デフレーミング戦略で産業の大転換期を生き抜く 皆さんの中には、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」という言葉を飽きるほど聞いているという人もいるでしょう。デジタル技術を使って、業務を抜本的に変革し、大競争と不確実性の時代を生き抜く―。そのための専門部署を設置したり、チーフ・デジタル・オフィサーのような役職を置く企業も少なくありません。 一方で、デジタルで「どんな方向で」「どんな観点で」変革すればよいのか、手掛かりがなく困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「デジタルによる変革」には、単に便利なITツールを導入するというものから、自社の役割を見直すというところまで、非常に幅広い意味合いを含んでいます。 しかも、デジタル技術で変革を起こすことは今に始まったことではありません。コンピュータの歴史は、常に変革とともにあったと言っても過言ではありません。今、この時代におけるデジタ
現代のビジネスに「正解」はありません。社会や経済などの環境はつねに変化し、テクノロジーは劇的なスピードで進化し続けています。これまでの理論はあっという間に陳腐化し、柔軟かつ特定の領域に左右されないインターディシプリナリーな思考が求められています。 「因果応報」や「風が吹けばおけ屋がもうかる」という慣用句があります。一見何の因果もなさそうな要素同士でも、実は見えないところで連続していることを表現した言葉です。こうした言葉が存在するように、昔から私たちは物事のつながりを大切にしてきました。世の中の事象はさまざまな要素がお互いに影響を与えながら成り立っています。それぞれの「システム」が複雑に絡み合って、社会という巨大なシステムが動いているのです。それに伴ってビジネスはますます複雑化しています。 では、先が見えず正解のない現代において、そして複雑かつ巨大な社会システムの中で、意思決定をしなければな
IDEO Tokyoは、経済産業省と協業し、創造的組織の開発及び創造性人材のキャリア形成に関する調査研究を実施しました。その結果をレポート「進化し続ける組織へ 〜個と個をつなぎ、創造性を解放する〜」として公開しています。 「なぜ日本の組織では個の創造性を発揮することが難しいのか?」という問題意識のもと、さまざまな調査研究を実施。年代、専門性、性別などに多様性を持たせた「個と組織の創造性」に関する研究会を発足し、ディスカッションを重ねながら、同時にアーティストやスポーツ選手、デザイナーの方々へのインタビューを実施、そして国内外の中小企業、大企業に勤める様々な役職の方へのインタビューも行いました。文献や海外の事例に学ぶだけでなく、多様な方々と、とことん日本の組織に向き合ったのが、今回の調査の特徴です。 こうしたプロセスの中で浮かび上がってきたのは、日本社会における創造性に対する思いこみ。創造性
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滋賀県庁の職員有志が、デザイン思考の手法で県民の本音から政策を考えるべき、と県知事に提言した。中核となったのは地元の「Policy Lab. Shiga」という任意団体。デザイン思考による新たな試みとして注目される。 Policy Lab. Shiga は、滋賀県庁の職員有志を中心とした政策研究プロジェクトだ。滋賀県民の未来を考えることを目的とした、若手職員が中心の非公式業務といえる。「行政の仕事は、与えられたスローガンや事務分掌だけにしばられがち。滋賀県では“対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現”という理念が県行政経営方針で定められているが、もっと組織の枠を越え、県民の本音を起点にした共感に基づく政策形成ができないか、考えた」と、Policy Lab. Shigaの筈井淳平氏は言う。本音といっても、アンケートや統計データでは分かりにくい。そこでデザイン思考に着目し、人間を中心とした
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