太宰治の症状伝える井伏鱒二の書簡発見 「人間失格」原体験が詳しく | 毎日新聞

文豪の井伏鱒二（1898～1993年）が、パビナール（鎮痛剤）中毒で入院していた弟子の太宰治（1909～48年）の症状を記した書簡が見つかった。「だまされて入院させられた」などと被害妄想がある様子を、井伏の師だった佐藤春夫（1892～1964年）に伝えている。このとき太宰は芥川賞を3度逃した直後。1カ月に及ぶ精神科病棟への入院体験は自己否定を強めるきっかけになり、晩年の代表作「人間失格」のモチーフとなったとされる。専門家は「『人間失格』の原型となった出来事の背景が、リアルタイムでわかる重要な資料だ」と指摘する。

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“今回見つかった書簡は30日に神奈川近代文学館（横浜市）で開幕する「没後30年 井伏鱒二展」で公開される”

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“「だまされて入院させられた」などと被害妄想がある様子を、井伏の師だった佐藤春夫（1892～1964年）に伝えている。このとき太宰は芥川賞を3度逃した直後。”

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うわー！　見たい！

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『河野氏は「井伏らの好意を裏切りとして受け取っている。人間失格は主人公が『人間として見捨てられた』という被害者意識にとりつかれていくが、その原体験となった心情がよく分かる書簡だ」と指摘する』

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太宰にとっての当時の行動は自分含む人間の見苦しさへの抵抗だったと何処かで読んだ記憶が……。それが友人知人からは意味なき狂人の戯言だと見做されていたというのは、心底裏切りであり屈辱であったのだろう。

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井伏やさしい。

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神奈川近代文学館の「没後30年　井伏鱒二展」で展示予定の手紙

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このとき太宰は芥川賞を3度逃した直後。1カ月に及ぶ精神科病棟への入院体験は自己否定を強めるきっかけになり、晩年の代表作「人間失格」のモチーフとなったとされる。