組織ぐるみで不正な会計操作をしていた実態が明るみに出て、歴代社長3人が辞任する事態に至った東芝の会計問題──。 日本を代表する“名門企業”で発覚した不祥事からどのような教訓を導き出し、同様の不祥事の防止につなげるべきなのか。危機管理の専門家で、企業不祥事研究の第一人者である樋口晴彦・警察大学校警察政策研究センター教授に聞いた。同教授のインタビューを2回にわたって紹介する。 (聞き手は中野目 純一) 今回の東芝の会計不祥事の内容についてどう見ていらっしゃいますか。 樋口:個別の手口を分析すると、はっきり申し上げて、よく聞く話ばかりです。ですから、東芝だけがやっているのではなくて、程度の差こそあっても、こうしたことをやっている会社はざらにあります。東芝は(売上高の)規模が大きいために金額が大きくなりましたけれど、売上高に占める比率から見ると、東芝並みの比率で不正をしている企業も、それほど少なく
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