「『鉛箱』による被ばく隠しは氷山の一角だ」。東京電力福島第1原子力発電所事故の緊急作業などに携わった元原発作業員が、はき捨てるように口にしました。作業現場での放射線被ばく線量を低くみせるために、下請け企業役員が指示した線量計を鉛箱で覆うという事件など、相次いで発覚する“被ばく線量隠しの闇”を追いました。 (山本眞直) 「自分の判断で被ばく線量隠しをやってきた」。東電福島第1原発事故の直後から同原発で緊急作業についていた伊藤隆さん(仮名、30代)は福島県内のカフェで、「被ばく隠しの日々」を告白しました。 一枚の記録があります。伊藤さんの緊急作業での被ばく記録です。作業日の合間に「休」の文字が目立ちます。高い被ばく線量が続き、線量を増やさないためのいわば作業の間引きです。 限度ギリギリ 緊急作業は、線量の高い現場が多く容赦ない被ばくの連続でした。開始早々から高線量に汚染された第1原発3号機の建
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