ベトナムに関して日本で一番知られていないことは、「実はベトナムは日本に顔を向けている」「少なくとも向けたがっている」ということである。「顔を向けている」ということの意味合いは、「日本を技術や資本で頼りにし、日本を(ベトナムにとっての)重要な市場と考えている」ということだ。 そう強く思ったのは、ベトナムであるコンピューター・ソフトウエアの会社を訪れた時だ。2008年のことである。日本ではあまり知られていないが、ベトナムは世界各国の工場を受け入れて「中国に次ぐ製造業の国」を目指しながらも、インドがコンピューター、特にソフトウエアや、コンピューター関連の入力業務で興隆した様子を見ていることもあって、コンピューター関連業務の充実にも大きな力を入れている。中国(製造)とインド(ソフト)の中間の道をうまく歩んで、国を成長させようと考えているのである。今は「中国+one」(中国のほかにもう1つ製造拠点を