橋下 徹・大阪市長が弁護士時代に書いた、知られざる著作物に関心を持つひとりの文学者がいた。高橋源一郎その人である。『心理戦で絶対負けない交渉術』と『どうして君は友だちがいないのか』。この2冊をテキストに、現・国民的人気政治家の正体解明に挑む。 文:高橋源一郎 写真:山下亮一 ※この記事は“次期総理レース”先頭馬(?)の深層を解剖する!「橋下 徹」的思考について【1】、【2】、【3】の続きです。 その発想はどこから生まれたのか 以上で、「橋下 徹」的思考の概要は、明らかになったように思う。そして、この概要を知れば、おそらく、誰でも、「橋下 徹」的思考を身につけることができるはずだ。だが、中には、「なんか、おれには無理」と思う読者もいるだろう。その理由は、おそらく勝つことがすべてという発想についていけないからではないか。そもそも、その発想は、いったいどこから生まれたのか。 「橋下 徹」的思