長崎の原爆で消失したキリスト教絵画を撮影したガラス乾板を手にする松本夏樹さん=堺市堺区で、幾島健太郎撮影 長崎への原爆投下で消失した浦上天主堂の宗教画「馬利亜十五玄義図(マリアじゅうごげんぎず)」のモノクロ写真乾板(ガラス製のネガ)を、大阪芸術大非常勤講師の松本夏樹さん(59)=堺市堺区=が保管していることが分かった。奈良・大和路の風景や仏像を数多く撮影したことで知られる写真家の入江泰吉(1905~92)が撮影に関わったもので、02年に大阪市内の古美術品店で購入したという。入江の戦前の原板は少なく、貴重な資料といえそうだ。 馬利亜十五玄義図は日本画の材料を用い、キリストや聖母マリアの生涯が15コマに分割して描かれた縦64センチ、横54センチの絵画。江戸時代に隠れキリシタンの家に伝わったとされ、明治時代以降、浦上天主堂が保管していた。 その写真は美術史家の西村貞が1945年1月に出版した専門