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ブックマーク / note.com/keioup (20)

  • 【記事転載】学術書のデザインを、再発明しよう!(阿部卓也)|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    第77回毎日出版文化賞〈特別賞〉と第45回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞した、弊社刊『杉浦康平と写植の時代』。おかげさまをもちまして売上も好調に推移しまして、第3刷も出来上がっております。 この度、さらに東京TDC賞2024 エディトリアル・ブックデザインカテゴリーにも入選したことを記念しまして、著者の阿部卓也氏が『大学出版』133号(2023年2月、【特集】「学術書」をデザインする)に寄稿されたエッセイ「学術書のデザインを、再発明しよう!」を以下に転載いたします。ぜひご覧ください! 『杉浦康平と写植の時代』のブックデザイン (東京TDC賞2024 エディトリアル・ブックデザインカテゴリー入選)*** 読者に知を届けるための、全ての工夫 学術書のデザイン、あるいはより広く、ブックデザインとは何か。根的に言えば、の内容(=知識)が、デザインに先立ってあらかじめ存在すると考えるこ

    【記事転載】学術書のデザインを、再発明しよう!(阿部卓也)|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【寄稿】『杉浦康平と写植の時代』著者書き下ろしエッセイ「ある学生の2つの記憶(1997-1999)」|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    宇宙としてのブックデザイン戦後日のグラフィックデザインを牽引したデザイナー、杉浦康平。 彼は写植という新たな技術といかに向きあい、日語のデザインといかに格闘したのか。杉浦康平が日語のレイアウトやブックデザインに与えた、決定的な影響を明らかにする書籍です。(2023年4月新刊) 今回は、著者である阿部卓也氏に書の刊行に寄せていただいたエッセイ「ある学生の2つの記憶(1997-1999)」を公開します。書執筆の目的や意義が分かりやすく述べられていますので、ぜひご一読ください。 *** ある学生の2つの記憶(1997-1999)1997年いまはもうずっと昔の、1997年の思い出から始めたい。当時、筆者は都内の美術大学の1年生だった。いまもそうだろうが、デザイン科では毎週のように宿題が課される。その日も、仕上げた実習課題を持って、学内の作品提出用カウンターに並んでいた。当時、制作をパソコ

    【寄稿】『杉浦康平と写植の時代』著者書き下ろしエッセイ「ある学生の2つの記憶(1997-1999)」|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【試し読み】『杉浦康平と写植の時代』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    宇宙としてのブックデザイン戦後日のグラフィックデザインを牽引したデザイナー、杉浦康平。 彼は写植という新たな技術といかに向きあい、日語のデザインといかに格闘したのか。杉浦康平が日語のレイアウトやブックデザインに与えた、決定的な影響を明らかにする。(2023年4月新刊) 【概要紹介】 杉浦康平や写研の活動は、とデザインという、それまで実はまったく別々の分野とされてきたものを接続し、連続的なものにした。その過程で、彼らは縦書きと横書きが混在する表記体系をどう捉えるか、カタカナのデザインをどう美的に調整するか、必要な漢字を余すところなく利用可能な環境を提供するにはどうするか、組版ルールはどう標準化できるかなど、さまざまな問題に向き合った。 それは西洋に由来するテクノロジーを、日の文字で/のために翻訳することを通じて、西洋の知=書物を捉え返し、東アジア的な文化の積層のなかで再定義するとい

    【試し読み】『杉浦康平と写植の時代』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 没後120年。今、改めて福澤諭吉の女性論を読む。|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    2021年。今年で福澤諭吉が亡くなってから120年になります(1901年2月3日没)。 福澤諭吉の活動は多岐にわたりましたが、生涯を通じて関心を持ち続け、その主張のブレることはなかったといわれているのが、女性論です。 120年以上も前の女性論ですが、現代日社会の課題に対しても、まだまだ問題解決のためのヒントとなるような言説がいくつもあるように思います。 当社では、福澤諭吉の代表作を新字体・現代かな遣いで網羅した『福澤諭吉著作集』(全12巻)を刊行しております。そのうち第10巻『日婦人論 日男子論』は大胆かつ斬新に新時代の女性のあり方を説いた、とくに現代的意義の高い著作が集まっています。 今回は、この『福澤諭吉著作集』(第10巻)から福澤諭吉の女性論のいくつかをご紹介致します。 ※書籍の画像をクリックすると商品紹介ページにアクセスします。 福澤諭吉著作集 第10巻 日婦人論 日男子

    没後120年。今、改めて福澤諭吉の女性論を読む。|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【寄稿】モザイク国家トルコの苦悩:鈴木慶孝氏|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがり、古くから多様な民族が行きかう東西の交易地として、豊かな歴史文化を育んできたトルコ。2020年7月、その歴史文化を象徴する建造物の一つであるアヤソフィアが、トルコ最高行政裁判所の決定を受け、イスラムのモスクに変更されることが突如発表された。この決定は、トルコ国内に限らず、国際的に大きな話題と波紋を呼んでいる。 いまトルコで何が起きているのか。またどのような社会背景がこのような動きに結びついたのか。そして、現代のトルコ情勢から、私たちが得られる問いや示唆とは一体どのようなものなのだろうか。 ここでは、『〈トルコ国民〉とは何か――民主化の矛盾とナショナル・アイデンティティー 』(2020年9月刊行)の著者である 鈴木慶孝氏に、現代トルコが抱える苦悩とその背景について、ご寄稿いただいた。 ―――――――――――――― アヤソフィアのモスク化 東西の文化

    【寄稿】モザイク国家トルコの苦悩:鈴木慶孝氏|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • ラジオを聴きながら読む本 ――『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」』のデジタル・アーカイブ公開|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    近年、技術革新にともなってメディアの多様化が進んでいますが、かつての主要メディアの一つにはラジオがありました。日でラジオの放送が開始したのは1925年のことです。それから戦中戦後にかけてラジオは人々にとって娯楽だけでなく大営発表を放送するプロパガンダの役割も担いました。 2月に刊行した太田奈名子著『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」』では、主に敗戦直後の日ラジオ番組に光を当て、アメリカの占領政策の内実や民衆の声を明らかにしています。 このnoteでは、著者の太田奈名子さんに、同書に登場するラジオ番組の音声および動画をデジタルアーカイブとしてご紹介いただきました。 ぜひご視聴ください。 *** このたび、『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」――支配を生む声、人間を生む肉声』を出版しました。日のラジオ放送の歴史は、およそ100年にも及びます。なかでも書は、占領期(1945〜1947

    ラジオを聴きながら読む本 ――『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」』のデジタル・アーカイブ公開|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【編集者の本棚】80年代の韓国料理の本を読んでみよう 第3回『B級グルメが見た韓国』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    出版会で働く人々の関心事や探求心を、を通じて解き明かします。棚と頭の中をすこーし覗くようなつもりでご覧ください。今回は編集担当の村上さんがお送りする韓国料理特集の最終回です。 前回↓ ヨロブン、アンニョンハセヨ 編集のむ~です。連載の最終回となりました。最後はこちら、文藝春秋編『B級グルメが見た韓国――文化大探検』(文春文庫ビジュアル版、1989年)をご紹介します。 インパクトのあるカバー図版。キンパ(韓国のり巻き)カレーです。キンパカレーは今も存在するんでしょうか?外国料理から知る韓国料理編者は「文藝春秋」となっていますが、文執筆は嶋津弘章氏によるものです。この氏の文章がなかなか読ませます。また、目次を見ていただければおわかりのように、構成もよく練られており、今読んでもかなりおもしろい韓国をすでにある程度知っている、サブカルチャーを好む趣味人向けに書かれたのではないかと推察しま

    【編集者の本棚】80年代の韓国料理の本を読んでみよう 第3回『B級グルメが見た韓国』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【編集者の本棚】80年代の韓国料理の本を読んでみよう 第2回『食は韓国にあり』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    出版会で働く人々の関心事や探求心を、を通じて解き明かします。棚と頭の中をすこーし覗くようなつもりでご覧ください。前回から、編集担当のむ~さんが韓国料理特集をお送りしています。 こんにちは。編集者む~です。 「80年代に出版された韓国料理についてのを読んでみる」という謎の連載第2回にお付き合いいただきありがとうございます🙇‍♀️ 前回↓ 今回とりあげるのは、森枝卓士・朝倉敏夫著『韓国にあり』(弘文堂、1986年)です。 著者の森枝氏は以前弊社の『中国料理の世界史』の刊行記念トークイベントにご登壇いただいたのジャーナリスト・写真家、朝倉氏は韓国文化研究の第一人者です。お二人が韓国料理に「出会う」一冊です。この韓国文化の基情報がぎっしりと書かれていて、『卓の上の韓国史』とあわせて読めば、理解がさらに深まることうけあいです。 普段の韓国料理韓国人はどんな生活を送ってい

    【編集者の本棚】80年代の韓国料理の本を読んでみよう 第2回『食は韓国にあり』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【編集者の本棚】80年代の韓国料理の本を読んでみよう 第1回『あんにょん・ソウル』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    出版会で働く人々の関心事や探求心を、を通じて解き明かします。棚と頭の中をすこーし覗くようなつもりでご覧ください。今回から全3回にわたり、編集担当のむ~さんが韓国料理特集をお送りします。 こんにちは。編集者“む〜”こと村上です。 先日『卓の上の韓国史――おいしいメニューでたどる20世紀文化史』(周永河著・丁田隆訳)というを刊行しました。開港から現在まで100年にわたる韓国料理歴史を社会との関わりのなかでダイナミックに描いたものです。現在の形のユッケヂャンやビビンバなどの韓国料理は近代に始まったのだよ~と言っているです(著者の周永河先生の日語版序文をぜひご覧ください。訳者の丁田隆先生のnoteには翻訳秘話が書かれています)。 韓国料理といえば、日では今ではそこらじゅうにお店がありますし、すっかりおなじみになったと思います。しかしこのを開いてみると意外に日人が知らない韓国

    【編集者の本棚】80年代の韓国料理の本を読んでみよう 第1回『あんにょん・ソウル』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【動画】ブックデザインを読み解く!デザイナー・岡部正裕さんインタビュー|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    書店や図書館に行くと、ついついを手に取ってみたくなります。カラフルな、モノトーンな、つるつるした紙の、マットな手触りの……の中身を見る前から、「顔」ともいえる装丁を見ていろいろな印象を受け、いつの間にかそのを開いています。 そして読んだ後、「あーあのね、読んだことあるよ」と談笑する時、(内容をすっかり忘れていたとしても)どんな装丁をしていたか、きっと思い出しているのではないでしょうか。 の一部であり、個性である装丁は、どんな風に作られているのでしょう。 「ブックデザインは、書店に並ぶと広告の役割、買った人にとっては日用品となり、読み終わった後は記憶装置になる」 と話すのは、当社書籍の装丁を数多く手掛けてくださっているグラフィックデザイナー・岡部正裕さん。世界の名著を解説するシリーズ「世界を読み解く一冊の」では、書名の一文字を大きくあしらいビビッドな2色で彩ったデザインが

    【動画】ブックデザインを読み解く!デザイナー・岡部正裕さんインタビュー|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 困難の源泉としての同一性(横路 佳幸)|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    哲学において最も基的で重要な概念「同一性」を解明する『同一性と個体――種別概念に基づく統一理論に向けて』を刊行しました。刊行にあたり、著者・横路 佳幸氏に「同一性」について解説した記事を寄稿していただきました。↓書籍の詳細と購入はこちら 単純だけど複雑な「同一性」 同一性は、ちょっと変わった概念です。 イコール記号「=」によって表現されるそれは、至極単純なことしか述べていません——「どんなものもそれ自身と同一であり、それ以外のものとは決して同一ではない」ということです。たとえば、あなたはあなた自身と同一ですが、明け方に輝く金星と同一ではないし、このnoteを書いている私とも決して同一ではありません。あなたはあなた自身とだけ同一で、私は私自身とだけ同一なのです。 くわえて、自身と同一であることは、単なる偶然というわけではなく、いわば必然です。現にこの世界に存在するあなたは、「必ず」あなた自

    困難の源泉としての同一性(横路 佳幸)|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 『同一性と個体』をよりよく理解するための哲学者リスト(横路 佳幸)|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    哲学において最も基的で重要な概念「同一性」を解明する『同一性と個体――種別概念に基づく統一理論に向けて』を刊行しました。刊行にあたり、著者・横路 佳幸氏に書の理解を深めるための哲学者リストを寄稿していただきました。ぜひ書とあわせてお読みください。 前回の記事では、同一性とそれが生み出す問題を論じて、書の中身を少しだけ紹介しました。続編となるこの記事でも書の中身紹介を続けてもよかったのですが、なんとなく、美辞麗句を並び立てただけのありふれた「販促記事」になりそうな気がして、やめました。 そこでなにかいいネタはないかと考えあぐねた結果、この後編記事は、せっかくなので(?)「書をよりよく理解するための哲学者リスト」にしました。このリストは、書に登場する重要な哲学者を20名ピックアップして、箇条書きで簡単な人物紹介をおこなうものです。色々思うところがありますが、言い訳や御託は末尾の注

    『同一性と個体』をよりよく理解するための哲学者リスト(横路 佳幸)|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 令和の時代に小泉信三を読む|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    「小泉信三って誰だっけ。」、一昨年の今頃、ちょうど元号が令和になった頃、その名前を聞いたような気がした。今は上皇上皇后陛下になられた、平成の天皇皇后両陛下の映像とともに、その名前がテレビの音声から伝えられたような……。 コロナ禍の1年が過ぎ、すでに平成は遠くなったように感じるが、ふと家の棚を見やると『小泉信三エッセイ選1 善を行うに勇なれ』の背文字を発見する。「善を行うに勇なれ」って、ずいぶん古臭い言葉だな(思わず「うっせぇわ」と言いそうになった)。でも古い人なんだから当然か、と思いながらパラパラとページを捲ってみた……。 ※書籍の画像をクリックすると商品紹介ページにアクセスします。 『小泉信三エッセイ選 1 善を行うに勇なれ』小泉信三は1888(明治21)年に生まれている。明治、大正、昭和戦前、そして戦後とまさに激動の日を生き、経済学者として、そして教育者として大きな業績を残した。福

    令和の時代に小泉信三を読む|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【試し読み】『言海』 日本語の基盤を作った初の近代国語辞典|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    名著を読むための入門書シリーズ「「世界を読み解く一冊の」の第1弾『大槻文彦『言海』』の「序」の一部を公開します。 シリーズについてはこちら↓ 書『大槻文彦『言海』』は、1889〜1891年にかけて刊行された日初の近代国語辞典『言海』について、明治政府による国家事業として企画された経緯や、幼い娘とを失いながらも17年もの歳月をかけ、まさに命懸けで編纂を進めた大槻文彦という人物に焦点を当てながら、その社会的な役割を解説します。 三浦しをんさんのベストセラー『舟を編む』(光文社)でも、主人公馬締氏がときおり『言海』を読み返す描写が見られるなど、現在の国語辞典の礎となり、発刊から120年以上を経たいまも愛されつづけている、その魅力に迫ります。 現在、刊行されている『言海』(ちくま学芸文庫、2004年) 「辞書の」というと、とても固くて難しそうなイメージを持たれると思いますが、今回ご紹介す

    【試し読み】『言海』 日本語の基盤を作った初の近代国語辞典|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 「語る人」鈴木孝夫先生を悼む|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    年2月、鈴木孝夫先生(言語社会学者、慶應義塾大学名誉教授)がお亡くなりになった。94歳というお年だったので、大往生と言ってよいと思うが、この人は不死身なのではと思っていた何人かのお一人であったので、いささか驚かされた。 1980年代の(文系)大学受験生にとって、「鈴木孝夫」の名前は轟いていた。『ことばと文化』が毎年、各大学の現代文のどこかに出題され、必読文献に数えられていたからだ。皆、この岩波新書は持っていたように思うが、きちんと読んでいたかどうかは定かではない。ただ、その名前は誰もが知っていたと思う。 そのようなわけで慶應に入った時、名前を知っている数少ない教授だったが、所属が文学部ではなく、「言語文化研究所」なるところだとは入って初めて知った。 在学中は残念なことにその講義を拝聴することはなかったのだが、慶應義塾大学出版会に入り、大学の機関誌を担当するようになり、鈴木先生と接する機会

    「語る人」鈴木孝夫先生を悼む|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【試し読み】知ってるつもりの『百科全書』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    さて、『百科全書』とはなんでしょうか? たしか、昔のフランスの百科事典……そう「18世紀フランスで、ディドロとダランベールが編纂した百科事典、いわゆる啓蒙思想の集大成……」と高校の教科書などに書かれていたでしょうか? 教科書的な知識だけで知ってるつもりになっていても、『百科全書』が実際に、誰によって、どのように作られたのか、なぜ歴史に名を残したのか、そこに何が書かれているのか、その全体像を知ることはとてもむずかしい。なにせ全28巻もあるんです(そしてフランス語ですし……)! 井田尚『百科全書――世界を書き換えた百科事典』は、そんな読者の悩みにおこたえして、『百科全書』の成り立ちから、深い内容まで、最新の研究の知見を踏まえて解説しようとする一冊です。日の読者の多くが足を踏み入れたことがない『百科全書』という広大無辺な知識の世界への道案内となってくれることでしょう。 ここでは、このの一部と

    【試し読み】知ってるつもりの『百科全書』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【試し読み】エーコ『薔薇の名前』 知の巨人が仕掛けた世界の断片とは?!|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    記号論の大家ウンベルト・エーコによる大ベストセラー『薔薇の名前』。 そんな『薔薇の名前』に何度も挫折してしまう…。中世ヨーロッパの世界にリアリティがもてない…。書『世界を読み解く一冊の エーコ『薔薇の名前——迷宮をめぐる〈はてしない物語〉』は、担当編集のそんな悩みから始まったものでした。険しい山道を登るには、ガイドが必要です。その役を買って出てくれたのが、中世ヨーロッパ史の専門家である、著者の図師宣忠先生でした。政治情勢、修道院、異端審問、建築から、はては眼鏡に至るまで、『薔薇の名前』の前提知識となるディテールをつぶさに解説していきます。 このnoteページでは、そんな「ディテール」の一部である、「写字室と写」について紹介します。『薔薇の名前』での写字室は、有名な「笑い」に関する議論が繰り広げられたのを始めとして、何度も登場する重要な場所です。そこは、実際にはどんな空間だったのか、そ

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  • 【試し読み】『「うたのことば」に耳をすます』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    『「うたのことば」に耳をすます』(久保田淳 著)が9月に刊行されました。このは中世和歌研究の第一人者・久保田淳氏が研究のかたわらでつれづれに書き記したエッセイをまとめた一冊です。 万葉集、古今集から、西行、藤原定家といった中世の歌人、正岡子規ら近代、そして現代に至るまでの、さまざまな「うたのことば」を通して、日人が何を思い、感じてきたのか。ことばがどのように人々の生活に入り込み、流行りすたりが生まれたのか。著者の思索が凝縮されています。 今回は書の中から二つのエッセイを紹介します。「古典詩歌の勧め」ではうたに込められる愛や悲しみについて、「すがる 蜂と鹿」ではことばの解釈を巡る研究について紐解いています。 *** 古典詩歌の勧めよくみれば薺(なづな)花さく垣ねかな   芭蕉 なずなは春の七草の一つである。冬を越したその葉を正月七日、七草がゆにしてべる。春、すみれやたんぽぽが咲くころ

    【試し読み】『「うたのことば」に耳をすます』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 【試し読み】旧約聖書 激動の歴史と思想の衝突を読む|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    長谷川修一『旧約聖書――〈戦い〉の書物』の刊行を記念して「序」の一部を公開します。シリーズ「世界を読み解く一冊の」7冊目です。シリーズについてはこちら↓ 書『旧約聖書――〈戦い〉の書物』は、2000年以上前に複数の著者によって書かれた旧約聖書が、いかに「一冊の書物」として成立していったのか、その成り立ちや内容、背景にある古代イスラエル史を概説することから始まります。 基をおさえたところで書はさらに、旧約聖書のテクストが描く「歴史世界」と激動の古代イスラエル史を考古学・聖書学の知見に基づき対比させ、著者たちが自らのアイデンティティを懸けて繰り広げた思想史上の6つの“戦い” ――「イスラエル」誕生をめぐる〈戦い〉、神のアイデンティティをめぐる〈戦い〉、「真のイスラエル」をめぐる〈戦い〉、祭司の正統性をめぐる〈戦い〉、「神の言葉」をめぐる〈戦い〉、結婚をめぐる〈戦い〉――を鮮やかに読み解

    【試し読み】旧約聖書 激動の歴史と思想の衝突を読む|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
  • 雑誌『教育と医学』(2020年9・10月号) 「特集にあたって」「編集後記」公開|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

    雑誌『教育と医学』の最新号、2020年9・10月号が発売されました。今号の特集は、「読み書き支援の最前線――そのメカニズムと難しさ」です。「特集にあたって」と、「編集後記」を公開します。ぜひご一読ください。 特集にあたって読み書きのメカニズムと難しさ 徳永 豊 特別支援教育の視点で、子どもの特性に応じた授業の工夫が充実してきた。この特性に応じた工夫のひとつに、「読み書き」に難しさを示す子どもへの対応がある。「読み書き」とは、学校においては教科書を読むこと、また文章を書くことであり、授業における基的な活動である。読むことを通して、文字から情報を得ることができ、その情報を作者と共有することにつながる。書くことを通して、自分が考えていることを整理したり、その考えを他者に表現したりする。そうすることで、その考えを他者と共有することにつながる。国語科だけでなく、算数(数学)や理科、社会などの教科に

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