マルクスは、「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」の中で、歴史について次のように語っている。 人間は、自分で自分の歴史をつくる。しかし、自由自在に、自分で勝手に選んだ状況 のもとで歴史をつるくのではなく、直接にありあわせる、与えられた、過去から受け継 いだ状況のもとでつくるのである。 私も、まさにその通りと思う。人が生きている状況は、自分が選んだものではなく、好むと好まざるとにかかわらず、所与の前提として与えられている。このことは、人をとりまく思想的。精神的状況についても同様である。そこで、マルクスは、次のように続ける。 あらゆる死んだ世代の伝統が、生きている人間の頭のうえに悪夢のようにのしかかっ てくる。そこで、人間は自分自身と事物とを変革する仕事、これまでにまだなかったも のをつくりだす仕事にたずさわっているように見えるちょうどそのときに、まさにそう いう革命的危機の時代に、気づわし