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「女性問題」という言葉がある。この言葉は女性に対する差別や抑圧などの問題を指して使われることが多... 「女性問題」という言葉がある。この言葉は女性に対する差別や抑圧などの問題を指して使われることが多いが、実は核心を避けている。というのも、世間で「女性問題」と言われているものは、実はこれまでの歴史において男性が女性をどう考え、どう扱ってきたかということに起因するものなので、実質は「男性問題」と言ったほうがいいようなものだからだ。問題の根底にあるのは男性の女性観である。 『女性差別はどう作られてきたか』は、これまでの歴史において男性が女性をどう考えてきたかに焦点をあてており、まさに男性問題としての女性差別についての著作である。その点では、これはフェミニズムの本だとは言えるが、フェミニズムの歴史についての本ではない。本書の「はじめに」でも述べられているように、「フェミニズムは、主として女性には否定されてきた社会における活動を希求」(p. 16)するものだが、一方で家父長制というのはごく最近まで、
2021/03/05 リンク