(英エコノミスト誌 2010年3月20日号) ビジネスの世界では、個人的な敵意は良くも悪くも強力な力となる。 第3次世界大戦が予想だにしなかった場所で勃発したようだ。シリコンバレーである。アップルとグーグルはかつて極めて親密で、グーグルCEO(最高経営責任者)のエリック・シュミット氏が両社は合併して「アップルグー」に社名変更すべきだ、とジョークを飛ばすほどだった。 しかし今、両社はアプリケーションから企業買収に至るまで、あらゆるところで対立している。そして、シュミット氏とアップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏は、これを個人的な戦いと受け止めている。 実際、個人的な感情が過ぎて、ハイテク業界の面々は最上級の表現にも事欠くほどだ。 米ニューヨーク・タイムズ紙は、あっけに取られるような幾多のコメントを紹介している。曰く、会合は「白熱」し、「対決的」だった。ライバル意識は「熾烈」だ。シュミット、ジ