最近、身近なところでも「糖質制限ダイエットを実行して痩せた」という声をよく聞く。白米や麺類、ビールなどを控え、糖質摂取量を減らして効率的に痩せるというこのダイエットは、今やポピュラーな減量法として受け入れられている。 科学的には諸説あるようだが、同ダイエット法で減量に効果があると感じる人は少なくない。毎日の食生活が私たちの身体に与えている影響の大きさを見せつけられる。 その視点は何も最近“発見”されたわけではない。毎日知らず知らずのうちに私たちの身体に影響を及ぼしている食習慣を、「寿命」という視点で調査した1972年初版の1冊の本を紹介しよう。『日本の長寿村・短命村』(サンロード出版)だ。 十数版重ねた初版は絶版となり、現在は「新版」として生まれ変わっているこの本は、東北大学名誉教授(衛生学)であった近藤正二博士(1893-1977)が36年の歳月をかけて日本全国の990か村を訪問調査した