携帯電話機で手軽にメールをやり取りしたり,ニュースや天気を見たり,ゲームや音楽をダウンロードして楽しんだり――。今や,日本国内だけで7500万人以上,中国では1億人を超える人々が,携帯電話機でインターネットを利用している。携帯電話のインターネット・サービスを世界に先駆けて事業化したのが,NTTドコモの「iモード」である。1999年2月のサービス開始と同時に,待ち受け画像や着信メロディなどのコンテンツ・サービスが立ち上がった。サービス開始直後は低調が続いたものの,対応機種の増加と共に契約数はウナギ登りに増えていく。普及は予想をはるかに超えるペースで進み,1990年代の停滞した日本経済の中で,ひときわまばゆい光彩を放つ20世紀最後の大ヒットとなった。 このiモードを事業化にこぎ着けるまでの開発物語を,日経エレクトロニクスが2002~2003年に掲載している。本連載では当時の記事を再掲載する。