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人はなぜ、死が身近に迫ったときでもなお、目の前の些事に目がいってしまうのだろうか? 蓋をしてきた問... 人はなぜ、死が身近に迫ったときでもなお、目の前の些事に目がいってしまうのだろうか? 蓋をしてきた問題が噴出する 2008年に順天堂大学医学部附属順天堂医院で「がん哲学外来」を開設して以来、私は3000人以上の患者さんやそのご家族と面談してきました。外来といっても料金は無料で、がんにまつわるさまざまな悩みの解消を目的にしています。ここでは、「がんを治す」というような悩みの「解決」はできませんが、本音を吐き出してじっくり自分と向き合うことで、後悔や悩みに心を囚われないよう「解消」していくのです。 今まさにがん治療の最中である、手術は成功したものの再発の恐れがある、助かる見込みがない……など、面談に来る方の立場はさまざまですが、彼らの心は大きくわけて3つの悩みに支配されています。一つは家族との人間関係、もう一つが職場の人間関係や仕事、生きがいに関すること、そして病気そのものです。 こう見ればわか

