大阪府が全国で初めて、君が代の起立斉唱を教職員に義務付けた条例が、思想・良心の自由を保障した憲法に違反するかが争われた訴訟で、条例を合憲とした昨年10月の二審・大阪高裁判決が確定した。最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)が3月30日付の決定で、起立斉唱を拒否して府の処分を受けた男性教諭の上告を退けた。 府は、教職員に君が代の起立斉唱を義務付ける条例を2011年に施行。教諭は13年3月、勤務していた府立支援学校の卒業式で、職務命令に反して起立斉唱せず、減給1カ月の処分を受けた。このため教諭は、処分の取り消しと200万円の賠償を府に求め、大阪地裁に提訴していた。 二審判決は、起立斉唱は「慣例上の儀礼的な所作で、ただちに人の内心に踏み込むものではない」と指摘。一審判決に続き、職務命令の根拠となった府条例は合憲とした上で、減給処分も府の裁量の範囲内だとした。