夢・アフォリズム・詩 (平凡社ライブラリー) 作者: F.カフカ,吉田仙太郎出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1996/06/12メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 81回この商品を含むブログ (33件) を見るカフカの夢日記やアフォリズム、散文詩などを収録した新書。特にアフォリズムが興味深く、「お前と世界との決闘に際しては、世界に介添せよ」を始めとして彼の思想家としての特異性を明らかにする言葉が溢れている。主体性の哲学やロマンティシズムの文学に従わず、彼は近代に向き合った。カフカの見た近代は、マックス・ウェーバーの見た近代に近いのかもしれない。それは、キリスト教的な「人間」が同時に行政的な「公民」であるという矛盾を抱えた時代としての近代である。 「どうやって世の中のことをうれしく思えるだろうか、そこへ逃げてゆくとき以外に?」(158) 「彼の疲労困憊は、死闘を終えた古代ローマの闘