東北大学大学院歯学研究科の助教が、今年3月の日本細菌学会総会で賞を受けた論文を含む複数の論文でデータ捏造(ねつぞう)の疑いを指摘されていることが16日、分かった。学会から報告を受けた同大は調査委員会を設置、事実関係の確認を急いでいる。助教の担当教授は産経新聞の取材に対し、助教が疑惑を全面否定していることを明らかにした。同研究科の笹野高嗣科長は「疑惑が指摘されているのは事実。委員会の調査結果を待ちたい」と話している。 関係者などによると、助教は今年3月に、「口腔(こうくう)粘膜上皮の自然免疫応答」などに関する研究論文が評価され、日本細菌学会から40歳未満の新進研究者に与えられる「黒屋奨学賞」を受賞した。 しかし、学会員から「論文の作成経過について調査する必要があるのではないか」との指摘を受け、細菌学会の理事会は6月23日、調査委員会を立ち上げて海外の学術誌に掲載された受賞論文などを予備的に調