小雨の降る肌寒い冬の朝、三ノ輪橋の「立喰い生そば 長寿庵」ののれんをくぐった。都電荒川線の三ノ輪橋停留場とは目と鼻の先、東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅からも歩いて5分もかからない。昭和通りを北に進み常磐線の下をくぐった先にある小さな立ち食いそば店だ。店前のガラス戸には飾り気のないお品書きが貼られている。 「立喰い生そば 長寿庵」の「天ぷらうどん」(税込340円) ご婦人がいる下町のお店 朝と言っても、訪問したのは9時過ぎ。通勤客を相手にした朝食のピークは一旦過ぎたと見え、店内に入ると客はいなかった。左手に厨房。それを囲むL字のカウンターにはスツールが5脚。右手側にはふたりがけの小さなテーブルが3脚置かれていて、計10人ちょっとの店内サイズである。 店はやや年配のご婦人がひとりで切り盛りしていた。軽やかな挨拶も、都心のチェーン店では得られない雰囲気だ。 メニューはごくごく一般的。天ぷら、月見