人工知能(AI)がもっともらしい文章を書き、瞬く間に拡散する現代。情報の真偽を見抜くすべは-。専門のフランス文学・思想の枠を超え、自分で考える力を育む教養の大切さを訴えてきた東大名誉教授の石井洋二郎さん(73)は「人間の尊厳は考えることのうちにある」と説く。近著『教養の鍛錬 日本の名著を読みなおす』を出版した集英社新書編集部の会議室で話を聞いた。
東大の特徴的な教育制度である前期教養課程、およびその先に控える進学選択制度。前期教養課程の2年間で「『夢を語るためのボキャブラリー』を育んでください」と、今年の入学式で真船文隆大学院総合文化研究科長・教養学部長は新入生に送った。しかしその制度がゆえに、待ち受ける進学選択ばかりを意識して前期教養課程を消費してしまう学生もいる。進学選択制度はどうあるべきなのか。前編では進学選択の変遷を振り返り、学生の視点から進学選択制度の在り方を考える。(構成・渡邊詩恵奈、取材・岡拓杜) 【後編はこちら】 「点取り主義」にどう向き合う 進学選択制度を考える【後編】 東大は2年生Sセメスターまでの成績と志望に基づいて後期課程の進学先が決まる。この制度により、入学時の科類とは関係なく、場合によっては文理を越えて後期課程の学部が選択でき、入学後の学びを踏まえた進路選択が可能になっている。後期課程で倍率の高い学科やコ
「問いに対して、すぐに答えがほしい」「早く答えを出したい」という感覚があり、だからこそ1つの問いに対して粘る、ということがだんだん難しくなってきているのではないか、と。そうした状況は、大きな問題なのではないかと私は思うのです。 これは私の持論ですが、生きていくうえで「答えのない問い」に対して考える時間を持つのは、とても重要になってくると思います。「自分はどう生きるべきなのか」「どんな進路に進んでいくべきなのか」「幸せになるにはどうすればいいのか」。 生きていくうえで重要になってくる問いのほとんどには「答え」は存在しておらず、その「答え」を考えるまでに費やした時間が、自分の価値観として育っていくのではないでしょうか。 しかし、今の生徒たちはその「答えのない問い」に対して、粘って考えるという経験が少ない場合が多いです。この状態だと、人生の中で重要な選択をする際や、困難な状況に陥ったときに、「粘
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2024年度の一般入試において、理学部は受験者2名を追加合格とした。京大によると、入学者が「定員ちょうどになるように」合格を出していたが、2名が辞退したため、繰り上げを行ったという。 京大は公式HPで、入学辞退に伴う繰り上げ合格について「欠員が生じた場合に追加合格を行う場合がある」としている。最近では16年度入試において、医学部が2名の繰り上げ合格を出した。理学部での繰り上げ合格は、05年度入試以来19年ぶりとなる。 追加合格者は3月28日、理学部教務から電話で合格を通知され、入学や履修の手続きを教務とメールでやり取りしながら行った。新入生は通常、第二外国語やILASセミナー(1回生向けの少人数授業)の希望登録を3月中旬に行うが、追加合格者は電話連絡の翌日午前10時までに希望を提出するよう求められたという。クラシスやPandAといった学生向けシステムへの登録は入学後に行った。 追加合格者の
教養教育高度化機構シンポジウム2024 「東京大学のEducational Transformation:教養教育の質的転換」2024年3月15日(金)開催 教養教育高度化機構シンポジウム2024 「東京大学のEducational Transformation:教養教育の質的転換」を開催いたします。 多くの皆様のご参加をお待ちしております。 日時:2024年3月15日(金) 13:00~17:30 開催形式:ハイブリッド [会場参加/オンライン視聴]、事前登録制(会場参加定員:180名) 場所:東京大学駒場Ⅰキャンパス 18号館ホール(オンライン参加可能) 主催:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 教養教育高度化機構 企画:Educational Transformation部門 概要:2023 年 4 月、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構に Educ
科学技術の発展に伴い、分業が進む現代社会。広く浅く何でもこなせるゼネラリストより、特定のことについて詳しい知識や技術を持つスペシャリストの方が重用されるのは当然です。理系より文系は軽視されがち。教育課程でもSTEM(理数系科目)と比べて教養科目の重要性が低下しています。 とはいえ、教養は無用という訳ではありません。人間の精神性に深く関わるものであり、我々が誇りを持って人間らしく生きていくために欠かすことの出来ないバックボーンと言えます。読売新聞の朝刊は、世界秩序の変遷を論じる文脈において、20世紀以降の東西両陣営の文学や音楽、映画作品を多数紹介していました。「人間の精神の領域に関わる文化に、優劣はつけられない。それでも結果として、西側陣営の文化は質量ともに東側を圧倒した」と結論づけています。 翻って現代を考えてみましょう。文化は国境を越えて拡散するようになりました。日本人も海外の教養を多少
上智大学は、2022年12月15日(木)に、基盤教育センター開設記念シンポジウム「学び続ける時代の基盤教育」を、対面・オンラインのハイブリット形式で開催します。 上智大学では、2022年度より、「生涯学び続けるための基盤を身につける」新たな教育体系を「基盤教育」として導入し、全学の1年生から4年生を対象とする全学共通教育を刷新しました。専門科目を学ぶ前のいわゆる“一般教養”と見なされることが多い全学共通科目を、語学科目や学部学科の専門科目と高学年まで連携させ、導入レベルから応用まで全ての学生が4年間を通じて学べるように設計されているのが大きな特徴です。また、入学前準備科目として「学びを学ぶ」の提供も開始しました。 本シンポジウムでは、この新たな教育体系の導入について振り返るとともに、「大学は何処へ 未来への設計」等の著書で大学論を展開されている吉見俊哉氏(東京大学大学院教授)による基調講演
本学の学びの根幹であるキリスト教の精神に基づくリベラルアーツ教育は、長年の伝統と実績に裏打ちされ、確固たる歩みを続けてきました。その教育目的は広い識見と創造性を備えた「専門性をもつ教養人」として、現代社会のさまざまな課題を自ら解決できる人物を育成することにあります。現代社会は、めまぐるしく動いています。どんな時代が到来しても、どんな社会状況になっても、これに対応する学びの根をしっかり張って、新たな知を獲得し、行動に繋げる、実践的な知的活動が求められています。従来は、副専攻制度や所属する専攻以外の専攻の授業を自由に履修することにより学際的な学びを可能としてきましたが、そうした学びを一層具現化した科目群として「知のかけはし科目」を新設します。 知のかけはし科目の新設 異なる学問領域の教員2名によるティーム・ティーチングを導入し、教員同士が一つの課題についてダイナミックに議論を交わし、学生とアク
大学で数学を専攻しており、生命保険会社に入社して、保険数理の専門家としてのアクチュアリーの資格を取得して、その関係業務に従事してきたことから、一般の方々に比べれば数学との関りが強い生活を送ってきている。そうしたこともあって、弊社のコラムにおいては、一人でも多くの方々に、数学の魅力を感じて、数学への興味・関心を有してもらえればと思って、数学に関係する話題を取り上げてきている。 数学と言えば、つい最近「三角関数を高校で学ぶ必要があるのか」が話題になっていた。いわゆる優先順位の問題として、これからは「金融教育等の方がより大事」という意味の問題提起がなされていたようである。金融業界に身をおいてきた者として、金融教育の重要性も強調したいが、一方で、やはり現在の各種技術の根底を支える基礎的概念として、仮にそれが十分に理解されない形になっていたとしても、高校ではやはり全員に三角関数を教えて、三角関数がど
若者の県外流出が続く秋田県にあって、2004年の開学当初から多様な人材を全国から呼び込み続けているのが、秋田市雄和椿川の国際教養大学(AIU)だ。木々に囲まれたこの小さなキャンパスには一体、どんな魅力が詰まっているのだろう。5回続き。 ◇ ◇ 7月17日、AIUで3年ぶりに来場型のオープンキャンパスが開かれた。全国各地の高校生ら349人と、その保護者でキャンパスはごった返した。併用して行ったオンライン型プログラムにも501人がエントリーした。 オープンキャンパスに参加する高校生ら=7月17日 この日の参加者は合わせて850人。AIUに在籍する全学生数に匹敵する数で、その約9割は首都圏や関西圏を中心とした県外勢だった。開学から18年余りたった今も、高い人気が続いていることが分かる。
音大、美大は合体すべき!? アートの社会的役割を考える「音楽教育の未来は明るいのか?討論会その2」 2022/8/29 8:56 (2022/8/29 9:42 更新) 9月25(日) 18:00- 音楽未来人教養講座 #008 https://miraijin-08.peatix.com/ 株式会社インビジ(代表:松尾謙二郎、以下インビジ)と、多目的スペース「御茶ノ水RITTOR BASE(リットーベース)」(運営:株式会社リットーミュージック)は、音楽ビジネスの未来を多彩なゲストとともに考える連続イベント 「音楽未来人教養講座」第8回を9月25日(日) に開催します。 本イベントは、音楽を仕事にしている人、今後仕事にしていきたい人を主な対象に、音楽の新しい価値や、音楽を含むアート全般の社会的意義など、既存のビジネスモデルに捉われない幅広い視点を提供する番組です。各回テーマを設け、専門家
さまざまなことが不確実で先が読みづらい時代を生き抜くため、ビジネスパーソンが身に付けたい真の教養力とは? 単なる知識の蓄積ではなく、仕事や人間関係に生かせる、これからの「教養力」について組織のリーダーやオピニオンリーダーと考えます。 (1)「教養=知識をたくさん持つ」は大誤解 東大教授が解説 ←今回はココ (2)カルティエ ジャパンCEO 自分軸で考えるための教養 (3)オフは「変な予定」でいっぱい マネックス社長清明祐子 (4)アクサ生命社長「絶対こうだ」と思ったらバイアスを疑う (5)成毛眞 最先端の科学こそ教養 ウィキとNHKを活用 歴史や文学、芸術など、幅広い分野に造詣の深い、博識な人……。「教養のある人」と聞いて思い浮かべるのは、こうしたイメージではないでしょうか。ビジネスパーソンにとっての教養の重要性が注目される中、まずはその本質を正しく理解する必要があります。東京大学大学院総
皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。 また、ご列席のご家族の皆様方にも、心よりお祝い申し上げます。今年度の教養学部卒業生は175名で、そのうち女性は50名、留学生が1名です。 全学の式典はすでに午前中、改装されたばかりの安田講堂で挙行されましたので、ここでは教養学部として、あらためて皆さんとともにこの日を慶びたいと思います。 東京大学の卒業式といえば、もう半世紀も前の話になりますが、東京オリンピックが開催された年である1964年の3月、当時の総長であった経済学者の大河内一男先生が語ったとされる有名な言葉が思い出されます。曰く、「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」。 当時、私はちょうど中学校にあがる年頃でしたが、この言葉は新聞やテレビでかなり大きく報道されましたので、鮮明に記憶に残っております。また、子供心に、さすが東大の総長ともなると気の利いた名言を残すものだと、感心したこともな
【発表のポイント】 2022年度より、東北大学の教養教育「全学教育」※1の新しいカリキュラムがスタートします。 未来社会に立ち向かうために必要な基盤となる学士課程教育を構築し、初年次から高年次学生、大学院生までを接続するカリキュラムと、現代的なリベラルアーツ※2を体系化した分野横断型カリキュラムを実現しました。 情報通信技術(ICT)の高度化、グローバル化などの社会状況や教育環境の変化に対応した授業を推進します。 【概要】 東北大学では、未来社会に立ち向かうための基盤となる学士課程教育の新構築を重点戦略として掲げ、2018年度より全学教育の改革に取り組んできました。 改革以前と比較してリベラルアーツ教育をより未来社会に対応した形で強化するため、2022年度からのカリキュラムでは情報(数理データサイエンス)教育、国際教育、キャリア教育、地球規模課題からなる科目群を新設しました。体系化した分野
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