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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (21)

  • 『理大囲城』と「公平な観察者」について - 梶ピエールのブログ

    genron.co.jp 先日刊行された『ゲンロン12』の東浩紀氏(以下敬称略)の論考「訂正可能性の哲学」を読んだ。これで、ゲンロン10から3号分の彼の長編評論を、比較的短期間のうちに読んだことになる。もちろん扱っているテーマは異なるのだが、そこに一貫する姿勢として、「中途半端な立場」からの社会へのコミットメントをどう倫理的に肯定するか、という課題が繊細な言葉で語られているように感じた。 僕はこれまでにも東の主な著作は読んでいたし、自分の書いたものにもしばしば引用はしてきたのだが、熱心な読者かというと必ずしもそうではなかった。『観光客の哲学』も出た時に読んでそれなりに面白い、と感じたものの、特に自分の仕事に結びつけて深く読み込むということはせず、そのままになっていた。 それが、ここしばらく、強い関心を持って読むようになったのは、やはり、中国研究を取り巻く状況がこの2,3年の間にそれまでとは

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    ilya 2021/10/01
  • 中国版「一匹と九十九匹と」−安田峰俊『八九六四』を論ず - 梶ピエールのブログ

    八九六四 「天安門事件」は再び起きるか [ 安田 峰俊 ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 歴史 > 世界史ショップ: 楽天ブックス価格: 1,836円 いっけなーい🔪殺意殺意💦私、中国ライター!天安門事件のルポを書いたの✨でもある日、海外中国語媒体が「安田氏は書の中国語版出版を希望」とかヨタ話を報じてもう大変💦中華圏各社が裏取りせず転載しまくるのもマジやめろ💣💥次回!「かくごしろ。それなら習近平体制を礼賛してやる」お楽しみに💕— 安田峰俊|『八九六四』増刷御礼|日首家80后亲党亲华共产主义战士,日杰出红色青年作家🇨🇳 (@YSD0118) 2018年6月18日 現在活躍する中国もののライターの中でも最も文才豊かな一人として知られる安田峰俊は、これまで硬軟取り混ぜ様々な仕事を手掛けているが、中でも角川書店からは『和僑』『境界の人』とかな

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    ilya 2018/11/01
    2018-07-08 「中国社会において「失せたる一匹を救う文学」をめぐる状況は戦後日本よりもはるかに絶望的//そのことを踏まえた上で、安田のような外国人によってこのようなルポルタージュが書かれた、ということの意味」
  • 共和主義ってなんだ?―稲葉振一郎『政治の理論』について− - 梶ピエールのブログ

    先週、京都でこの読書会があり、著者ご人も参加されるというので参加してきました。その後、このに関する考えや疑問点が徐々にまとまって来たので、ブログ記事の形で公表したいと思います。主催者並びに質問に誠実に答えていただいた稲葉氏に感謝します。 政治の理論 (中公叢書) 作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/01/17メディア: 単行この商品を含むブログ (16件) を見る ・・考えてみれば「共和主義」とは不思議な概念である。リベラリズムや「自由」に関するはたくさん出ているが、「共和主義」に関する書籍は専門書以外ではほとんどお目にかかることはない。「民主主義ってなんだ」、「立憲主義を守れ」という掛け声がデモで叫ばれることはあっても、「共和主義ってなんだ」という掛け声を私たち耳にすることはない。後で見るように、キャス・サンスティーンのような現代的な共和主義

    共和主義ってなんだ?―稲葉振一郎『政治の理論』について− - 梶ピエールのブログ
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    ilya 2017/12/17
    2017-08-28
  • お仕事のお知らせ - 梶ピエールのブログ

    神戸大学の学術成果レポジトリ"Kernel"で、過去に書いた文章が公開されましたので、以下にご紹介します。 「現代中国と「アジア的なもの」への視点: 瀬戸宏氏の批判に答える」 新左翼系のオピニオン誌『情況』に掲載された拙著『日中国、「脱近代」の誘惑』の批判への反論として書かれたものです。 情況 2017年 04 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 情況出版発売日: 2017/04/15メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る 日中国、「脱近代」の誘惑 ――アジア的なものを再考する (homo viator) 作者: 梶谷懐出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2015/06/06メディア: 単行この商品を含むブログ (19件) を見る 「Book Review 『リベラルな共和主義』は可能か」 『外交』誌に掲載された稲葉振一郎さんの『政治の理論』のレビューです。 政

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    ilya 2017/12/12
  • 「天皇に「私(わたくし)」なし」という神話 - 梶ピエールのブログ

    少し前のことになるが、事実上胡錦濤国家主席の後継者と目されている習近平国家副主席が訪問し、天皇との会見を行ったことが、天皇が外国要人と会見する際に通常適用される「1か月ルール」に従っていなかったとして物議を醸した。この事件はいくつかの点で非常に重要な意味を持っていると思うので、ここで改めて考えてみたい。 まず、目立ったのは産経新聞など右派系のメディアを中心にした、これは党内に権力闘争を抱える習近平が天皇の政治利用をしている、けしからん、という論調の批判的な報道であった。 天皇を政治利用している=礼儀知らず、という習氏への否定的なイメージは、たとえばこの後カンボジアの訪問の際に7月5日のウルムチの騒乱の際に亡命し難民申請を行っていたウイグル人20人の強制送還が行われたとの報道により、さらに強化されたかもしれない。 確かに、人道的観点からカンボジア政府の決定が責められるべきものであるのはいうま

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    ilya 2016/07/16
    2009-12-26
  • 反響について - 梶ピエールのブログ

    遅ればせながら、拙著について言及していただいたブログ記事を順次紹介していきたいと思います。またここでは紹介しませんが、twitterでもいくつか丁寧な感想をお寄せ頂いています。どうもありがとうございます。 稲葉振一郎氏(インタラクティヴ読書ノート別館の別館) 田中秀臣氏(Economics Lovers Live Z) 岡信広氏(岡信広の教育研究ブログ) 趙秋瑾氏(趙秋瑾の「窓際OLのコラム」) morningrain氏(西東京日記 IN はてな) ジキルとハイドの読書家氏(古虫がさまよう) akehyon氏(akehyon-diary) 小島正憲氏(清話会) Raccoon1980氏(たぬき日乗) Chinanews21氏(KINBRICKS NOW1、KINBRICKS NOW2) 麻生晴一郎氏(『北海道新聞』11月27日付「ほん」欄) ジュンク堂書店『書標』(2011年12月号

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    ilya 2015/06/20
  • 『進撃の巨人』と「単一権力社会」 - 梶ピエールのブログ

    中国、「脱近代」の誘惑 ――アジア的なものを再考する (homo viator) 作者: 梶谷懐出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2015/06/06メディア: 単行この商品を含むブログ (19件) を見る 下のエントリでも少し触れていますが、この度出版することになった拙著の見が届きました。今週末(6月6日)ぐらいから書店に並び始めるのではないかと思います。編集担当の赤井茂樹さんが太田出版に移ってから開設されたhomo viatorシリーズの、(あの國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)』に続く)2冊目のということになります。出版社の紹介ページと、目次は以下の通りです。 http://www.ohtabooks.com/publish/2015/06/06102743.html 日中の安全保障上の緊張と、いま復活しつつある脱近代の思想「アジ

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    ilya 2015/06/17
  • いただきもの - 梶ピエールのブログ

    中国エスニック・マイノリティの家族―変容と文化継承をめぐって (早稲田現代中国研究叢書) 作者: 新保敦子出版社/メーカー: 国際書院発売日: 2014/07メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 類書がほとんどない、貴重な研究成果だと思います。

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    ilya 2014/08/06
    中国エスニック・マイノリティの家族―変容と文化継承をめぐって (早稲田現代中国研究叢書)
  • お仕事のお知らせ - 梶ピエールのブログ

    中国経済史 作者: 岡隆司出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2013/11/20メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る 快著『近代中国史 (ちくま新書)』が絶賛発売中の岡隆司さんが編者となり、なんと古代から現代までの中国経済史を概観しようという野心的なテキストが出版されました。 以下は名古屋大学出版会のサイトより。 現在だけを見ていては中国はわからない。世界経済の中核であり続けたダイナミックな経済、しかし経済学の標準理論では歯が立たない。そのしくみを歴史から解き明かし、中国経済が今日抱える矛盾の由来をも示す。先史時代から改革開放までを一望する、わが国初の画期的通史。 で、なぜか私が近現代の部分を(加島潤氏と共同で)担当しています。いちおう「経済学の標準理論(?)」を分析のツールとして研究を行ってきた人間が上記のようなコンセプトのテキストを執筆してよいのか、

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    ilya 2013/11/13
  • いただきもの - 梶ピエールのブログ

    近代中国史 (ちくま新書) 作者: 岡隆司出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブログ (16件) を見る このところ驚異的なほどに精力的な執筆活動を続けている岡隆司さんによる近代中国史の入門書です。 中国史に関する常識を覆すような知見がわかりやすくコンパクトにまとめられており、現代中国に関心を持つ者にとっても面白く読めると思います。ぜひ一読をお勧めします。

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    ilya 2013/10/15
    岡本隆司『近代中国史』ちくま新書
  • お仕事のお知らせ - 梶ピエールのブログ

    日広東省と香港の滞在から戻ってきました。 中国土のホテルでネットにつないだら、朝日出版社のブログが丸ごとブロックされていて、ちょっとショック。どう考えても僕の連載が原因としか思えないので、*1なんか責任を感じてしまいます・・ さて遅くなりましたが今週月曜発売の、『週刊東洋経済』9月14日号のコラム「中国動態」に、中国企業の「旺盛な参入」がもたらす活力について、以前ここでも紹介した渡邊真理子さんの研究などを援用しながら考察する文章を書きました。 そこで一つのネタ元にしたのが以下のレポート(中文)。中国企業の「生存時間(設立されてから撤退するまでの年数」を調査したユニークなものです。 http://www.saic.gov.cn/zwgk/tjzl/zxtjzl/xxzx/201307/P020130730564994714471.pdf この報告書を初めて知ったのは、これを中国史の孫引き

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    ilya 2013/09/17
  • いただきもの - 梶ピエールのブログ

    ここのところこの手のエントリばかりですみません。 チャイニーズ・ドリーム: 大衆資主義が世界を変える (ちくま新書) 作者: 丸川知雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/05/07メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る この十数年にわたって中国の産業研究をリードしてきた丸川知雄さんが「現代中国経済入門」とも言えるような一般向けのを立て続けに出されました。 まず最初のは彼の前著『現代中国の産業』で全面的に展開された「垂直分裂」という現象の考察をさらに推し進めて、それがゲリラ携帯や電動自転車、太陽光パネルなど様々な分野で中国経済のダイナミズムをもたらし、「国家資主義」ならぬ「大衆資主義」ともいうべき、誰でもが資家になれるような「夢」のある社会が出現していることを説いたものです。 「垂直分裂」現象はグローバル経済の潮流と中国経済の伝統的な特質がマッチした例

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    ilya 2013/08/29
    丸川知雄
  • お仕事のお知らせ - 梶ピエールのブログ

    朝日出版社第二編集部のブログ「現代中国:現在と過去のあいだ」を更新しました。 第2章:左派と右派のあいだ──毛沢東はなぜ死な(ね)ないのか(3)── 今回は日の右翼/左翼と、中国の右派/左派の相互の複雑な絡み合いについて論じました。第2章の連載を通じて、松尾匡さんによる「右翼と左翼」の整理にかなりお世話になっています。 第3章では、「国家と民間のあいだ」というテーマにしようかと考えています。

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    ilya 2013/08/20
    2013-06-27 ▼朝日出版社第二編集部ブログ http://asahi2nd.blogspot.jp/2013/06/gendai7.html
  • 「普遍性」をいかに追求するか、という課題 - 梶ピエールのブログ

    人は中国をどう語ってきたか 作者: 子安宣邦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/11/21メディア: 単行購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 前回のブログ記事の最後に、このについて「書に感じた「ちょっと待てよ」という違和感の由来を整理してみたい」と書いた。同時に、「日中に通底する普遍的な(ぶれない)価値判断の軸を持つこと」および、「その価値判断の軸に照らして、それと大きくずれた現象が生じたときは、社会に対して何らかのアクションを起こす」ことをよしとする著者の姿勢に共感する、ということも述べた。 実は、僕が書に感じる第一の違和感も、後者にあげた日中間に通底する「普遍的な価値判断の軸」にかかわる。書の記述からは、それが大事だということはわかっても、普遍性を具体的に練り上げていくための、道筋が示されていないように思うのだ。例えば、書の尾

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    ilya 2013/02/22
    2013-01-27 『日本人は中国をどう語ってきたか』『和僑』
  • いただきもの - 梶ピエールのブログ

    中国台頭の終焉 日経プレミアシリーズ 作者: 津上俊哉出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2013/01/24メディア: 新書購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る 著者よりご恵投頂きました。ありがとうございます。各方面に目配りがきいており、現在中国経済が抱える問題点について頭を整理するには最も手ごろなだと思います。僕自身フォローしきれていない点に関する記述も多く勉強になりました。著者が強調している、人口減少による中国経済悲観論については個人的に異論もあるのですが、この点についてはもう少し考えを整理してから、改めてコメントしたいと思います。

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    ilya 2013/02/22
    中国台頭の終焉 (日経プレミアシリーズ)
  • 大阪府警による下地さんたちの逮捕・拘留に抗議します。 - 梶ピエールのブログ

    twitter等ではよく流れている情報なのでご存じの方も多いと思いますが、阪南大学准教授の下地真樹さんともう一人の方が、12月9日に「威力業務妨害」などの容疑によって自宅で逮捕され、現在も拘留が続いています28日付で下地さんともう一人の方が処分保留で釈放されました。ただ、同じ件で(別件で拘留中に)逮捕された別の方が起訴されたとのことです(下記の抗議署名サイト参照)。 下記のウェブサイトは、彼が積極的にコミットしてきた大阪の震災がれき広域処理反対運動に関わる人達による、(11月にも起きた逮捕劇への抗議として立ち上げられた)支援サイトです。 http://blog.goo.ne.jp/garekitaiho1113 また、ネットでの署名活動も始まっています。 http://keepcivicactivity.jimdo.com/ 上記のサイトにおける説明によれば、10月17日に、下地さんたちが

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    ilya 2013/01/03
  • アナーキー・イン・ザ・PRC - 梶ピエールのブログ

    先日、梅田の駅ビルに出来た映画館で、姜文監督の『さらば復讐の狼たちよ』を観た。評判に違わず、娯楽作品として完成度が高いだけでなく、今の中国を考えるにあたって格好の題材を提供してくれる傑作だと思う。この作品は特にリベラルな知識人層から絶賛されたと理解しているが、この作品で明らかになったのは、姜文のリベラリストというよりもむしろアナキスト的な側面だという印象を受けた。映画の内容とその政治的な「読み方」については、福島香織さんによる以下の記事が詳しいのでそちらを参照のこと。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120702/234035/?top_updt&rt=nocnt 上にも書いたように、姜文はどちらかというと左派よりはリベラル派に人気のある監督だと思うが、姜文自身の立ち位置は典型的なリベラリズムとはかなり距離があると思う。いわゆる

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    ilya 2012/07/13
    姜文監督『さらば復讐の狼たちよ』
  • 汪暉、重慶事件を語る(上) - 梶ピエールのブログ

    岩波書店の月刊誌『世界』7月号に、 北京の清華大学教授で新左派の代表的な論客、汪暉氏による「重慶事件──密室政治と新自由主義の再登場」 という論考が掲載されている。 中国の内外を問わず大きな衝撃を与えた事件に関する著名な知識人の発言であり、またその内容も色々な意味で興味深いものだった。論考の趣旨はおおむね以下の通りである。 1.今年二月に生じた王立軍の米国領事館駆け込み事件および薄熙来夫人である谷開来の英国人スキャンダルに端を発した一連の政治スキャンダルと、重慶モデルという「社会実験」の評価は、来区別して論じるべき問題である。 2.重慶モデルという社会実験は農村都市化をめぐる「地方間競争」の一つのモデルであり、もちろんその方式には賛否両論あったものの、基的にその成果は広く市民の評価に対しに開かれたものであった。それが今年の「両会」以来、「密室政治」のもとに葬り去られようとしているのは憂

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    ilya 2012/07/03
    ▼汪暉、重慶事件を語る(下) - 梶ピエールの備忘録。 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20120621/p1
  • イギリス帝国とアジア、日本 - 梶ピエールのブログ

    イギリス帝国の歴史 (中公新書) 作者: 秋田茂出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/06/22メディア: 新書購入: 3人 クリック: 90回この商品を含むブログ (22件) を見る グローバルヒストリーの成果を一般読者向けに説いた良書が目立つようになっている。羽田正著『新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)』が文字通りの入門編だとしたら、近代イギリス帝国の成立が世界史に与えたインパクトを、アジアにおける各国史の成果をふんだんに取り入れながら整理した書はその各論編といったところか。 書の詳細な内容については山下ゆさんがまとまりのよいブログ記事を書かれているので、そちらを参照のこと。 http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/51987700.html 僕自身の関心で言うと、以前に書いた以下のブログ記事の内容がが

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    ilya 2012/07/03
  • 日本は果たして中国化するのか?−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(後)− - 梶ピエールのブログ

    (承前)。第三部「財政と貨幣の特質」は、財政と貨幣制度について。個人的には専門上最も関心を持って読んだところ。専制国家と封建社会との異なる性質は、財政の大きな影響力とそれに規定された貨幣流通の仕組みにも現れている。 ここでは、貨幣のもつ二つの側面とその対比が強調される。一つは、ウェーバーなどによって強調された、共同体内の支払い手段としての貨幣=「内部貨幣」である。そしてもう一つの側面が共同体間の交易を仲介する手段としての貨幣=「外部貨幣」である。これはマルクスによって強調され、その後岩井克人や柄谷行人の貨幣論のよりどころとなったことで知られている。伝統中国の文脈では、前者を代表するのが銅銭あるいは元代に用いられた紙幣(紙製通貨)など、後者が銀であることはいうまでもない。 さて、銀が通貨として用いられ始めたのは明代になってからなので、それまでの非常に長い時間にわたって銅銭のみが貨幣として用い

    日本は果たして中国化するのか?−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(後)− - 梶ピエールのブログ
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    ilya 2012/04/12
    書評。 ▼日本は果たして中国化するのか?-足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(前)- - 梶ピエールの備忘録。 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kaikaji/20120405/p1