要旨 モータースポーツ世界最高峰のF1(フォーミュラ・ワン)において、輝かしい成績を誇る日本の自動車メーカーがホンダだ。2015年以降の第4期参戦は2021年シーズンで終了したが、同シーズンはドライバーズチャンピオン獲得で意地を見せた。ホンダF1の立役者の一人が、軽自動車N-BOX開発責任者も務めた浅木泰昭氏だ。 本書は、1981年にホンダに入社した浅木泰昭氏が、自身の技術者人生を振り返り、人材育成やリーダーの在り方について語っている。上司に文句を言う生意気な若造だった20代、変わり者の活躍で危機を乗り越えた経験、F1で世界一を達成した知見などから、F1参戦によって「危機に役に立つ人材」を育てられるという持論を展開する。扱いにくい変わり者や、「俺ならできるかもしれない」という変な自信をつかんだ人間を育てておくことが、危機に備えることにつながるという。 著者は1958年生まれ、広島県出身。第