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人買いの「正義」 さて、そう考えると、「自然居士」で人買い商人たちが主張した「人を買い取ったら、ふ... 人買いの「正義」 さて、そう考えると、「自然居士」で人買い商人たちが主張した「人を買い取ったら、ふたたび返さない」という「大法」も、あながち不当な言い分とはいえなそうである。 さきの延応元年の鎌倉幕府法の前段では、飢饉下では特例として人身売買を公認したと述べていたが、その後段では、「しかし、その後になって、身売りした者を飢饉のときの安い物価で買い戻そうというのは、虫の良すぎる話である」という文章が続いている。これは、人買いたちのいう「人を買い取ったら、ふたたび返さない」という主張によく似ている。 日本を揺るがした未曾有の大飢饉が収束して8年、当時、破格の値段でわが子を手放した親たちが自身の生活を立て直し、あのときに手放したわが子を買い戻そうという動きが全国で現れていた。問題は、その際の値段交渉である。 飢饉下では貧乏人の足元をみて二束三文に買い叩いておきながら、飢饉が収まったら、常識的な相
2021/07/06 リンク