第1回,第2回で,概念データモデリングを行なう本当の目的は業務ルールの整理と分析にあることについて解説しました。ところが,概念データモデリングの重要性を理解して実際にモデリングを開始しても,実際には思うようにモデリングできない場合があります。そこで今回は,正しい概念データモデリングの方法を解説します。 ケース4 D社は,四輪エンジンのシャフト部品などを製造する金属部品メーカーです。今年度から取り扱い製品の大幅な増加が予想され,製造工程を統合的に管理する生産管理システムの導入を決定しました。システム化の対象範囲は,年間予算を作成する「営業部」,生産計画,製造指図,設計/材料情報を管理する「生産管理課」,工程進捗を見る「製造部」,品質情報を管理する「品質管理課」の4部門です。 情報システム部では,まずは業務を分析し新システムの概念データモデルを作成することになりました。ところが,初めて本格的に