タグ

ブックマーク / nokoribigamer.blog62.fc2.com (100)

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 アドテクノス「レッドサン・ブラッククロス」

    今までプレイした数少ない中で、好きなボードSLGを3つ挙げるとすれば、 まずはバンダイ「宇宙戦艦ヤマト」、次にホビージャパン「太平洋艦隊」、 そしてこの「レッドサン・ブラッククロス」が、どうしても外せない。 欧州大陸を併呑し英連邦をも戦線から脱落させた第二次大戦の勝利者、 世界制覇目前のナチスドイツを、インド亜大陸で迎え撃つ我らが大日帝国。 架空戦記ブームに先鞭を付けたとも言える、仮想第三次世界大戦です。 デザイナー氏の同名小説では、北米大陸を舞台に日独が激突しますが、 ボードSLG版のオールドファンとしては、こちらの世界設定こそ至高。 陸軍ユニットは師団単位、艦船ユニットは架空艦含め主力艦1艦単位、 航空機ユニットは艦載機・ジェット機・架空機なんでもありの編隊単位で、 かなりのボリュームがある格派陸海空戦ウォーゲームとなっています。 このゲームを一人でセットアップして、黙々とソロプレ

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン12号「インド洋侵攻作戦」

    仮想戦記「紺碧の艦隊」に触発されたアメリカ人デザイナーの手による、 インド洋における日軍とイギリス軍との海戦仮想戦。 真珠湾攻撃より瞬く間に西太平洋を席巻し、南方の資源供給地を確保して、 戦争の第一段階を思い描く通りに進めた大日帝国ですが、 戦果を拡大し損害を強要し、もって連合国に休戦を請わしめるに足る、 第二段階の戦略的大目標を決めあぐねていました。 史実では漫然とした戦争指揮の下、ミッドウェーで痛恨の大敗を喫し、 ガダルカナルで地獄の戦場を見る事になる訳ですが、 デザイナー氏は同盟国ドイツとの連携から、セイロン島の攻略を推奨します。 英領インド・オーストラリアとの連絡を遮断し、中東に睨みを効かす戦略。 ゲームでは同じマップを二枚用い、索敵で敵艦影を求める空母戦が展開され、 米軍相手では翳りを見せ始めた無敵零戦も、英艦上戦闘機相手なら圧倒的。 セイロン島を陥としたぐらいでは、結果が変

    gameape
    gameape 2010/09/06
    [for:@twitter]
  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン94号「ビルマ電撃戦」「フライング・タイガース」

    大東亜戦争開始前後の価値ある勝利、ビルマ戦線における空陸戦の2in1。 日露戦争の同盟国と仲介国が揃って敵国に、どうしてこうなった。 「ビルマ電撃戦」で日陸軍は、イギリス植民地からのラングーン解放と、 中国戦線打開のため、重慶に至る援蒋ルートの遮断を狙います。 史実のイギリス軍は早々にラングーンを放棄し、戦線の瓦解を招きますが、 もし頑強に抵抗していれば、展開は違っていたかもしれません。 モタモタしてっと空の神兵がアジア解放しに降って来るぞ。 ビルマ物で「フライング・タイガース」のゲームなんて初めて見た。 日軍VS中国軍+イギリス軍+アメリカ義勇軍のビルマ航空戦。 ユニットには九七式戦闘機や九七式重爆撃機が描かれており、 簡潔なルールでお手軽に大戦初期の空軍作戦級が楽しめます。 一撃離脱先制するP-40と最高の攻撃力を持つ加藤隼戦闘隊の激突が見せ場。 イギリス軍の反攻作戦により、ビルマ

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ゲームジャーナル別冊「イラク戦争」

    あれからもう7年経つのか…。 大量破壊兵器の有る無しが世界中の関心事になり、 アルジャジーラを媒介とした情報合戦の様相を呈して、 戦闘終結宣言以後も非戦闘地域か否かが物議を醸し。 湾岸戦争に比べよりスピーディに、よりスマートになった米軍と、 中東屈指の軍事強国から著しく弱体化したイラク軍との戦いです。 イラク軍のレーティングにある程度、手心が加えられているので、 遅滞戦術ぐらいは可能でしょうが、バクダッド陥落は時間の問題。 フセインが巧妙に居所を変えた大統領宮殿を爆撃する特別ルールもあり、 サハフ情報相を引いてしまえば「バクダッドに米軍などいない!」VPロスト。 つうか、無人偵察機プレデターによる暗殺作戦とか騎士道精神の欠片も無いし、 昔から要人殺害に固執するアメリカ人は、戦争ゲーム感覚で短絡に考え過ぎ。 その上、実利的要請のみ重視し戦争をアウトソーシングする愚を犯して、 性質の悪い傭兵

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 天下布武「砂漠の嵐作戦」

    「真田軍記」のメーカーが出していた1991年のイラクVS多国籍軍。 ボードSLG衰退期にこんなワンサイドゲームが売れるはずも無く、 私の所有物も確か、ボードゲーム福袋に入ってた奴の一つ。 ヤフオクで売ろうと思い付くも、タダ同然では梱包する気も失せる。 サダム・フセインとパパ・ブッシュのアームレスリングという、 悪ふざけにもほどがある箱絵ながら、内容は至って大真面目です。 広くイラク周辺を収めた地図上で繰り広げられるオーソドックスな陸戦と、 兵器の見市と言われた戦争を反映した多彩な空軍ユニットのゲーム。 湾岸戦争で一躍名を上げたスカッドルールも、もちろんあり。 この手のゲームに付きものの政情変化ルールの行方次第では、 自衛隊の多国籍軍参加だって有り得ます。 湾岸戦争自体はフセインが暴走した結果だと言う見方に異論は無いですが、 戦後、両国の国境を懲罰的に確定したのはいただけない。 そもそもイ

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ゲームジャーナル36号「真田軍記~決戦!大坂の陣~」

    ボードSLGがまだおもちゃ屋に並んでた頃、幸村スキーな私が手に取り、 さんざん迷いまくった挙句、結局買わなかった思い出のゲームが再販。 後日やっぱり買おうと思い直し、おもちゃ売り場に行ってみると、 ボードSLGの売り場ごと跡形も無くなっていた。 大坂の陣のゲームでありながら大坂城籠城戦にあらず、 父昌幸の秘中の策である、積極攻勢作戦のIFシチュエーションです。 マップは丹後・播磨・紀伊・越前・三河までを収め、 少数精鋭の牢人五人衆で各個撃破を図る大坂方と、 無尽蔵の動員力をもって大軍ですり潰しにかかる徳川方の戦い。 鬼神の如き強さ疾さを兼ね備えた真田幸村は、やはり日一の兵。 元祖徳川殺しの真田昌幸が黄泉帰り、自ら策を実現してみたり、 福島正則が大坂方に馳せ参じたり、宇喜多秀家が脱出してきたり、 おまけシナリオはもうやりたい放題。何なら加藤清正も足しとこか? 日曜日の夕方に、脳が腐りそうな

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 サンセットゲームズ「ザ・コリアン・ウォー」

    今より25年ほど前、エポック社から「朝鮮戦争」として発売されながら、 諸般の事情により早々に絶版となった幻のゲームの再販版。 北のT-34戦車部隊により口火を切ったソウル電撃戦から、 米軍中心の国連軍の介入と、背水の陣の釜山攻防戦を経て、 一か八かの仁川上陸戦に至るまでをシミュレートしています。 装備不足準備不足の韓国・国連軍と、短期決着無くば死あるのみの北朝鮮軍。 劇的進化を遂げた米ソ両陣営の戦車とジェット戦闘機が激しく衝突する、 第二次世界大戦のロスタイム戦とも言うべき興味そそられる戦場は、 様々な角度やスケールで、もっとシミュレートされても良いテーマ。 発禁当時の経緯は知りませんが、腫れ物を触るような時代でも今さら無いでしょう。 フツーに青臭い学生だった私は、村山談話が発表されるその時まで、 とっとと正式な謝罪を済ませて、未来志向の関係を築けばいいと真剣に思ってた。 しかし節目節目で

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン42号「バトルフォーチャイナ」

    色々な意味でレアな日中戦争テーマの3人用戦略級シミュレーション。 プレイヤーはそれぞれ、日軍、中共軍、国府軍を担当し、 中国国内の土地を支配し、都市を占拠し、工場を奪取して、 、 自陣営の政治支援ポイントを増やし、相手陣営のポイントを減らすゲーム。 無敵皇軍と言えども二正面作戦は困難を極める上、地の利はあちらにあり、 ソ連やアメリカのポイント支援もあって、奇妙な三すくみ状態に陥ります。 挙句「日軍の残虐行為」が露呈して、国際世論が沸騰した日には、 デスノートならぬ最後通牒ハルノート提示で、米「計画通り」。 日の生存権を死守するには、朝鮮半島に列強の進駐を許すなどあってはならず、 朝鮮半島を安全に保持するためには、中国東北部の安定が必要不可欠で。 満州事変から日中戦争に至る過程で、戦争責任を探す作業って意味無くね? 日露戦争の勝利を既定のものとして考えれば、転換点はその直後ぐらいでしょ

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン別冊「プランオレンジ日本侵攻計画」

    アヴァランチプレス社の第一次大戦海戦SLG「グレートウォーアットシー」。 人気シリーズの一作品を国際通信社がライセンス生産したものです。 シミュレーションゲーム冬の時代に、細々と命脈を保つ専門誌の存在を知り、 陸戦の作戦級ゲームがあまり好きじゃなかった出戻りゲーマーが、 最初に手に取ったのが、この「プランオレンジ日侵攻作戦」でした。 日米の建艦競争が継続していたと仮定する、1930年代日近海における、 日軍部のクーデターを契機としたアメリカ軍日侵攻作戦がテーマ。 史実より10年早い日米激突を、未完成艦と複葉機、飛行船が彩ります。 プレイはせずとも、艦船上面図が描かれた美麗なユニットは所有の価値あり。 国際通信社が何故わざわざコレだけをライセンスしたのかは、今も謎ですが。 コミンテルンとかイルミナティとか陰謀論に与するつもりは毛頭無いですが、 各国が権謀術数の限りを尽くす中、情報戦で

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 シックスアングルズ別冊5号「戦略級日露戦争」

    大昔に発売されていた海外シミュレーションゲームの名作群を、 21世紀クオリティで復活してくれるたいへんありがたい企画が、 このウォーゲーム・レトロスペクティブ・シリーズ。 こんなゲームが出ていた事すら全く知りませんが、 朝鮮半島の支配権と満州の権益を巡り、日ロシアが鋭く対立した日露戦争です。 陸海共同作戦の戦略級で、陸軍と海軍の移動が別マップで行われ、 旅順攻略戦とか奉天会戦とか日海海戦とかが全部再現されたりして、 戦艦三笠のシルエット入りユニットに萌えられたりするゲーム。 辺境の弱小国家に過ぎなかった日が、大国ロシアに敵うとは到底思われず、 戦費のための外国公債も、当初は引き受け手に事欠く有様であったものの、 日の連戦連勝で次第に調達が容易になったという史実を再現するため、 日軍が重要ヘックスを占領する毎に、補給が潤沢になるルールがあります。 今よりおよそ百年前、ライジングサン

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 国際通信社「ノー・リトリート!」

    東部戦線の古典的名作「ザ・ロシアンキャンペーン」をこよなく愛した、 新進デザイナー氏が世に送る21世紀スタンダードの独ソ戦ゲーム。 マップ一枚・ユニットシート一枚の小さめコンポーネントながら、 東部戦線の開戦から崩壊までを再現する意欲的な作品です。 更にはベルリン戦をもカバーするオプションまで付いてきて、 説明書はカラーだし、一応ボックスの体裁は整えてあるし、 価格がちょっと高い気もするけど、一家に一箱揃えておいて損は無い。 カードはそれぞれ戦況を一変させるほど強力なものばかりですが、 減少した戦力を補充するためにはカードを捨て札にせねばならず、 戦果を取るか戦力を取るかの二者択一が悩ましい。 実は今回お見せしたかったのは自作のカード。 カードシートの裏表をスキャンし、画像ソフト上で一枚一枚切り抜いて、 改めて画像を再構築してから印刷、更に一枚一枚張り合わせる根気の要る作業。 調子に乗って

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 SPI「エアウォー空戦マッハの戦い」

    朝鮮戦争以降のジェット戦闘機を網羅した超難解精密空戦シミュレーション。 デュアルマガジン12号中の3回に渡って特集された挙句、グダグダで幕を閉じる。 当時はそれだけ現行機のドッグファイトSLGに対するニーズが強かった。 かく言う私も、これを使ってマンガ「エリア88」ごっこがどうしてもやりたくて、 兄貴と二人でなけなしのお小遣いを貯めて、近所のゲーム屋に買いに行ったさ。 ゲーム屋のおじさんに「ボクにはこのゲームはちょっと難しいかな~ハハハ」 みたいに軽くディスられて、意地になって分厚いルールブック完読してやったさ。 東西陣営の新旧ジェット機が細部にわたりデータ化されたゲームで、 盤上でユニットを飛ばすためには、加速や旋回のポイントをチマチマ溜めて、 数ターンかけてやっと移動力が1上がったり30度だけ旋回できるシステム。 よくこんなゲームをプレイしたと褒めてやりたい、当時の自分。 しかしルール

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ウォーゲーム日本史6号「箱館戦争」「箱館湾海戦」

    幕臣榎武揚が虎の子の幕府海軍引き連れて、北の国から独立宣言。 ラストサムライ土方歳三に深く感銘を受けたカナダ人デザイナーが送る、 戊辰戦争最北の地での終幕、「箱館戦争」「箱館湾海戦」の2in1です。 「箱館戦争」はカード併用の陸海軍共同作戦による箱館攻略戦。 戦闘は最大5個のダイスを振り合い、ゾロ目の数だけ損害を与えるシステムで、 野戦指揮官はダイスを1個裏返す事が出来ます。(土方歳三には敬意を表して2個) ヨーロッパ式近代城塞もどきの五稜郭を無力化した艦砲射撃が威力を発揮。 「箱館湾海戦」はチット引きシンプルルールの戦術級、海戦4シナリオ。 「箱館戦争」と同じくゾロ目損害システムで、新政府軍の最新鋭艦・甲鉄は、 アームストロング砲の威光によりダイスを1個裏返す事が出来ます。 守りたいものがあり、譲れないものがあり。 試される大地の菱形の中には、男たちのロマンがしこたま詰まっています。

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン93号「ドライブ・オン・クルスク」

    1943年、東部戦線で高まりつつあったソ連軍の圧力を減じるため、 スターリングラード方面での失陥を糊塗し枢軸国陣営の動揺を鎮めるため、 軍事的かつ政治的な作戦目標として決定されたクルスク突出部。 「ドライブ・オン・クルスク」はメジャーテーマのクルスク戦を扱いながら、 クルスクじゃないクルスクとのゲーム評をいただいているようです。 クルスク戦の戦略的意図に迫るこのゲームの真髄は勝利ポイントの設定にあり、 ポイント源は部隊壊滅・都市占領といったクルスク戦の常識的範囲にとどまらず、 敵後背地への突破を意味する地図盤端の占拠、果ては、 部隊の戦略的転出を意味するドイツ機械化師団撤収にまでポイントが与えられ、 要はクルスク戦立案当時の軍事的政治的要求さえ、ある程度満足させられれば、 クルスクだろうが何だろうが全然OKというデザインコンセプトです。 かような戦略的フリーハンドを与えられているにもかかわ

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ゲームジャーナル35号「激闘!グデーリアン装甲軍」

    電撃戦の体現者ハインツ・グデーリアン、独ソ戦1941年夏の激闘。 米チャールズ・ロバーツ賞受賞作「激闘!マンシュタイン軍集団」の、 英語版「A Victory Lost」のデヴェロップを手がけたデザイナーが、 シリーズ作品として新たにデザインした「A Victory Denied」に、 修正を加えて日語化したという、ややこしい素性を持つ逆輸入作品。 太平洋を往復して、「激闘!」システムが凱旋帰国を果たしました。 前作と同様の、引かれたチット順に部隊を活性化する基システムに加え、 増援や補給判定のタイミングもチット次第で、展開はより流動的に。 引かれたチットをキャンセルして割り込めるグデーリアン命令チットにより、 カードゲームさながらの、「ずっとグデーリアン第2装甲集団のターン」。 かの有名な南方旋回命令も、当然の如くルール化されており、 モスクワ目指すも装甲部隊引き抜かれるも、総統の腹

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン92号「レッド・ドラゴン・ライジング」

    中国海軍が日近海で演習中、自衛隊機に照準合わせてきちゃったり、 韓国海軍哨戒艦が何者かの攻撃を受け?轟沈しちゃったりと、 ちょっとだけキナ臭くなってきた感もあるご時世にタイムリーな、 数年以内の東アジアに起きるかもしれない仮想戦を描く陸海空軍現代戦SLG。 日台湾・フィリピン・ボルネオを結ぶ第一列島線を抜き、 遠くグアム・サイパンにまで至る外洋艦隊を指向する隆盛著しい中国と、 その意図を挫かんとするアメリカ太平洋軍との激突です。 陸海空全てのユニットはそれぞれ対地・対空・対潜・対艦戦闘力を持ち、 ダイスで戦闘力以下を出せば攻撃成功のシンプル戦闘解決。 ランダムイベントで麻のように乱れまくる怒涛の国際情勢。 日版バリアントでは、沖縄海兵隊海外移転、日米同盟破棄、果ては、 更に過激な東アジア共同体構想=中国+日VSアメリカなんてのもあり、 ゴメンよオバマ、トラスト・ミー。 現実問題と

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ゲームジャーナル15号「本能寺への道」「大戦略白村江の戦い」

    ちょっと懐かしの15号、戦国最大の叛乱と古代東アジアの勢力範囲決定戦。 「能寺への道」は能寺の変前後の織田家軍団長+徳川家康の、 醜い足の引っ張り合い・謀反上等の、4人用マルチプレイゲーム。 織田陣営の一員として目前の外敵討伐に精力的に動いて得点を稼ぐ一方、 他の武将の邪魔をするために外敵をけしかけて、 結局最終的に外敵が生き残ってしまうと、 織田信長の逆鱗に触れて全員ゲームオーバー。 そうならないために、いずれ誰かが変を起こさざるを得ないと言う、 能寺の真相見つけたり、みたいな。 「大戦略白村江の戦い」は唐・新羅VS百済・高句麗・倭の戦略級SLG。 行軍の可否もチット次第、疫病・裏切りもチット次第で大打撃と、 権謀術数と古代戦での兵站のままならなさが表現されています。 日韓共同歴史研究の報告書が先ほど公開されましたが、 任那日府という語の妥当性に疑問を呈し記述を留保すべきと言う日

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ウォーゲーム日本史5号「川中島軍記」

    戦国時代最高の名勝負、龍虎相撃つ第四次川中島の合戦。 講談師の舌が滑らかだったのか、史家の筆が滑ったのか、 はたまた誌記事の指摘にあるように兵学者の箔付けだったのか知りませんが、 魅力的かつ胡散臭いエピソードに事欠かない川中島です。 啄木鳥の計を献策するも上杉謙信に看破され、恥じて討ち死にした天才軍師山勘助。 資料の少なさから実在すら危ぶまれますが、仮に軍師としての山勘助がいたとして、 唯一の実績が失敗作戦では馬謖と同レベルで、とても天才の名に値しない気が。 車輪が回るが如く兵を入れ替え入れ替え敵陣を撃破する必殺の車懸りの陣。 言葉の意味は分からんが何やら凄い自信が窺えます。 そんなの到底無理と言う点で衆目は一致していますけど。 ゲーム内容は戦国の両雄、武田信玄と上杉謙信の激突とあって、 綺羅星のような有名武将が名を連ねていますが、 大将を除き彼らの能力は、兵科の別があるだけで画一的

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 ゲームジャーナル34号「燃えよ!姉川の戦い」「西南戦争1877」

    「燃えよ!姉川の戦い」は、織田弱兵、徳川強兵、浅井ちょい強兵の通説的解釈と、 デザイナーの妄想設定、魚鱗の陣による敵陣突破優勢説が巧妙に組み合わされていて、 織田が押されて徳川が支えてと、ゲーム展開自体は通説通りながら、 兵を交代しての突撃攻勢維持を可能とする、独創的なシステムを採用しています。 西洋の密集隊形と戦国時代の軍隊との比較論は説得力十分。 魚鱗の陣が戦国合戦級SLGのニュースタンダードになるやも知れません。 「西南戦争1877」は、維新の三傑に数えられながらも野に下り散った、 西郷隆盛による維新最大のエピローグ、西南の役を描いた戦役級SLG。 史実通りに熊城陥落サドンデスを狙うか、長崎上陸あるいは北九州電撃戦か。 九州制圧の果てに西郷が目指した景色を夢想するも良し。 西郷隆盛と言うと靖国神社に祀られてないみたいな議論がありますけど、 隆盛自身も(覚悟の反乱であり、言わば政敵の

  • 残り火ゲーマーの非プレイ主義宣言 コマンドマガジン91号「チュニジアの戦い」

    アフリカ戦線末期、米英連合軍のアルジェリア上陸に引き続く、 チュニス進軍を描いた「レース・フォー・チュニス」と、 ロンメルの反攻作戦、カセリーヌ峠の戦いを描いた、 「ブラッディ・カセリーヌ」の、GDW社チュニジア戦2in1。 人気のロンメル物ながらも若干マイナーテーマではありますが、お得感があります。 交互移動と戦闘が強制されるマストアタックで、 一見オーソドックスと言うか古めかしいシステムに見えながら、 スルスルと米歩兵の脇をすり抜けていく独軍機械化ユニットと、 戦闘結果にも影響を与える補給切れによる移動力低下が、 チュニジア戦をうまく再現しているそうな。 北アフリカの砂漠を駆け抜けたロンメル、最後の煌きチュニジアの戦い。 同テーマではホビージャパン「チュニジア大突破」が有名で、 当時、ボックスアートのカッコ良さに購買意欲を大いにそそられましたが、 筋金入りのアニメゲーマーだったので、