成績が悪く、集団の中でも浮きがちな自分に今後何か素晴らしいことが起き得るとは想像しづらかった。「事実は小説より奇なり」なんていうけれど、平均的な人の一生なんて、突出した何かを持たない限りおおむね平凡だ。そして、私は小学校で初めてもらった通知表1(優)、2(中)、3(劣)の判定の中で、すべての教科でオール2の「平凡」の太鼓判を押されたような子どもだった。 平凡ならまだ良い。理不尽づくしの辛いばかりの人生だったらどうしよう。そこで考えたのだ、人はなぜ生きるのかと。どんなに辛いことがあっても、人は生き続ける。それはなぜなのかと。