「沖縄では戦争で県民の四人に一人に当たる十数万人が亡くなったそうです。本土決戦のための時間稼ぎとして戦った結果、多くの住民が巻き込まれ、命を失いました。戦争は、国のためにするのであって、そこに住む人は守らないのだと思いました。」 このしっかりした文章を書いたのは、15歳の時、故郷石川県を離れて、一人沖縄に向かい、珊瑚舎スコーレという名前の無許可の学校に通い始めた坂本菜の花さんです。彼女が高等部入学と同時に、北陸中日新聞で連載の始まった「菜の花の沖縄日記」(ヘウレーカ/新刊1728円)の中の一節です。 彼女が沖縄に行こうと思ったのは、中学の修学旅行で感じた漠然とした魅力からでした。沖縄にある面白い学校、珊瑚舎スコーレを見つけ、一人で故郷を飛び出したのです。高校3年間で感じたさまざまの事、例えば学校のこと、友人のこと、辺野古のことなど、彼女が見つめた沖縄の今の姿が、高校生らしい真っ直ぐな文章で