● 7年前の4月1日に出されたある提案 前回は互換漢字というものがUCSの中では例外的な存在であり、非漢字圏の国々から厄介者扱いをされていることを述べた。今回はまずその実例を見るところから始めよう。少し前になるが2001年4月1日、WG2にアメリカ代表団が提出した文書番号n2326『Proposal to encode additional grass radicals in the UCS』(草冠をUCSに追加して符号化する提案)という書類だ(図1)[*1]。これは新しい文字をUCSに追加する正式な提案書だ。 図1 アメリカ代表団が2001年4月1日に提案した草冠のバリエーション94文字(n2326『Proposal to encode additional grass radicals in the UCS』) 見てわかるとおり、草冠のさまざまなバリエーションが、じつに94文字も提案さ