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ミステリマガジン 2004年9月号 桐野夏生インタビュー後半部
とある記事のはてなブックマークでその存在を知って、中身が知りたくなったのでミステリマガジンのバッ... とある記事のはてなブックマークでその存在を知って、中身が知りたくなったのでミステリマガジンのバックナンバーを借りてきたよ。 そしてその内容が個人的にグッと来るものだったから、メモ代わりに後半部だけをここに書き出してみるよ。 『OUT』という名の運命 桐野夏生 九六年二月、私は、青山ベルコモンズのカフェで言葉を失っていた。狭いテーブルの上に広げられたのは、探偵ミロを主人公にした旧『柔らかな頬』第二稿。付箋が挟まれ、赤字が入っている。対しているのは、新担当編集者だった。彼は、「うまく直っていない」と告げて沈黙した。第一稿が上がった時点で、様々な注文を付けたのは彼だった。複雑過ぎるからもっと単純に、対立を明確に、タイトルを変えろ、等々。エンターテインメント小説の王道を説かれ、何とか努力して改稿した結果がこれなのだ。 私は、紅茶の染みが飛んだ原稿を書類袋に仕舞い、「わかりました。これは捨てます」と
2010/10/03 リンク