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ブックマーク / font-da.hatenablog.jp (12)

  • 「橋下は」ではなく「私は」何をするのか、と言いなおしていく - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    橋下大阪市長が、新しい仮想敵として、「学者」を設定している。「学者は現実を知らない」というのがスローガンである。学者なんてカテゴリーは、来はあまり意味をなさない。在野の学者もいるし、運動に加わっている学者もいるし、国際政治の裏側で動いている学者もいるし、アカデミズム内の政治ばかりしている学者もいる。けれど、橋下さんは、そうした現実を捉えるわけでもなく、なんとなく世の人が抱く「学者は暇そうで、好きなことばかりしていて、専門バカ」というイメージと、それに対する怒りや反発、嫉妬をつなぎ合わせて、見事に「学者がダメだから世の中ダメなんだ」という気分を盛り立てている。 学者の側が苦しいのは、半分は当だからである。現場のことを知らず、放言している学者は山ほどいる。私の学者に対する恨みは、橋下さんの比ではないくらい深い。だけれども、私は「学者が学者だから」問題があるのではなく、大学という制度が問題を

    「橋下は」ではなく「私は」何をするのか、と言いなおしていく - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)
  • 今年の10冊 - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    今年も大晦日に、「なんとかこれだけは書こう」と決意して、大急ぎでアップすることに。(今年発売した、という意味ではなく、今年の私の心に残ったという意味です) 大野更紗「困ってるひと」 困ってるひと 作者: 大野更紗出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2011/06/15メディア: 単行購入: 35人 クリック: 490回この商品を含むブログ (84件) を見る 今年の大ヒット作。大学院生だった大野さんが、突然の難病にかかり、生死の境をさまよいながら、生きていく術を身につけていく様子をつづったエッセイです。そして、大野さんが気付いたのは、難病患者は生きていくための社会制度が全く整えられていないということです。家族や友人に頼っていては、かれらが疲弊して潰れてしまう。だからこそ、国や地域の支援制度が必要なのだということを、命の危機に瀕しながらも理知的に解明していきます。それと同時に、大野さ

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  • 【震災】「避難」リスクと「被爆」リスクという変な二項対立について - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    id:tikani_nemuru_Mさんの「避難リスクは被曝リスクの何倍?」という記事が話題になっているが、このリスク計算はおかしい。 「避難リスクは被曝リスクの何倍?」 http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20110901/1314817487 この記事は、チェルノブイリ事故における「避難した場合の平均寿命の低下」と、「被曝して癌で死ぬ場合の平均寿命の低下」を比較して、「避難した場合のほうが平均寿命が短くなる」と結論付けている。そして、被曝するより避難する方が寿命が縮まるリスクが高いので、「フクシマ被災者は避難を避けるべき」だとしている。 どのような調査に基づいた避難住民の平均寿命低下のデータかわからない tikani_nemuru_Mさんが、チェルノブイリ事故における避難住民の平均寿命低下のデータとして出してきたのが、ドイツ「シュピーゲル」でのイ

    【震災】「避難」リスクと「被爆」リスクという変な二項対立について - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)
  • とりあえず、HIV抗体検査に行ったほうがいいと思う - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    先日、「HIVに感染した看護師に、病院側が退職勧奨を行った」と疑われるできごとが、新聞報道された。 愛知県内の大手病院で昨秋、エイズウイルス(HIV)感染が判明した三十代の看護師が退職に追い込まれていたことが分かった。看護師は「病院幹部から看護師としては働けないと言われ、退職強要と受け止めた」と話している。病院側は「退職を求める意図はなかった」と、退職勧奨を否定している。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010043002000046.html このニュースが、web上の掲示板で話題になった。 HIV感染の看護師「病院から退職を強要された」 病院「退職を求める意図はなかった」(痛いニュース(ノ∀`)) http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1469548.html この掲示板

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  • 新しい哲学のために - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    昨日、応用哲学会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jacap/index.html)に行ってきた。参加したのはワークショップ「生命の哲学の可能性」(品川哲彦、森岡正博)とシンポジウム「これが応用哲学だ!」(伊勢田哲治、茂木健一郎、森岡正博、戸田山和久)である。森岡さんの話が聞きたいと思っていたし、有名人の茂木さんの話をミーハー心で聞きたいとも思っていたし、真面目に「応用哲学という分野について知りたい」と思っていたので行ってきた。内容は、後日、youtubeにアップロードされるらしいので、詳しくは書かない。 雰囲気は、スーツの人も少なく、自由な発言が促される雰囲気だった。社会的な現実問題に直面し、そこから思考を始めようとする哲学を目指す人が多いようだ。社会学と哲学の間で揺れる(私のような)若者が集う場所になるのかなあ、などと思っていた。特に、シンポジウムの伊勢田さんや森岡さん

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  • 奥歯の痛みとしての民族主義 - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    彼は、自己紹介で「朝鮮人です」と名乗った。参加者の半数が在日コリアンであり、後の半数が日人であるような、学生の研究会の場だった。彼はかつて学生時代に民族団体の活動家であった。「朝鮮人です」という言葉が、事実を述べるものではなく、パフォーマンスであることはすぐにわかった。彼が「朝鮮人です」と言った瞬間、私の脳裏には「日人です」という一言がよぎる。このとき、私は自分の日人性を強く意識する。 私は日人であることを、普段の生活ではさして意識しない。なぜならば、日で暮らす限り、日人であることは自明であるとされているからだ。多くの日人にとって、自分の民族アイデンティティは、当り前すぎて不可視化されている。「民族にこだわってないんですよ」とすら言えるかもしれない。それがマジョリティの特権である。自らのルーツに立ち返り、何度も自問し、「朝鮮人です」と名乗ることを選びとった彼と、無知でいつづけ

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  • 私は鈍感さを肯定しない - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    id:mojimojiさんが、私が先に引用した西堂行人のピンター評を批判している。 mojimoji「政治的直接性からの逃走」 http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090130/p1 西堂さんは、ピンターの直接的でない政治的意見の表明を評価する。 ここでも「何も起こりはしなかった」が繰り返されている。ピンターの対応は絶妙である。決して感情的にならず、あくまで劇の対話のように、ユーモアとアイロニーを手放さない。それがために、かえってBBCの愚挙が鮮明になってくるのだ。あくまで「表現」を通しているから、その研ぎ澄まされた言葉は読者のなかに通り一遍でない感情を巻きおこす。 (http://booklog.kinokuniya.co.jp/nisidou/archives/2007/05/post_22.html) しかし、これは(良く読んでみればわかるが)西堂さんは

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  • 「赦し」の残酷さ - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    ある方にご紹介いただいて、「赦し」について聖書で述べられている箇所を読んだ。「マタイの福音書」18章21-35節である。 その時、ペテロが、イエスのそばに来て尋ねました。「先生。友だちが私に罪を犯した場合、何回くらいまで赦してやればいいでしょうか。七回でしょうか。」 イエスはお答えになりました。「いや、七回を七十倍するまでです。 天国は帳じりをちゃんと合わせようとした王にたとえることができます。清算が始まってまもなく、王から三十億円というばく大な借金をしていた男が引き立てられて来ました。その男は借金を返すことができなかったので、王は自分の身や持ち物全部を売り払ってでに返済しろ、と命じました。 ところが、男は王の前にひれ伏し、顔を地面にすりつけて、『ああ、王様。お願いでございます。もう少し、もう少しだけお待ちください。きっと全額お返しいたしますから』と、必死に願いました。 これを見て、王はか

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  • 「平均年収800万円が高い」という主張の根拠が主観では、単なるルサンチマンです。 - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    ブックマークコメントに >800万普通に高いだろJK というコメントをいただきました。(「JK」とは「常識的に・考えて」のことらしい)で、公立保育所の保育士さんがそんなガッポガッポ儲けてるとは思えないJK。 私もあまり保育の仕事には詳しくないが、適当にググってみた。すると「ニッポンの平均年収」というサイトを見つけた。保育士の平均年収は327万円である。こ、これは少なすぎる!と思うが、とにかく鈴木さんの指摘する平均年収800万円が桁外れに多い収入であることはわかる。さて、なぜか? 「公立保育所保育士年収」でググると、こんな記事↓が出てきた。 保育士の非正規率6割 自治労県部の07年度公立保育所調査(4/20) 県内の公立保育所に勤める保育士のうち、臨時や嘱託の非正規職員の割合は二〇〇七年度に58%に上り、自治労の全国調査でワースト2位だった前年度の57%を上回ったことが、自治労県部が七日

    「平均年収800万円が高い」という主張の根拠が主観では、単なるルサンチマンです。 - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)
    holyagammon
    holyagammon 2008/05/02
    “サラリーマンに置き換えれば、「会社役員の平均年収」みたいなもんだろう。そら多いわな。”
  • 市場原理はいいことづくめ? - キリンが逆立ちしたピアス

    今朝の日経新聞に「待機児童対策、市場原理で」という記事が出ていた。書いているのは、鈴木亘。鈴木さんは、次のように現状を捉えている。 少子化による税収減少を補うため、女性の労働参加を高める必要がある。そのため、保育所の待機児童の解消の政策が求められている。政府が立ち上げた「新待機児童ゼロ作戦」は金銭面から頓挫している。鈴木さんは、その予算を削減する提案をしている。 ↑この時点でいくつか突っ込みたくなるワードが頻出しているが、すごいのは次の分析である。 現在の認可保育所、特に公立保育所は、延長保育・休日保育実施率の低さやゼロ歳児定員の少なさからわかるように、利用者への質向上を図る動機がほとんど存在しない。 これは行政の割り当てにより、努力しなくても利用者が集まり、しかも費用が自動的に行政から支払われるという無競争状態にあることが原因だ。 これは、わざと嫌がらせで書いているのだろうか?それとも鈴

    市場原理はいいことづくめ? - キリンが逆立ちしたピアス
  • 橋下知事は被害者を見捨てるつもりなのか? - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)の、運営団体「大阪男女共同参画推進財団」を廃止する案が提出された。財政上の理由で、人件費や運営のあり方が問題視されている。要するに、赤字なのだ。 しかし、当たり前である。現在の日の社会では、民営でドーンセンターのような役割を果たす機関を維持することは不可能である。私は、性暴力、犯罪、DVなどで被害を受けた人の支援に関わる際、何度かドーンセンターを利用している。東京の支援関係者には、よく、「大阪はドーンがあるから羨ましい」といわれた。 ドーンセンターの3階は「サポート・カウンセリングルーム」になっている。心理相談、からだの相談、法律相談、不妊にまつわる相談を、面接と電話で受けている。すべて無料である。*1 多くの被害者は、金銭的に苦しい状況にある。民間のカウンセリングルームでは、一回の面接(50分程度)に五千円〜一万円くらいかかる。週に一回、安い

    橋下知事は被害者を見捨てるつもりなのか? - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)
    holyagammon
    holyagammon 2008/04/09
    "「被害者の気持ちを考えろ」とあれだけ言った人が、なぜ、被害者を見捨てようとしているのか。"
  • 姥捨て山の尾根を歩く - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

    ある主婦が私に囁いた。 「私、ボケたおばあちゃんを施設に入れてあげたかったの。」 在宅介護で、看取った女性は私に、近所の目を避けるように小声で言った。 私自身は、姥捨山問題とは、端的に「嘘つき・欺瞞」の問題だと考えている。すなわち、「出来るのに、しない」ということを、「出来ない」と言い放ってしまうことに問題があるのでは、と考えている。私が苦しむがいやだから他人を見捨てるのだと、言えばいいのではないか。もしくは、私はそう言わせたい。「いやだから、しない」ということを、「出来ない」と言い放っておけばとりあえずは「許される」、ここに姥捨山問題の萌芽があるような気がしている。「当は、出来るでしょう?」という声を封殺してしまうこと、ここにもまた姥捨山問題が論及する暴力が潜んでいるのではないだろうか。 x0000000000「姥捨て山問題をめぐって」『G★RDIAS』(http://d.hatena

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