ウラえもん ろひ太のケミカル西遊記14「悪杉の狙い」｜草下シンヤ

もはや悪杉の独擅場だった。 彼は淡々とした口調で自らの仮説を語った。ジャＥアンも暴力に任せてそれを止めることはできなかった。すでにこの場にいる全員は「謎」という罠に囚われていたのである。 なぜ、悪杉がここにいるのか、そしてこれからなにをしようとしているのか。 それが判明するまではどんな行動にも出ることができなかった。 悪杉が超次元ポケットの存在を意識したのは、ジャＥ子から「ウラえもんがインドにいる」という話を聞いたときだという。それまでは悪杉もウラえもんが本当に超次元ポケットをなくしたと思っていた。 しかし、ジャＥ子から話を聞いて、「ウラえもんがインドにいるはずがない」と直感した。 「ちょっと考えてみれば分かることだよ。ウラえもんには戸籍がない。つまりパスポートを作ることはできないんだ。となれば海外旅行に出られるはずがないだろう。仮にパスポート、ビザ、航空券が用意できたとしよう。 そこでも