香川県立中央病院(高松市)で不妊治療を受けた20代の女性が別の患者の受精卵を移植されたため中絶し、精神的苦痛を負ったとして、県に約2200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、高松地裁(森實将人裁判長)で開かれ、県側は請求棄却を求めた。 女性側は「受精卵の識別、管理という重要な作業の過誤であり、取り違えた病院側の重大な過失は明らか。待ち望んだ妊娠が中絶という結果となった精神的苦痛は深刻」と主張。 県側は「2人分の受精卵の容器を1つの作業台に置いたことは軽率だが、故意に近い過失があったとする『重過失』にはあたらない」と反論。賠償金額などでも争う姿勢を示した。 訴状によると、同病院で不妊治療を受けていた女性は平成20年10月、人工授精で妊娠したが、病院側から移植した受精卵を取り違えた可能性が高いとの報告を受け、同年11月、人工妊娠中絶したとしている。