近い将来、米ニューヨークの地下鉄の車両の約半数が川崎重工業製になるかもしれない。ニューヨーク市交通局が最大で1612両の新型車両を川重に発注することを決めたからだ。川重は1982年以降、2200両超を納入。すでにニューヨーク市営地下鉄の3分の1を占めており、技術や納期の信頼性などの実績が評価された。 川重は今月下旬、535両を約1581億円で受注する見通しになったと発表した。そこに、追加で最大1077両を受注できる契約も盛り込まれた。納入されれば、更新される車両を差し引いても、約半数の車両が川重製になる計算だ。 今回の入札では、世界最大の鉄道車両メーカーである中国の「中国中車」とカナダの「ボンバルディア」の連合と競合した。だが、過去にボンバルディアが納入を2年以上遅らせた経緯があり、より納期に厳格な川重が選ばれたという。ニューヨーク地下鉄では、車両の老朽化が進む一方、利用者は増えていること