind]

――「国民」の発散。クラスター化。「我々」という言葉を使わなくても、客観的ジャーナリズムは可能。 ／しかし政治は不可能。 cf. GB軍を「我が軍」と指示しないBBC

[hatayasan]

「いまや＜われわれ＞の統一性は社会から失われてしまっていて、どこにも存在しない＜われわれ＞を主語にして記事を書くこと自体が、不可能になってきている」

[shibudqn]

前回と併せて読むと強烈。

[bunoum]

「いまや＜われわれ＞の統一性は社会から失われてしまっていて、どこにも存在しない＜われわれ＞を主語にして記事を書くこと自体が、不可能になってきている。」

[unqualifiedman]

一連の問題の根っこの部分を指摘している

[nicht-sein]

”これからますます人々の立ち位置は分断され、クラスター化し、言論そのものもマイクロコンテンツ化していく"同意。だから、メディア（blogを含め）は中立性なんて諦めて立場をはっきりさせる方向に向かう、といいな

[walkinglint]

> いまや＜われわれ＞の統一性は社会から失われてしまっていて、どこにも存在しない＜われわれ＞を主語にして記事を書くこと自体が、不可能になってきている

[minus774]

毎日のwebバッシングへの違和感の根底にあったのはここらへんだな

[JuliusCaesar]

かつては「分断」がなかったのではなく、隠蔽されていたのだと思う。それと向き合うことがこれからのメディアには必要だ。

[hasenka]

分断化した社会。マスコミも分断化するしかない。一般紙の売り上げ減少。新聞の世界も大変だな

[ken_wood]

>社会は分断していて、双方の意見をともにすくい上げ、双方が納得するような記事を書くのは非常に難しくなった。分断は、単なる意見の対立ではなく、意見が拠って立つ基盤そのものが異なってしまっている。

[coldcup]

"どこにも存在しない＜われわれ＞を主語にして記事を書くこと自体が、不可能になってきている""

[zhenyan]

秀逸な記事

[soramameRRZ]

「取材班に決定的に欠如しているのは、その相対性に対する認識なのだ。」「「釣り」ではないか＊社の幹部や一線記者が真剣に取材して、あのレベル」「そもそもリアルって何？＊我々のリアルな嘘も、そろそろ限界」

[morutan]

一部マスコミの浮世離れって話。前に読売関連でもあったな。あのときは若手と年寄りは違うって話だったけど、今回もそんな感じ（世代論？）。関連：弱者の視点との隔たり　http://162.teacup.com/sinopy/bbs?M=ORM&CID=583&BD=2&CH=5

[chohsuke]

メディア　「われわれ」とは誰か　わかりやすい形でマニピュレートされる大衆の消失、と同時に巧妙になってくる戦略　ネットワーク化

[kfiss]

net

[Bobby2001]

毎日に悪意はない。しかしだからこそ性質が悪いし成長しない。この佐々木さんのような取材がマスコミを啓蒙することを期待したい。

[hagakurekakugo]

今起きているのは、ネットvs新聞と言った単純な二項対立でかたずけられるものでは無い。優れた分析。

[takuno]

「弱者のふりをした新聞」になってしまう。

[ttpooh]

マスコミ再構築のプロセス。ようやくポストモダンの波？／内部からの「ネット君臨の社内評価が高い」というのが救いがたい。というか"幹部や一線"にやらせてる時点で空気読めてない。／マスコミによる情報格差生産。

[coutre]

「寛容」の度合いと「他者」受容の幅。新聞を大きな「他者」と捉えつつ、相違点を探す。ネット、新聞のニ項対立では何も解決しないような。

[k-takahashi]

　「ネット君臨」の記事は毎日社内では評価が高いらしい。そのことが最大の問題かもしれない。

[marimofire]

主語が「われわれ」となっている文は、新聞に限らず多い。そういう文を見るたびに、「われわれ」に僕が入っていないことで悲しくなる。