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ブックマーク / deadletter.hmc5.com (7)

  • 「一意的な解」を僭称する人々 (Dead Letter Blog)

    前回のEntryの補足。 それほど注意深く読んでもらわなくても分かると思うのだけれども、別に僕はジェイコブスの「2つのカテゴリー論」を前提にしていない。僕は単に「普遍的な倫理」、もっと分かりやすく言えば、「あらゆる局面において適用しうるモラル」など「存在しない」ということを前提にしているだけなのだ。 ところで僕は先日、俳優の吉田栄作が「R25」のインタビューで興味深い逸話を披露しているのを見た。彼はまずインタビュアーに「自衛隊員にとって最も重要なスキルはなんだと思うか」と問いかけ、最新作の映画の役作りの為に入隊した自衛隊の部隊の上官が教えてくれたことを得意げに披露したのだ。ちなみに彼が言うには、それは「使命感」なのだそうだ。まず指令があって、ターゲットに向かっていく以上、それだけに貪欲であらねばならないまず使命感。体力も頭脳も思いやりも、それを全うするために必要なだけ。「劇中で、3年間行動

  • 「政治性」への感性について (Dead Letter Blog)

    天皇と中国政府の要人の会見の設定について各紙「天皇は政治的に中立であるべき」・「政治に巻き込むな」と猛反発をしている。それじゃ、天皇の政治利用の最たるものだった1992年の訪中時の社説を幾つか拾ってみよう。まずは読売新聞の社説。もちろん、天皇の政治的利用は憲法上も許されない。政治的権能のない象徴天皇の外国公式訪問は、国事行為に準じる公的行為として内閣の責任で行うべきものだが、国家間の“儀礼”と思ってよい。訪中も個々の政治問題を超越した友好親善訪問とすべきだ。結果として、日中の国民感情に一つの区切りがつき、アジアの安定につながるのは、望ましいことでこそあれ、政治利用ではない。招請に応じないことで日中関係を後退させてはなるまい。訪中での「お言葉」については、わが国は日中共同声明で「中国国民に重大な損害を与えた」責任を反省していることだし、国民感情を踏まえたお気持ちと平和な世界への願望を表明され

  • デマを指摘することの意味 (Dead Letter Blog)

    ここに一組の夫婦がいる。彼らは浮気をしてもいいということを暗黙の内に認め合っている。もしいきなり夫が、進行中の浮気について赤裸々に告白したら、当然ながらはパニックに陥るだろう。「もしただの浮気だったら、どうしてわざわざ私に話すの?ただの浮気じゃないんでしょ?」何かについて公に報告するという行為は、中立的ではありえない。(…中略…)秘密の情事についてたんに何も話さないことと、それについて何も話さないと公言することとの間には大きな違いがある(「いいかい、ぼくには人間関係すべてを洗いざらい君に話さない権利がある。ぼくの人生には、きみにはまったく関係のない部分があるんだから」)。後者の場合、暗黙の約束が明るみに出たとき、かならずやこの宣言そのものが更なる攻撃的なメッセージを発することになる。 学問の世界で、同僚の話がつまらなかったり退屈だったりしたときの、礼儀正しい反応の仕方は「面白かった」と言

  • 「叩くこと」こそ目的? (Dead Letter Blog)

    インターネット上では「趣味・嗜好に少しでも支出する人間はその時点で支援を受ける資格がない」ということになっているらしい。 「派遣村 タバコ」・「派遣村・煙草」・「派遣村・酒」(Google ブログ検索より) さておそらくこの不況は、派遣社員のみならず、早晩正社員のクビきりという事態を生じさせるだろう。気をつけた方がいい。まさかとは思うが、いまあなたは煙草はもちろんのこと晩酌さえも当然控えていることだろう。そんなことをしていたら困った時に助けられる資格を失ってしまうのだから。 煙草や酒に費やす金と時間があったらいくらでも資格を取ることも住居を見つけることも貯金することも出来るらしい。ちなみに日人が平均で吸うタバコの数は約7/日なので(派遣村の人がその平均だとして)それで節約できるお金は約100円/日。3000円/月である。…なるほど。 …議論を進めよう。まさかあなたは普段晩御飯に肉や刺

  • 「イモ」こそが擁護されるべき。 (Dead Letter Blog)

    でも、イモも大事だよ。イモこそが、ここで擁護される権利そのもの 日国憲法が体現するリベラルデモクラシーとはまず第一に「個人が尊重される」ことを基底とする。ところで尊重されるべき個人とはなんだろうか?言い換えれば「どういう個人」を尊重すべきなのだろうか?ざっくりと答えを言ってしまえば「そのような内実規定はない」ということになるだろう。 僕もあなたもそれぞれお互いに容易には理解されない嗜好・価値観を持ちそれに耽溺している。そしてそれは基的にはどこまでも肯定されるべきだ。「親から受継いだ農地を守りたいという気持ち」、「みんなで楽しく芋掘りをしたい気持ち」全て、まず第一に考慮されなければならない大切な権利である。それを「取るに足らない」と切り捨てる社会は、結局「僕もあなたも取るに足らない」とすることに躊躇いを持たないだろう。 mojimojiさんが紹介されている「いしけりあそび」の2つのEnt

  • シニシズムの放棄について (Dead Letter Blog)

    mojimojiさんの一連のEntry周辺の議論。 排外主義者、あるいは日曜サヨク 排外主義者、あるいは日曜サヨク、その2 排外主義者、あるいは日曜サヨク、その3 排外主義者、あるいは日曜サヨク、その4 論点は2つ。 ・ネット右翼がなぜ中国のチベット支配を批判できるのか? ・中国のチベットへの抑圧を批判する為に左翼・人権派とネット右翼・保守派は共闘すべきか? 前者について。左翼・人権派がチベット問題を「ネット右翼が満足するようなかたちでは」取り上げていないこととチベット問題に類する人権問題に関してネット右翼がどのような態度を取ってきたかということは同列に並べられるべきではない。 仮に左翼や人権派のチベット問題への関心が相対的に低かったとしよう。しかし人間が有限的存在であって、あらゆる問題へコミットすることはできない以上、それは矛盾とまでは言えない。もしチベット問題について左翼・人権派がどの

  • それぞれに違うけれど「一つ」 (Dead Letter Blog)

    「ホワイトカラーエグゼンプション」提案時の2ちゃんねらーの反応 →http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/892743.html →http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1029469.html 行政の長の「超過勤務」を正当化する言い草に反論する職員への2ちゃんねらーの反応 →http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1102983.html いや、興味深いです。かたや、「サービス残業に対する理解がまるでない」ことに非難が集中しているのに、かたや「サービス残業するのは能率が悪いから」ですか。もちろん同じ人が言っているわけではないのでしょうけど、同じ話なのに空気が「正反対」なのはどう理解したらいいのでしょうか。単に公務員が憎たらしい=叩ければ理屈は何でもいいとい

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