長く閉鎖的で横の繋がりに欠けると言われてきた日本のゲーム業界ですが、ここ数年で大きく状況が変化してきました。今やウェブ/ソーシャルゲーム業界を含めれば、毎週さまざまなセミナーや勉強会が開催されています。その中でも歴史が古い団体がCEDEC、DiGRA JAPAN、そしてIGDA日本です。 しかし、それだけに関係者や活動内容が重複している部分もあるため、一見すると違いがわかりにくい面もあります。そこで三団体すべてに在籍し、重要な役割を担っているスクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏の呼びかけで、キーマン三人による鼎談が行われることになりました。 もっとも話はそれだけに留まらず、さまざまなトピックに飛び火し・・・。三者三様の価値観が見え隠れする、ユニークな業界鼎談をお楽しみください。 ■知ってるようで知らない三団体の成り立ち ―――今日はよろしくお願いします。はじめにお三方の自己紹介をお
本コーナーの連載を開始してちょうど20回目となる今回は、ソーシャルゲームというものに対して世間一般の人々がどういった適性を持っており、またそれがどのように類型化されるかという、マクロ視点によるユーザーセグメンテーションデータをご紹介いたします。 以前にも述べたことがありますが、このようなテーマの調査では被験者それぞれの本人意思を単純集計するような手法ではなかなかその本質に迫ることは困難です。そこで、今回も多変量解析を用いたアプローチを試みました。 対象としたのは10歳から59歳までの男女約38,000名。ソーシャルゲームの経験有無はスクリーニング条件としていません。つまり、ソーシャルゲームを現在プレイしている人(現役ユーザー)、かつてはプレイしていたが今はやらなくなっている人(休眠、あるいは卒業ユーザー)、まだソーシャルゲームをプレイしたことがない人(未経験ユーザー)の全てを対象とした調査
カプコンから2010年4月28日に発売された『スーパーストリートファイターIV』は、前年2月に発売された『ストリートファイターIV』に様々な追加要素を加味した作品です。 しかしそれだけに留まらず、カプコンとディンプスの開発チームは僅か約1年の開発期間の中でユーザーインターフェイス(UI)を刷新。新しい印象を与えるゲームに作り変えました。その背景にはオートデスクの「Scaleform」の採用がありました。GameBusiness.jpでは大阪は千里中央にあるディンプスにお邪魔してお話を伺いました。 既にオートデスクの「Scaleform」 については何度か紹介してきましたが、本製品はAdobe Flashでオーサリングしたファイルを家庭用ゲーム機やPCなどで動作させるためのランタイムで、主にUIの制作に用いられています。Flashの強力な制作環境を利用できるほか、3Dやムービーを交えて表現力
アクションゲーム開発に定評のあるプラチナゲームズ。『MADWORLD(マッドワールド)』『BAYONETTA(ベヨネッタ)』『VANQUISH(ヴァンキッシュ)』と、国内外で高い評価を受けるタイトルを、次々に生み出してきました。オンライン多人数乱戦格闘アクションを掲げる最新作『MAX ANARCHY(マックス アナーキー)』も、発表直後にもかかわらず、世界中のユーザーから高い注目を集めています。 では、なぜプラチナゲームズは、優れたアクションゲームを次々に世に送り出せるのでしょうか。そこにはプロデューサーの稲葉敦志氏、ディレクターの神谷英樹氏といったリーダーの存在だけでなく、実際のゲーム作りに携わる、開発者一人ひとりの力量があるはずです。リーダーと現場は車の両輪のようなもので、どちらが欠けてもプロジェクトは前に進まないのは、あきらかでしょう。 そこで本座談会では、同社のアクションゲーム
中でも「明日から使えるTIPS」だと感じられたのが、サウンドに関する言説です。天谷氏は「プレイヤーは絵だけでなく、効果音からも『双方向性』を得たがっている」と説明し、もっと効果音の種類を増やすことを勧めました。BGMについても楽曲の完成度ではなく、ゲームデザイン的な視点から語られた点がユニーク。すべてを一人で作り上げた開発者ならではのTIPSだったと言えます。 もっとも、そのためには「非常に高い授業料」を払う必要もありました。その象徴が、完成寸前にまで至りながら、ゼロから作り直した点でしょう。理由について天谷氏は「友人へのテストプレイを通して、プレイヤーのコントロールに問題があると感じた。最初で最後のゲーム作りのつもりで、半ばやけくそになって作り直した」と語りました。中でもステージデザインと武器システムは大きく変更されました。 まずステージデザインでは最初から広大な内容だったのが、徐々
3月3日の13時半より、著名なゲームデザイナーであり、GDC 2004 のGame Developers Choice AwardsにてLifetime Achievement Award(生涯功労賞)を受賞したMark Cerny氏によるセッション「Classic Game Postmortem - MARBLE MADNESS (クラシックゲーム総括 - マーブルマッドネス)」が行われました。 今回のGDC 2011の目玉企画の1つがこの「Postmortem」でした。『マーブルマッドネス』以外にも『パックマン』『ポピュラス』『プリンスオブペルシャ』『マニアックマンション』などといった歴史的名作のクリエイターが製作当時を振り返って語る、というセッションが多数用意され、古株の開発者には懐かしく、若い開発者にとっては憧れのクリエイターに会えるチャンスということもあり、プログラムの発表直後
今回のGDCでは「Classic Game Postmortem」としてクラシックな人気タイトルの開発秘話を振り返るシリーズが全10タイトルで実施されています。4日の午後には世界で最も著名なカジュアルゲームメーカーとなったPopCapの創業者の一人でチーフ・クリエイティブ・オフィサーのJason Kapalka氏がその大ヒットタイトル『Bejeweled』の誕生について赤裸々に振り返りました。 10周年を迎えた『Bejeweled』は中毒性の高いパズルゲームとして知られます。Kapalka氏は冒頭このような話で切り出します。「10年前、『Bejeweled』を作ったんだと言っても"なにそれ?"という反応でした。でも今同じ事を言うと"なんてものを作ってしまったんだ"と言われてしまうんです」このゲームは大勢の睡眠時間を奪った実績があります。これまでに5000万本が売れ、5億人がプレイ、費やさ
ゲームの開発においてデータ解析という手法が注目を集めています。主にソーシャルゲームの改善のために各社が力を入れていますが、エレクトロニック・アーツはPS3/Xbox360『Dead Space 2』のマルチプレイヤーモードの改善の為に「Data Cracker」というツールを内製し活用しました。「The Data Cracker: Building a Dead Space 2 Visual Game Analytic Tool」では同社のBen Medler氏がその手法や経験を語りました。 「Data Cracker」は簡単に言えば、ゲームにおけるユーザーの動きをログとして蓄積し、それをビジュアル化して表示するためのツールです。データはサーバーのMySQLデータベースに逐一保存され、「Data Cracker」がそれを加工し表示します。ビジュアル化されたデータが示される事で、ゲームのバ
任天堂の岩田聡社長は現地時間2日の午前9時よりGame Developers Conference 2011の基調講演を行いました。 その日本語の全文は任天堂公式サイトに掲載されていますので、ここでは紹介しません。また、保存されたライブ映像も閲覧できます。ここでは、せっかく会場に居ましたので、所感を述べさせていただければと思います。 「世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス」という枕詞を自分自身も幾度となく使ってしまうのですが、Game Developers Conferenceはまさに開発者のための場です。今年で25周年を迎え、2万人近い来場者が世界中から訪れる規模にまで成長しましたが、どことなく、始まりはそうであっただろう、ちょっとした開発者の集まりの雰囲気も残します。会場に居る誰もが一緒に戦う戦友、そのような空気があります。 例えば2日夕刻に行われた「Game Develop
2月28日に行われた「Localization Summit」の6セッションのうち、キーノートとなったのが15時から行われたBioWareのスタッフによる「Localization and development: A love story... that leads to great business! (ローカライズと開発:ラブストーリーが素晴らしいビジネスをもたらす!)」と題されたセッションでした。 ご存知の方も多いと思いますが、BioWareは『Dragon Age』シリーズや『Mass Effect』シリーズなど、主にPCで数多くのRPGをリリースしてきており、これまで15年以上にわたり20以上のタイトル、8言語以上、90以上のバリエーションに対応してきた、まさにローカライズの知識の宝庫とも言える会社です。 業界のベテラン Gordon Walton氏と、まだ若いIan Mi
3月2日の15時より、ソーシャルゲーム界の雄、ZyngaのプロデューサーChris Trottier氏が女性の視点からライトな女性ユーザーが好むデザイン、嫌いなデザインについての分析をする講演「Designing Games for the "43-Year-Old Woman" (43歳の女性向けのゲームデザインとは)」が行なわれました。 まず、なぜこの講演のタイトルが「43歳の女性向け」なのかというと、フラッシュゲームで有名なPopCapが今年の1月に発表した調査結果によると、ソーシャルゲームのプレイヤーの中心層は男性でも学生でもなく、平均43歳の女性だ、という発表がなされ、業界的に大きなニュースになったからです。 彼女自身は現在42歳、既婚で子供もおり、ゲームデザイナーですがゲーマーではありません。友達を家に招待して食事を振舞うことは好きですが、一緒にWiiでは遊びません。しかし
GDC初日の10:00から開催された「Social and Online Game Design 2010 A Year in Review」は、カジュアルゲームの分野で造詣の深い、Nick Fortugno氏(CCO Playmatics)とJuan Gril氏(Joju Games)が、2010年に見つけたイノベーティブなゲームデザインを紹介するというセッション。 取り上げられたのは、カジュアルゲームやオンライン/ソーシャルゲームで、特に余り日本では紹介されてこなかったものばかりでとても興味深いものなりました。二人が交互に推薦するタイトルを紹介するというスタイルですが、特に順位付けなどを目的としたものではなく、2010年のトレンドを見つけよう、というものです。面白そうなタイトルを中心に紹介します。 ■アクションゲームにおける革新 単に先に進むだけがアクションではありません。Jua
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く