年も改まった。2011年にこのコーナーで最初に取り上げるのはベトナムである。昨年末にはベトナムに関するニュースが数多くあった。インフレが厳しくなっているという報道もあったし、国家債務が膨らんで国際融資機関が警戒を強めているという報道もあった。ともに事実だが、一方で、後で記述するように世界銀行など国際機関からベムナムは「中所得国」に認定された。確実に言えることは、問題を抱えていてもベトナムはもう1970年代まで続いたベトナム戦争の後遺症を引きずる後発途上国ではない、ということだ。昨年末には、日本の商社もベトナムに対する関心を深めているとのニュースがあった。良いニュースと悪いニュースが入り交じって出てくるベトナムだが、一連の記事を書くに当たって日本人が見落としがちないくつかの点をまず指摘しておきたい。 ベトナムについてまず読者に知っていただきたいことは、この東南アジアの細長い国が恐ろしく若い国