「判決には納得いかない。控訴したい」−。判決後、原告の父親(38)は産経新聞の取材に、言葉を絞り出すように語った。こんにゃくゼリーの死亡事故をめぐり、神戸地裁姫路支部が17日に出した初の司法判断は「棄却」。消費者庁も危険性を警告する中、企業責任を追い続けた両親の思いは、司法には届かなかった。 この日、法廷に姿を見せなかった父親は、棄却判決に対し「製品についての議論が十分できていないと思う。息子と同じような事故がまた起こるのではないか」と不安を募らせた。 また閉廷後に記者会見した原告側の土居由佳弁護士も「製造元の対応のまずさを指摘しているのに、棄却したのは不当。判決が消費者庁などの対応に悪影響を与えてしまう恐れがある」と悔しさをにじませた。 「不慮の事故ではなく、企業努力で防げたのではないか」−。 わずか1歳の息子を亡くしてから、父親はずっとそう思い続けてきたという。事故後いったん製造を中止