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  • 問題と向き合う態度について - レジデント初期研修用資料

    それが勉強であっても遊びであっても、何かの問題に対峙したときには、まずはその問題とどう向き合っていくのか、自分の覚悟というか、計画を「これ」と定めておかないと、努力を積むときの効率がずいぶん変わってくる。 人間の先を超えた人 難しすぎて、人間には攻略不可能なんじゃないかと言われていた「怒首領蜂 大往生 デスレーベル」をクリアした人のインタビュー記事 が興味深くて、未だによく読み返す。 ゲームを攻略するときには、「リソース管理」と「クリア計画」という考えかたがあって、自分にはとても新鮮なものたに思えた。 <引用> クリアの計画とは普通のシューティングゲームを攻略する場合に使う大局的な考え方で、コンティニューしても何でも良いのでとりあえず1回ラスボスを拝むところまでプレイした後に、ラスボスを倒すためには何が必要かを見積ります。 具体的には、まずラスボスを確実に倒すためには残機が何機必要で、ボム

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    hiro360 2011/09/08
    『「努力すれば神様は見ていてくれる」という考えかたは、どこかで勝利を放棄している気がする。結果を必然にはできないにせよ、努力にはたしかに意味があって、その代わり、意味を持たせるためには計画がいる。』
  • 体質改善は怪我に効かない - レジデント初期研修用資料

    「根的な体質改善」はたしかに大事かもしれないけれど、たとえば怪我をしてまだ血が出ている状況においては、「絆創膏」のほうが役に立つ。 問題の解決には、状況に応じて選択されるべきやりかたは異なっていて、「根的」な解決というものは、もっと元気になってからでないと意味がない。 変革のありかたについて。 町の風景には意味がある 災害復興について、「委員会」みたいなものが作られて、議論が続いている。こういうところで提案された「画期的な解決」は、たいていの場合なにか別の問題を生み出して、個人的にはなるべく無難な提案に落ち着くといいな、と思う。 町の風景には、そうなった理由というものが必ずあって、変化を求める特別な需要もないときに、たとえば何かの事故みたいなものをきっかけに、一気にそれを変えようとするのは間違っている。どれだけ高邁な思想に基づいていたとしても、根的な変革というものは、必ずどこかに無理

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    hiro360 2011/05/09
    『自分たちの側からすれば、健康保険組合というのは、現場を見ないで数字だけ削る、理不尽な非効率な集団だけれど、現場から見た理不尽さは、裏を返せば違った価値軸で同じ業態を評価できているという証拠でもある』
  • 嫌われる相手のことを考える - レジデント初期研修用資料

    製品の開発であっても、サービスであっても、何か新しいものを作るときには、誰かに好かれるようなものよりも、むしろ誰かに嫌われるようなものを探していくと面白いような気がする。 大手からシェアを奪いに行くときには、どこかに「敵」を設定すると上手くいくのだという。大昔のペプシは、「ペプシジェネレーション」というキャンペーンを行って、高齢の世代を「敵」であると定義した。ペプシジェネレーションは若さの象徴になって、ペプシは高齢の世代から嫌われて、その代わり、若い世代と、「まだまだ若い」人たちからの支持を勝ち取った。 嫌われている人に学ぶ 誰かから「嫌われている人」を探して、その人から学ぶといいのだと思う。 どの世代からも支持されるような人はたくさんいるけれど、そういう人からは学べない。あの人たちは、単に「素晴らしい人物」だから支持されているだけで、そこから何かを学ぼうとしたところで、「世の中には、すご

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    hiro360 2011/01/20
    『製品の開発であっても、サービスであっても、何か新しいものを作るときには、誰かに好かれるようなものよりも、むしろ誰かに嫌われるようなものを探していくと面白い』
  • オムライスの底力 - レジデント初期研修用資料

    オムライスというべ物は、ファミリーレストランが外の代名詞だった昔、「2番手」を代表するようなべ物だった。 オムライスは、どこの洋屋さんであっても、材料の順列組み合わせで作り出すことができたから、 どこに行っても、メニューの片隅には、たいていオムライスが載っていたけれど、 レストランという「ハレ」の場にあって、オムライスはどこか日常を引きずっていて、 外に出向いて、あえてそれを頼む人は、当時は必ずしも多くない印象だった。 オムライスの専門店が流行ってる で、現代になって、「オムライスの専門店」というものがうちの県内にはいくつかあって、どこもけっこう繁盛している。 全国チェーンの支部もあれば、地元の養鶏所とタイアップしているのか、卵を売りにして、その中にオムライスの専門店を 置いているところもあるけれど、いずれにしてもメニューとしては洋一般、でも看板はあくまでもオムライスが主役であ

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    hiro360 2011/01/06
    素晴らしいアイデアの考察 『世の中には「2番目の選択肢」に甘んじている何かはけっこう多くて、あえてそれを主役にした見せかたをできると、物珍しさに「2番手の底力」みたいなものが加わって、時として上手くいく』
  • 失敗を生かすということ - レジデント初期研修用資料

    「マスメディアの陰謀」で、あまり報道されなかったデモについて考えたこと。 失敗の定義は難しい 思想的に偏った人たちが主導していたからだとか、デモなんて実は珍しくないんだとか、 恐らくは最初から、ニュースで流すには無理があった事例なのだろうけれど、 デモ行進を行った人たちが「ニュースで流されること」を目標にしていたのなら、今回のデモは、一応失敗したのだと思う。 失敗したときの振るまいかたで、それが当に失敗に終わるのか、それともそこから次を拾うのか、恐らくはずいぶん変わってくる。 失敗したときに、それを誰かのせいにして、「自分たちはすばらしいことを発信しているのに、誰かの陰謀で、あるいは誰かが無能に過ぎるから、 自分たちのすばらしさが伝わらなかった」なんて総括すると、失敗は、当に単なる失敗として終わってしまう。 失敗の中からだって、おそらくはたくさんの成功を拾い出せるのだと思う。 今回たと

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    hiro360 2010/10/07
  • 人型ロボには意義がある - レジデント初期研修用資料

    人型ロボットというものは、リアルを追求したSF世界では、しばしば無意味の象徴として描かれるけれど、 ロボットが安価になった未来においては、むしろ人型であることの利点というものが、人型の欠点を上回ることになるのだと思う。 ロボットコンテストのこと 今年のロボットコンテストでは、「ブロックをピラミッドに積む」という課題が競われて、中国のチームが圧勝したのだという。 ブロックを積み上げるという課題に対して、他の参加チームはみんな、自由に動かせる車台に、 操作できるアームを積んだようなロボットを提案したけれど、中国チームが作ったロボットは、 移動可能なロボットと言うよりも、むしろ精密な投石機のようなものだったのだと。 ルールブックに書かれていることを良く読んで、様々なやりかたを競わせて、試行錯誤を重ねた結果として、 優れた成績を上げた中国チームのすばらしさは疑いようがないけれど、ロボットにそこまで

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    hiro360 2010/10/01
    想像するのにかかるコストを、デザインが吸収できるよねってお話 「人より複雑なロボットアームは、こんどはできることが多すぎて、ユーザーが想像するのに必要な労力を、かえって増やしてしまうことになる」
  • 見解の否定と見解の相違 - レジデント初期研修用資料

    同じ意見の対立であっても、相手の見解を否定することと、相手との「見解の相違」を表明することでは、 意味あいが全く異なってくる。 危機管理の側面からは、衝突は、常に「見解の相違」を取ることが望ましくて、恐らくは、 ある事例に対して、自らの見解を持って臨める人というのは、そんなに多くない。 事実と見解を分離する 患者さんとのトラブル事例において、「ご家族の見解が病院側に一方的に否定された」り、あるいは逆に、 「病院側の見解が、あたかも全ての事実であるかのように伝えられた」ことが、原因の根になっているのだと思う。 その時実際に起きたことと、その時お互いが感じたこと、「事実」と「見解」というものは、交渉の席に、 一緒に並べられないと、恐らくはトラブルを生む。 訴訟になるような事例では、ご家族はしばしば、「事実が知りたい」というコメントを発信する。 事実というのはしばしば、「ご家族がそう思いたかっ

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    hiro360 2010/09/27
    「1回の譲歩で「次」の可能性を閉ざすことができて、けっこう上手くいく」
  • 通過儀礼が事後的に合理化する - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 通過儀礼が事後的に合理化する 日用品がプラットフォームになる 柔軟さのコスト 謝罪というもののありかた 約束志向について 次につながる制約のこと 「何もしないこと」を決断するとき 刑事尋問の今が知りたい 名前が実体を作り出す 流れに対する想像力 Recent Comments このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 12/29 元傍観者 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 日用品がプラットフォームになる 09/14 Tweets that mention ... 柔軟さのコスト 09/12 Tweets that

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    hiro360 2010/09/24
    「通過儀礼を意図した不合理を、あえて顧客に押しつけることで、そこからしばらく、その人の財布は緩んで、恐らくは満足度も高くなる。」
  • 日用品がプラットフォームになる - レジデント初期研修用資料

    古くから身の回りにあったり、日用品として親しまれている何かに、別のコンテンツを重積する仕組みを乗せて、 課金システムを整備すると、恐らくはそこに、なにがしかの人が仕事をしていけるだけのプラットフォームが生まれるのだと思う。 運動をメディアにする 子供が外で遊ぶときには、必ずを履く。子供用の運動に、RFIDタグの読み取り装置みたいな機能を付けると、 鬼ごっこだとか、ケンケンみたいな、足を使った昔ながらの遊びが、少しだけ書き換わる。 実物大の双六みたいな、あるいは陣取り合戦みたいな、子供の頃は、グランドにいくつもの円を手で描いて、 じゃんけんでルール決めて遊んでいた。「ここは1回休み」とか、「ここに止まればもう1回」とか、ああいうのを、 お互いの約束でなく、RFIDタグを仕込んだカードを使って明示的に示せると、遊びの質が変わるような気がする。 鬼ごっこの境界だとか、安全地帯みたいなルール

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    hiro360 2010/09/24
    「昔から身の回りにあるものも、機能を追加したり、バックグラウンドに物語を付加したりすることで、まだまだメディアとして、様々なコンテンツを乗せて、そこから対価を引っ張れるような可能性を持っている」
  • 謝罪というもののありかた - レジデント初期研修用資料

    Sorry Works という、米国医療の「謝罪」の教科書からの抜き書き。 日だとこう、謝罪というものが誠意の文脈で記述されることが多くて、個人的にはそういう立ち位置には違和感があったのだけれど、このが取りあげている謝罪というものは、けっこう実際的だった。 以下引用。 多くの人々が、謝罪するということと、責任を認めるということとを同一視してきた。両者は全く異なる考えかた 事実関係が明らかになっていない段階では、「全ては私の責任です」と口にしてはいけない。取り返しがつかなくなる 最初の段階では、たとえば「合併症について申し訳なく思います。何がおきたのか説明させて下さい」とか、「あなたの被った被害について申し訳なく思います。どうしてこういう事態になったのか、もう少し調べさせて下さい」と、謝意のみ表明して、責任の話題は出してはいけない 謝罪は2つの深度に分けて行う。最初の謝罪は、「申し訳ない

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    hiro360 2010/09/22
    「強欲でなく、怒りというものが、昔から訴訟の原動力」
  • 約束志向について - レジデント初期研修用資料

    恐らくは「最新の約束が最重要」というルールで、お客さんの問題を解決していくやりかたが、サービスとして、 顧客を最も快適にするのではないかと思う。 病棟移動のこと ずいぶん元気になった患者さんがいて、過去に何回か入院した経験を持つ方で、この人から、 「なるべく早く、リハビリ棟に行かせて下さい」という要望があった。 医学的にももっともなお話で、たしかにリハビリ棟のほうが、床の段差も少なくて、歩きやすかったものだから、 病棟の移動を手配して、移動できたのは3日後だった。 病棟を移動するに当たっては、病棟どうしで引き継ぎを行わないといけないし、ベッドの数だとか、その日に勤務しているナースの 数だとか、お互いの事情というものがもちろんあって、思い立ったらすぐ、というわけにはなかなか行かない。 一方で、病棟を移動しなくても、患者さんに対するケアは同じように行えるし、リハビリ病棟よりも、 急性期病棟のほ

  • おしまいの型というものがある - レジデント初期研修用資料

    型というと、構えだとか、刀の振りかた、あるいは駒の並べかたや進めかたみたいな、むしろ序盤の技術を形容するための言葉に聞こえるのだけれど、達人と呼ばれる人たちというのはたぶん、「おしまいの型」というものを体得していて、ここに向かって、状況を動かしていくのだろうと思う。 名将の勝ちかた 歴史的な「名将」と呼ばれる人たちは、たいていは一つの「勝ちかた」しかしないのだという。戦争を勝つためには練習が必要で、部隊は大きな集団だから、一つの戦術をものにするには、とても長い時間がかかる。戦術というのは、だからいくつものやりかたに習熟することは不可能で、たくさんの戦術に手を出す将軍は、戦争で勝つことはできないのだと。 それは将軍であっても、エースパイロットや剣術の達人であっても、達人と呼ばれる人たちは、恐らくは一つの戦術を、「おしまいの型」として持っているのだと思う。達人にとっての戦いは、相手をある状況に

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    hiro360 2010/06/25
    『達人にとっての戦いは、相手をある状況に追い込むまでの工程であって、その状況が成立したらあとは機械的な作業になる。ルーチンワークは鍛えることができて速く確実なものになるから得意な型にはまれば負けない』
  • 謝罪は切り返しの出発点 - レジデント初期研修用資料

    謝罪というものが、事実と感情とを切り離す道具なのだとしたら、説得という行為は、事実に対してその人が抱いた感情を表明して、生み出された感情と、相手の行動とを接着しようとする試みなんだと思う。 無理矢理の「説得」に対して、素早く「謝罪」を行うことで、問題は初めて、事実だけを扱える。謝罪なしに事実を論じると、恐らくはもっとこじれる。 事実と感情が手をつなぐ 麻薬系鎮痛薬の中毒になった人が、救急外来にはたまに来る。 何かの病気を訴えて、ものすごく痛がって、診断書は持ってるなんて、文字のかすれた、診断書のコピーを見せる。大学名のところはにじんで読めなかったりする。こういう人には、麻薬の処方を行ってはいけないとされているんだけれど、断るのはそれなりに難しい。たとえばこのとき、患者さんが持ってきた診断書を「偽物だろう」なんて断じるのは最悪で、泥沼になる。 患者さん人は、「痛い」といって病院に来ている。

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    hiro360 2010/06/14
    『こういうときの正解は、主治医の側から「私は無能すぎて、あなたの痛みがどの程度なのか、麻薬を処方するに値するものなのかすら、判定できません」なんて、ひたすら謝り倒すことなんだと思う。』
  • 理解は大切 - レジデント初期研修用資料

    交渉ごとというのは今のところ、「理解」「説得」「納得」というのが基的な流れであって、納得が達成できなかったときに、話を切り返す起点としての「謝罪」というものがあって、交渉は、このサイクルを回しながら、最終的な「納得」へと導く技術なんだろうと考えている。 いずれにしても、交渉のはじめには「理解」があって、相手に対する理解と、自分自身が何を知っていて、何を知らないのか、きちんと理解していないままに臨んだ交渉は、グダグダになってしまうのだろうと思う。 昔話 3年目ぐらいの頃、僻地の施設に飛ばされていて、患者さんを「追い出す」役割を仰せつかったことがある。 80歳をずいぶん過ぎた糖尿病の患者さんで、糖尿病のコントロール中だったのだけれど、夜になると居酒屋さんに飲みに行ったり、インスリンの量を勝手に変えてみたり、病棟でたばこを吸ったり、とにかく問題が多かった。 その施設に来たばかりの頃、看護師さん

  • むかつく人のこと - レジデント初期研修用資料

    自分の人間性に問題があると言われれば、これはもうそのとおりとしか言いようがないんだけれど、 いろんな人と喋ったり、何かをお願いする機会があって、「この人は使える」なんて感じる人と、 話していてもなんだか暑苦しいというか、「この人は使えないな」なんて感じる人とが明らかにいる。 誰かの評判が、医局で話題になることは滅多にないんだけれど、その人の使える、使えないという感覚は、 他の先生がたを見ていても、ある程度共通しているように思えて、その感覚は一応、 個人的な好き嫌いとは、異なっている気がする。 恐らくはたぶん、その人の「使える度」というものは、仕事の成果だとか、成功率なんかとは、事実上無関係なのだと思う。 どうしたってバイアスがかかる 当直をするときには、いろんな職種の人と一緒に泊まることになる。ものすごく気がつく人もいれば、 何かをお願いして、けっこうな確率でそれを忘れてしまう人もいる。

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    hiro360 2010/05/24
    『適切な制約のデザインが、「使える人」を増やす』
  • 「つまらない」は正義 - レジデント初期研修用資料

    口蹄疫の事例 についての、「私自身はやってきたことに全く反省、おわびすることはないと思っている」というコメントを見て思ったこと。 誤解を設定して、それに謝罪する 口蹄疫の対応にはマニュアルがあって、実際のところ、政治家の人に判断できることはそれほど多くないみたいだから、大臣が語っている言葉それ自体は、決して間違いではないのかもしれないけれど、クライシスコミュニケーションの基を大きく外しているような気がした。 記者会見が開かれた時点で、メディアの人たちはたぶん、「問題があって、責任者は大臣である」という認識を持ってそこに来ている。問題のないところに、メディアの人たちに「問題がある」と思わせてしまったこの状況で、行われるべきは「相手の誤解に対する謝罪」であって、問題の否定ではないと思う。 問題がない状況で、「問題がない」と断言するのは悪手であって、こういうときにはたぶん、「問題があるという誤

  • 根暗な報酬のこと - レジデント初期研修用資料

    ある日のテストが60点で、頑張って次回80点取れた子供がいたとして、その子はたぶん、「20点増えた」という喜びと、「20点分見下せる奴が増えた」という、根暗な喜びとを、報酬として体感することになる。 努力や頑張りの報酬には、明るく表明できるものの裏側に、必ず根暗な何かがセットになっている。人を誘ったり、説得するためには、もちろん「明るい報酬」を前面に出さないといけないのだけれど、報酬には、常に根暗な側面がセットになっていて、そのことに自覚的でないと、どこかで上手くいかなくなるような気がする。 「明るい報酬」は希望を生むけれど、「根暗な報酬」は、自意識の地盤を固める。脆弱な地盤の上に、希望のお城を打ち立てて見せたところで、お城が大きくなるに連れて、いつかは地盤ごと、お城が倒壊してしまう。 自尊心の不足で疲労する 新しい学問だとか、仕事を立ち上げるときにけっこう大切なのは、「そこで働く人が自尊

  • 親の目線について - レジデント初期研修用資料

    謝罪というのはもちろん、来は失敗と紐付けられないといけないのだけれど、謝罪という行為、あるいは誰かから怒られるという状況それ自体が、問題の解決と紐付けられている人というのが、たぶん社会には、一定の割合でいるんだろうと思う。 昔は怒られた 小学生の頃は、怒られることというのは「みそぎ」になっていた。酷い嘘をついて、なにかをごまかして、それがばれたら、とりあえずそこいらにいる大人から怒られて、泣かされたら、両親はそれで許してくれた。問題は全然解決されていないんだけれど、そこから先のことは、大人が考えてくれた。 子供の頃は、周りを見渡せば「雷オヤジ」という役回りの人がいて、子供を叱って、殴るふりして、子供が怖がって首をすくめたら、ガハハと笑って、問題はそれで終わったことになった。 子供というのはけっこうしたたかだから、「ガハハ」が3回も繰り返されたなら、誰もが手段としての嘘泣きを獲得できる。頭

  • 会話タグは便利 - レジデント初期研修用資料

    病棟のローカルルールで、たとえば急変のコールだったら「急変です」とか、指示の確認をしたいだけなら「確認です」とか、看護師さん達に、会話を切り出す前に、これから話す内容の「タグ」を宣言してもらうようにしているんだけれど、これだけのことで、ずいぶん快適になる。 丁寧な言葉は疲れる 今はたぶん、日中どこの病院に行っても、病棟と医師との通信手段は院内PHSだと思うけれど、看護師さん達はたぶん、「丁寧な会話を心がけましょう」なんて教わっているものだから、電話を取って、必ず最初に、挨拶が始まる。 会話の内容は、単なる確認であったり、書類の書き忘れを指摘するためであったり、あるいは患者さんが今そこで急変していて、今すぐ来てほしいという内容であったり、病院で交わされる会話には、さまざまな重要度があるのだけれど、最初は必ず挨拶。 自分たちの側は、これから始まる会話が、どんな重要度なのか、電話からそれを推し

  • 不便が強みになる - レジデント初期研修用資料

    お金というものは、 「説得力のある不自由」を提案できた人に対して支払われる者なんだと思う。 消費者にとっては、便利になるほうがもっとありがたいのだけれど、便利からはお金が逃げていく。 売るものだとか、情報それ自体の価値というものは、もちろん粗悪品よりも良品のほうがうれしいけれど、銭勘定だけを考える上では、恐らくは「良さ」というものには、それほど大きな意味はないのだと思う。 情報は自由になりたがる 情報は自由になりたがるけれど、自由からはお金も逃げていく。 物から自由になった、純粋な情報に近い、インターネット上のテキストだとか、アプリケーションは、それ自体からお金を得ることが、しばしばとても難しい。 情報が便利になればなるほどに、お金はそこから逃げていく。裏を返せば、情報という物に、何かの不自由を付加したものがメディアであって、不自由を付加されて、初めてその情報は、お金に紐付けられるのだと思