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ブックマーク / www.igaku-shoin.co.jp (93)

  • 心のケアと「わかること」――雨の日の心理学(東畑開人) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    かつて小さな女子大で心理学を教えていた。1年目の授業は大惨敗。教科書通りにフロイトだのロジャースだのパブロフだのと話していたら,学生たちが次々と眠りに落ちていったのだ。言葉がブラックホールに吸い込まれていくみたいで,孤独だった。教師はつらいよ。 でも,わかる気もした。心理士になるとは限らず,養護教諭や看護師,あるいは一般就職も含めてさまざまな進路を考えている1年生たちに対して,「なぜ心理学を学ぶ必要があるのか」「心理学はなんの役に立つのか」をうまく伝えられていなかったからだ。それなのに,硬い知識だけを浴びせられても,そりゃつまらない。私だって寝てしまう。 だから,2年目の最初の授業は次のような話から始めた。それは水曜日の眠たい一限で,確か大雨が降っていた朝だった。 「おはようございます。ひどい雨ですね。僕は下もビチャビチャで,最悪です。皆さんもそうじゃないですか。こういう朝,家族や友

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  • 逆輸出された漢字医学用語 | 連載一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    連載 逆輸出された漢字医学用語 漢字好きな神経内科医が,中国に逆輸出された漢字医学用語の語源を探ります。 福武 敏夫(ふくたけ・としお)氏 亀田メディカルセンター脳神経内科部長 東大理学部数学科中退。医学系予備校講師を経て,1981年千葉大医学部卒。同大大学院医学研究院神経病態学助教授を経て,2003年から現職。日漢字学会正会員。『神経症状の診かた・考えかた――General Neurologyのすすめ(第3版)』『標準的神経治療 しびれ感』(共に医学書院)など著書,編書多数。

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  • 心の不調に対する「アニメ療法」の可能性(1)何をもって病気とするのか?――文化精神医学を知る(パント―・フランチェスコ) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    HOME医学界新聞記事一覧2023年心の不調に対する「アニメ療法」の可能性(1)何をもって病気とするのか?――文化精神医学を知る(パント―・フランチェスコ) 皆さんはじめまして。慶應義塾大学病院精神・神経科学教室のパントー・フランチェスコと申します。私はイタリアで生まれ育ちましたが,日で精神科医として働くために来日しました。 メンタルケアにおける文化の相対的影響を調べることも,来日した目的の一つです。病気あるいは病的な現象は,文化とどうかかわりを持つのでしょうか。内科疾患同様,精神疾患の発症率は国によって異なることもあります。精神医学の領域において,引きこもり(Hikikomori phenomenon)や対人恐怖症(Taijin kyofusho)という社会的現象は日に特有であると言われています1)。ローマ字で表記されていることが物語るのは,これらの現象に初めて相対した海外の研究者が

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  • 看護のアジェンダ(223)デカルトの『方法序説』がよみがえる時(井部俊子) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    2023年6月24日,私は石川県かほく市の高台にある西田幾多郎記念哲学館に行った。2023年度哲学講座「デカルトによる〈修練〉の哲学①――方法の精神を涵養する」を聴講するためである。 東京から北陸新幹線で金沢に行き,乗り継いで七尾線宇野気うのけで降りる。人通りのほとんどない静かな街を約20分歩く。梅雨の晴れ間,初夏の涼風と軒先に咲くあじさいに迎えられる。高台にある哲学館をめざして,小さな林の中の「思索の道」を登る。うっすらと汗がにじむ。このコースの仕掛け人は,哲学館を設計した安藤忠雄氏である。この様子は,連載第172回に「哲学を学ぶ興奮」と題して書いた。4年経ってもその興奮は色あせていない。 市井の人たちと哲学する 今回の哲学はデカルト「方法序説」が中心であった。講師は津崎良典氏(筑波大学准教授)である。冒頭で浅見洋館長は,講師の略歴を紹介し,パリのパンテオン・ソルボンヌ大学で博士号を取

    看護のアジェンダ(223)デカルトの『方法序説』がよみがえる時(井部俊子) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
  • 新たな研究・論文出版体系の確立を(大隅典子,林和弘) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    「今後の研究・論文出版の在り方を考えた時,論文を発行している研究者コミュニティの問題としてとらえざるを得ず,OA化の議論は,学会をこれからどうしたいか,どう変えていくかとの命題に変わっていく」。こう発言したのは,長年オープンサイエンスやオープンアクセス(OA)化の推進に尽力してきた林和弘氏だ。学会の在り方をも変えてしまうほどに大きな影響力を持つようになった研究・論文出版を取り巻く問題は,今後どうなっていくのか。弊紙連載「オープンサイエンス時代の論文出版」(2023年5月~,全5回)の総まとめとして,連載を執筆した大隅典子氏と共に議論していく。 大隅 従来の研究・論文出版を取り巻く問題は,購読費の高騰による施設単位で購読可能なジャーナル数の減少が引き起こすインプット面での問題が中心でした。しかし現在,これらの問題に加えて論文掲載料(APC)の高騰に伴った論文出版というアウトプットの部分にまで

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  • 摘便とお花見 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

    書が第10回(平成25年度)日学術振興会賞受賞! 《村上靖彦氏の研究は、医療実践や臨床現場を、現象学の立場から哲学的に分析することを通じ、従来の倫理や死生観や認識論を根から見直そうとするものである。……フィールドワークに基づく研究ではあるが、それを、レヴィナス、フッサール、ハイデッガー、メルロ=ポンティといった現代哲学者についての地道で透徹した哲学的研究にリンクさせ、実践現場の具体的事象を、緻密で深い理論的洞察へ昇華させた、じつに意欲的で独創的な成果である。》――受賞理由(抜粋) ●『シリーズ ケアをひらく』が第73回毎日出版文化賞(企画部門)受賞! 第73回毎日出版文化賞(主催:毎日新聞社)が2019年11月3日に発表となり、『シリーズ ケアをひらく』が「企画部門」に選出されました。同賞は1947年に創設され、毎年優れた著作物や出版活動を顕彰するもので、「文学・芸術部門」「人文・

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  • 重病を体験した医師が語る患者のリアルな心(松永正訓,石井洋介) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    対談・座談会 松永 正訓,石井 洋介 2022.05.09 週刊医学界新聞(通常号):第3468号より 患者さんの苦しみを知る医師は何を感じ,そして何を伝えるのか。膀胱がんになった小児がん外科医の松永正訓氏が,自身の闘病をつづった『ぼくとがんの7年』(医学書院)をこのたび上梓した。そこで紙では,15歳で潰瘍性大腸炎を発症したのをきっかけに医師を志し,臨床医の傍らがん早期発見のためのスマホゲーム「うんコレ」の開発や日うんこ学会を設立するなど異色の経歴を持つ石井洋介氏との対談を企画。異なる患者体験を経た2人に,死の恐怖や痛み,そして患者への向き合い方の変化について語ってもらった。 松永 石井先生,初めまして。先生の多才でユニークな経歴に興味を持っていて,お話を伺えるのを楽しみにしていました。 石井 ありがとうございます。私も『ぼくとがんの7年』を読み,自身の成長を今一度見直すきっかけになり

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  • 文献渉猟いとをかし | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    対談・座談会 清田 雅智,陶山 恭博 2021.08.02 週刊医学界新聞(通常号):第3431号より 歴史とは現在と過去との対話である――(E.H. カー『歴史とは何か』岩波新書,1962年)。 確立された医学知識の背景には,先人の知見と新規性を証明する精緻な作業の積み重ねがある。未解明の事象に挑んだ偉人たちの英知は,身体所見や症状の発見者の名前にちなむエポニム(Eponym)として,現代を生きる私たちの間にも息づいている。 文献から歴史を解き明かす手法は臨床疑問の解決や自己研鑽にどう生きるのか。臨床医の清田雅智氏と陶山恭博氏の2人が,文献学(Philology,註1)にヒントを得た医学文献の探索手法と,その醍醐味を語る。 目当ての文献を探して文字を追い,求めた記述が視界に飛び込めば,誰しもきっと胸が高鳴るはずだ。さあ,文献の向こうに立つレジェンドたちとの“対話”を始めよう! 陶山 初期

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  • この先生に会いたい!! かくて生まれり,「8割おじさん」 |週刊医学界新聞(第3383号 2020年08月10日)

     【シリーズ】 この先生に会いたい!! かくて生まれり,「8割おじさん」 西浦 博氏 (京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻 教授) に聞く <聞き手>村山 泰章さん (国際医療福祉大学医学部1年生) 南アジアの山岳地帯で,その青年は悩み続けた。志願して参加した国際保健活動で援助の在り方に疑問を感じ,行動を起こす。その後,一冊のとの出合いをきっかけに研究に没頭するようになる。やがて海外での武者修行を決意し,まるで旅人のように諸外国を渡り歩いた。帰国後は日における理論疫学の先駆者として活躍。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に際しては,厚労省クラスター対策班の支柱となる――。科学者としての信念を貫く「8割おじさん(80% uncle)」は,そんなふうにしてつくられた。 村山 医学生の立場で厚労省のクラスター対策班に参画して,西浦先生と2か月ほど一緒に仕事をさせてい

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  • MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内 | 2017年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

     Medical Library 書評・新刊案内 こころの病を診るということ 私の伝えたい精神科診療の基 青木 省三 著 《評 者》加藤 忠史(理化学研究所精神疾患動態研究チーム シニア・チームリーダー) 著者の診療に陪席したような味わいのある一冊 評者が研修医だった頃,精神科診療の基は『精神科診断面接のコツ』(神田橋條治,岩崎学術出版社)や『予診・初診・初期治療』(笠原嘉,診療新社),『精神療法の実際』(成田善弘編著,新興医学出版社)などので勉強した。その後,精神疾患啓発が進んで受診のハードルが低下したこと,事例化が早くなったこと,統合失調症の軽症化などの変化に加え,発達障害の考え方など精神医学自体も変化してきた。上記の名著が伝える精神科診療の基に変化はないが,現代の研修医が基を学ぶのに適したとは何だろうか。 まさにその答えがこのである。タイトルは系統的な原則論との印象だ

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  • 居るのはつらいよ | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

    書が大佛次郎論壇賞を受賞! 第19回大佛次郎論壇賞(主催:朝日新聞社)が2019年12月20日に発表となり、書が選出されました。同賞は2001年に創設され、日政治・経済・社会・文化・国際関係などをめぐる優れた論考を顕彰するものです。同賞の詳細情報はこちら(朝日新聞社ウェブサイトへ)。 ●書が紀伊國屋じんぶん大賞2020 第1位を受賞! 紀伊國屋じんぶん大賞2020(主催:紀伊國屋書店)が2019年12月26日に発表され、書が第1位に選ばれました。同賞は、読者の投票や出版社、書店員の推薦などによって、人文書のベスト30を選出するものです。同賞の詳細情報はこちら(紀伊国屋書店ウェブサイトへ)。 ●『シリーズ ケアをひらく』が第73回毎日出版文化賞(企画部門)受賞! 第73回毎日出版文化賞(主催:毎日新聞社)が2019年11月3日に発表となり、『シリーズ ケアをひらく』が「企画部門

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  • オープンアクセスの進展と査読のこれから(佐藤翔) | 2019年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

     【interview】 オープンアクセスの進展と査読のこれから 佐藤 翔氏(同志社大学免許資格課程センター准教授)に聞く 学術情報をインターネットから無料で入手でき,技術的・法的にできるだけ制約なくアクセスできるようにする「オープンアクセス(Open Access;OA)」が進展している。その一方で,適切な査読を行わずに不当に利益を得ようとするOA雑誌の存在が指摘されており,「ハゲタカジャーナル」として日のメディアでも報道されるようになってきた。 論文投稿あるいは文献検索などの機会が多い医療者にとって,OAは身近な話題となりつつあるだろう。OAは今後どのような形で進展するのか。その際に生じる課題にどう対応すべきか。図書館情報学を専門とし,OAの問題に詳しい佐藤翔氏に聞いた。 OAメガジャーナルの興隆と停滞 ――学術論文のOA化の進展状況から教えてください。 佐藤 OA運動が成立した契

    オープンアクセスの進展と査読のこれから(佐藤翔) | 2019年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
  • 医学書院/週刊医学界新聞(第3312号 2019年03月04日) 第3312号【interview】 オープンアクセスの進展と査読のこれから

     【interview】 オープンアクセスの進展と査読のこれから 佐藤 翔氏(同志社大学免許資格課程センター准教授)に聞く 学術情報をインターネットから無料で入手でき,技術的・法的にできるだけ制約なくアクセスできるようにする「オープンアクセス(Open Access;OA)」が進展している。その一方で,適切な査読を行わずに不当に利益を得ようとするOA雑誌の存在が指摘されており,「ハゲタカジャーナル」として日のメディアでも報道されるようになってきた。 論文投稿あるいは文献検索などの機会が多い医療者にとって,OAは身近な話題となりつつあるだろう。OAは今後どのような形で進展するのか。その際に生じる課題にどう対応すべきか。図書館情報学を専門とし,OAの問題に詳しい佐藤翔氏に聞いた。 OAメガジャーナルの興隆と停滞 ――学術論文のOA化の進展状況から教えてください。 佐藤 OA運動が成立した契

    医学書院/週刊医学界新聞(第3312号 2019年03月04日) 第3312号【interview】 オープンアクセスの進展と査読のこれから
  • シリーズ ケアをひらく | シリーズ商品 | 医学書院

    超人ナイチンゲール 定価 2,200円 (税込) 看護学生におすすめ 新人~若手看護師におすすめ 中堅~ベテラン看護師におすすめ 看護教員におすすめ 2023下半期発行書

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  • 介護するからだ | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

    書の副読サイトができました! 著者・細馬宏通氏によるサイト 介護するからだ副読[http://12kai.com/kaigo/]ができました。〈「はじめに」の前のまえがき〉のほか、書に収載できなかった文献リストや、オンラインで読める関連文書が掲載されています。 ●『シリーズ ケアをひらく』が第73回毎日出版文化賞(企画部門)受賞! 第73回毎日出版文化賞(主催:毎日新聞社)が2019年11月3日に発表となり、『シリーズ ケアをひらく』が「企画部門」に選出されました。同賞は1947年に創設され、毎年優れた著作物や出版活動を顕彰するもので、「文学・芸術部門」「人文・社会部門」「自然科学部門」「企画部門」の4部門ごとに選出されます。同賞の詳細情報はこちら(毎日新聞社ウェブサイトへ)。 『シリーズ ケアをひらく』パンフレット(3MB)はこちらから はじめに いくつかの認知症高齢者グループ

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  • 物語としてのケア | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

    I 第1章 言葉・物語・ケア 第2章 物語としての自己 第3章 物語としての病い II 第4章 外在化とオルタナティブ・ストーリー 第5章 「無知」のアプローチ 第6章 リフレクティング・チーム III 第7章 三つの方法 第8章 新しい専門性 第9章 ナラティヴ・コミュニティ IV 第10章 物語としてのケア 自分の拠って立つところを根底からくつがえされる 書評者:中木 高夫(日赤看護大教授) ナラティヴ・アプローチはおもしろい。いままでの自分の拠って立つところを根底からくつがえされた気分なのだが,それでもなお爽快な後味を残すからだ。これはいったい何なのか? 衝撃的な3つの実践例 ナラティヴ・アプローチを説明するために,書の中で3つのナラティヴ・セラピーの実践例が紹介されてている。 まず,ホワイトとエプストンの《外在化とオルタナティブ・ストーリー》。問題状況があるとしよう。その原因が自

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  • オープンダイアローグとは何か | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

    ●新聞で紹介されました。 《強い提案はモノローグ(独白)的なのに対し、弱い提案が使い手の希望や気付きを引き出し語らせる、その語りで設計者も気付き、さらに語りが設計物として立ち現れる。この積み重ねは、書のオープンダイアローグに近く、ものが生まれる現場として正しいのだろうなという気がします。》──乾久美子(建築家) (共同通信配信、河北新報「読書日和」2023年3月19日ほか) 《症状が他者と分かちあわれ人間全体の事象として受け止められたとき、患者のなかに安心感が芽生え、結果として症状が消える。その鍵が言葉にあるという考え方は大きな励ましだ。》――大竹昭子(作家) (『朝日新聞』2015年8月30日 書評欄・BOOK.asahi.comより) 《斎藤さんは「妄想という強固な建築物が、みんなで共有しようとした瞬間に崩れ去ってしまう。私自身も、そうした例を見てきている」と話す。》 (『毎日新聞』

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  • 漢字から見る神経学/週刊医学界新聞(第3281号 2018年07月16日)

     漢字から見る神経学 普段何気なく使っている神経学用語。その由来を考えたことはありますか?漢字好きの神経内科医が,数千年の歴史を持つ漢字の成り立ちから現代の神経学を考察します。 [第1回]漢字の国に生きるということ 福武 敏夫(亀田メディカルセンター神経内科部長) 皆さん,ご存じでしょうか? 今までになかったのがとても不思議に思える「日漢字学会」(会長=京大名誉教授・阿辻哲次氏)が2018年4月に設立されました。私は新聞で知り,早速正会員になりました。好きでも嫌いでも日は漢字の国であり,平仮名も片仮名も漢字をもとに作られ,漢字から逃れられません。それどころか漢字とうまく付き合っていかねばなりません。 文字の歴史は,楔形文字やヒエログリフ,ミノス(クレタ)文明の線形A文字・B文字のような象形文字に始まります。漢字以外の象形文字は完全に廃れて表音文字となり,朝鮮やベトナムも漢字を捨ててし

    漢字から見る神経学/週刊医学界新聞(第3281号 2018年07月16日)
  • 医学書院/週刊医学界新聞 【〔鼎談〕「精神医学」と「精神看護」の出会い(中井久夫,宮本真巳,新道幸恵)】 (第2433号 2001年4月16日)

    ■看護できない患者はいない 中井先生との出会い ──中井先生は,このたび『看護のための精神医学』(医学書院)を出版されました。このは,かつて『系統看護学講座・成人看護学・精神疾患患者の看護』(1984-1992,医学書院)に書かれたものが基になっており,同書は諸般の事情から絶版となっていますが,その内容を知っている方の間では「幻の名著」とまで言われておりました。 今回発刊された『看護のための精神医学』,はこの「幻の名著」を基にして,さらにその2倍以上の新記述を加えて構成されています。 そこで日は,このに書かれている中井先生の発想が,看護あるいは看護教育にどのような形で活かせるのか,といった点についてお話しいただけたらと思います。 そもそもこの企画は,日ご出席をお願いしている宮先生に「かつて素晴らしい精神科看護の教科書があった」とお聞きしたことがきっかけでした。まずお二人の先生方と

    医学書院/週刊医学界新聞 【〔鼎談〕「精神医学」と「精神看護」の出会い(中井久夫,宮本真巳,新道幸恵)】 (第2433号 2001年4月16日)
  • 対談 治療の時間軸/週刊医学界新聞(第2777号 2008年04月14日)

    私が専門としている漢方医学は一人ひとりの患者さんを全人的に診ることをその基に据えています。漢方では病気の背景因子に注意しながらも,容易に修正できないものには深入りせず,治療薬であると同時に,患者さんとのコミュニケーションメディアでもある漢方薬にさまざまな思いを込めて処方し,問題が氷解することを待ちます。 精神医学と漢方医学は,患者さんの主訴を重んじ,患者さんとの対話を続けながら,薬を媒介に治療を進めていくという共通項があるように思います。また,精神疾患を抱える患者さんのなかには,漢方と同様に長い治療経過をたどる方も多いことでしょう。「こころの時代」といわれる現在,漢方の臨床現場でも不定愁訴や気分障害など,こころの疾患を訴える患者さんが急増しています。 私たち医療者は,長い人生のなかで病を得てしまった一人ひとりの患者さんに対し,回復に向けた治療の時間軸をどう考えていけばよいのでしょうか。す

    対談 治療の時間軸/週刊医学界新聞(第2777号 2008年04月14日)