PR誌「ちくま」10月号より橋本治さんの連載を掲載します。9月号が休載となった理由について、現在進行形の「闘病記」です。 先月は失礼をいたしました。先々月の原稿を書くとそのまま、私は手術のために入院してしまいました。八年前、別のPR誌で連載をしていた時に『闘病記』というタイトルの文章を書いて、「まさか自分がそんなタイトルの文章を書くとは思わなかった」と思いましたが、八年後にまたしてもです。 前回のは顕微鏡的多発血管炎という、毛細血管が炎症を起こすというめんどくさい免疫系の病気で、全治はないので「人混みの中に出る時はいつでもマスクを忘れずに」ということになります。医者がそう言った通りのことを書いているだけで、どうして免疫と毛細血管がリンクして「マスクを忘れずに」になるのか、私には分かりません。 前回のは投薬治療による内科的な病気ですが、今度のは癌です。正式には「上顎洞癌」というやつで、「どう
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