400年ほどの前の日本で作られた南蛮漆器の1つで、聖書を読むための「書見台」がこのほど、ポルトガルで見つかりました。十字架などの装飾を剥ぎ取ったと見られる跡があり、キリスト教の弾圧を恐れた当時の人たちの心情がうかがえる貴重な資料として注目されています。 ポルトガルで見つかったこの書見台は全体が黒の漆で塗られていて、中心には松の木が描かれ、周囲は貝殻のらでん細工がちりばめられています。 調査した東京文化財研究所の小林公治特任研究員によりますと、この書見台は聖書を読むときに使うもので、そのデザインから江戸時代初期にポルトガル人やスペイン人が日本の職人に作らせ、海を渡った南蛮漆器の1つと見られています。 ただ、これには、これまで確認された書見台のほぼすべてにある十字架やイエス・キリストを示す「IHS」の文字など、キリスト教を示すデザインがないということです。 このため、小林さんらがX線で撮影した